自由法曹団通信:1590号      

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久保田 明 人 共謀罪法案に反対するデモ&院内集会へのご参加を!
神 保 大 地 あすわかのチラシできました、題して
「テロ等準備罪」とか言っちゃって! 共謀罪であなたも私も狙い撃ち!?
齊 藤 豊 治 共謀罪法案における対象犯罪の検討(上)
原 野 早知子 東大阪市学童保育指導員・縄手南団交拒否事件―団交ルール確立による勝利和解
城 塚 健 之 紹介「弁護士が読む西谷敏『労働法の基礎構造』」
神 保 大 地 「憲法カフェ」講師養成講座のお知らせ☆
田 村 有規奈 第二回安倍「働き方改革」批判検討会に参加して
久保木 太 一 第二回安倍「働き方改革」共同批判検討会感想



共謀罪法案に反対するデモ&院内集会へのご参加を!

事務局次長  久保田 明 人

 安倍政権は、過去三度世論の強い批判により廃案となった共謀罪法案を、「テロ防止」のために必要であるなどと喧伝して、四たび国会に提出しようとしています。
 しかし、共謀罪は、「犯罪についての話し合い」があったとみなされただけで、独立の犯罪の成立を認めるものであり、国家刑罰権・捜査権の著しい強化を狙うもので、市民の内心の自由(憲法一九条)、正当な言論・表現を侵害し(憲法二一条)、適正手続原則(憲法三一条)に違反する憲法違反の法案です。
 戦争への道を突き進み、憲法九条の改悪を企む安倍政権は、これに対抗する市民の弾圧を狙ってテロ防止のためなどとウソを重ねて共謀罪を成立させようとしています。なんとしても共謀罪法案の成立を阻止しなければなりません。
 自由法曹団を含め法律家六団体が今般「共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会」を結成し、二月二七日には共同声明を公表しました(共同声明文についてはホームページをご覧ください)。また、下記の日時で国会請願デモと院内集会を開催し、共謀罪を創設させないたたかいの力を総結集しますので、ぜひご参加ください。

日時:二〇一七年三月一六日(木)
【国会請願デモ】
    一二時〜 日比谷公園霞門 出発
【院内集会】
    ※デモ後に院内集会を予定しておりますが、開始時間が現時点で未確定ですので、確定次第追ってFAXニュース等で告知させていただきます。
    場所:衆議院第二議員会館多目的会議室(定員:一四一名、参加費無料)


あすわかのチラシできました、題して
「テロ等準備罪」とか言っちゃって! 共謀罪であなたも私も狙い撃ち!?

北海道支部  神 保 大 地

 「テロ等準備罪」に「賛成」が四四%、「反対」が二五%。二月一九日になされた朝日新聞の世論調査の結果だそうです。対象となる犯罪も不明、その危険性も無限定なのに「賛成」ってなんじゃそりゃ、って思いましたけど、でも、誰も教えてくれないですもんね。テレビは、ずっと北朝鮮の方の殺人事件ばかりだし…。やはり、地道に広めるしかないですよね。
 そんな地道に広めたい方に朗報です!
 待ちに待った(?)あすわか(明日の自由を守る若手弁護士の会)の共謀罪チラシができました!!
 全面カラーで、目立つこと間違いなし! いつもながらのかわいいイラストに、特徴的な事例、そして簡単な解説です。このチラシを手にした多くの方が、「えっ? そうなの?共謀罪ヤバいじゃん!」と思っていただけるはずです。
 メインイラストは、落とし穴。そう、「テロ等準備罪」なんていう表面だけ見てたら、「共謀罪」っておっそろしい穴に落とされちゃうよ、というメッセージです。
 具体的に解説する事例は四つです。
 一 一般人は対象外、というウソを暴きます。結局、一般人のフリをしたテロリストって思われちゃえば、捜査の対象になっちゃいますよね。
 二 テロ対策には必要、というウソも暴きます。テロ対策はもうあるから、取り締まりたいのはテロ以外の活動ってことですよね。
 三 準備行為がなきゃ大丈夫、というウソも暴きます。なんでもかんでも準備行為になりうるんですから、なんの歯止めにもなりませんよね。
 四 結局、スパイや盗聴が横行して、密告が奨励される疑心暗鬼大国になるわけです。一億総疑心暗鬼です。
 こんな感じのあすわかチラシ。みなさま、ちょっと読んでみたくなったのではないですか? こちらは一枚五円で販売させていただきます(安い!)。
 といっても、一枚単位ではお配りできないので、一〇〇枚単位でお願いします! 送料も着払いですので、あらかじめご了承願います。ご注文は、あすわか事務局(peaceloving.lawyer@gmail.com)まで「共謀罪チラシ紙媒体希望」と明記の上、(1)何百枚いるのか、(2)発送先を明記の上、メール願います。
 なお、PDFデータをご自身で印刷されるのは何も問題ございませんので、ぜひPDF版(peaceloving.lawyer@gmail.comあすわか事務局までメールください)もご活用ください。メールのタイトルには「共謀罪チラシPDF版希望」と明記ください。
 当然ですが、改変等はご遠慮願います。間違い等ございましたら、今後改訂するので、こそっと教えてくださいませ。

 このチラシが、共謀罪の学習会講師を務める多くの団員のみなさまの一助になれば幸いです。


共謀罪法案における対象犯罪の検討(上)

大阪支部  齊 藤 豊 治

 共謀罪法案に関して、対象犯罪のリストが法務省から提示された。全体構造だけではなく、個別の規定ごとの検討も避けて通ることはできない。以下、気が付いた点を取り急ぎ整理してみた。ご一読をいただき、お気づきの点をご指摘いただければ、幸いである。

一.基地反対闘争など市民運動とのかかわり
高江・辺野古の基地建設での、警察の実力行使との対峙で、住民の抵抗が繰り広げられた。こうした行為が、刑法や組織犯罪処罰法の適用対象となり、それらに関して、共謀罪が処罰の対象となりうると思われる。政権は、「組織的な」抵抗と認定したうえで、介入と弾圧を行う可能性が大きい。安倍政権は、オリンピックと共謀罪法と改憲発議を一つの固まりとして方針をさだめて強行する可能性があり、その過程で改憲阻止の運動に対して、共謀罪法を強権的に適用してくるおそれが大きい。
(1) 「強要」共謀罪
 刑法の強要罪は、多くの個人的法益との関係では、一般法的な規定という性格を持つ。基地建設の素材の持ち込み等、基地建設への抵抗が組織的強要罪となり、それらの抵抗運動を組織するための協議、相談に対して共謀罪が適用される。
(2) 「組織的業務妨害」共謀罪
 これも、強要罪と同様な性格、機能を果たす可能性がある。業務妨害には信用毀損・偽計型と威力行使型とがある。抵抗運動に対して使われやすいのは、威力行使型である。座り込みをしようという協議、相談が、組織的業務妨害共謀罪で処罰されることが生じうる。また、宣伝活動に関連して、宣伝の文言、片言隻語をとらえて信用毀損・偽計型の組織的業務妨害共謀罪が適用される可能性を否定できない。
 警察の実力行使に対する抵抗については、判例の主流は、業務妨害罪の適用を認めていない。それは、暴行・脅迫を要件として、公務執行妨害罪が適用されるからである。今回の共謀罪のリストには、公務執行妨害罪は入っていないので、共謀罪での処罰は行われないということになる。しかし、非権力的な公務に関しては、業務妨害罪が成立するというのが判例の見解であるから、組織的威力業務妨害共謀罪が適用される。警察官や自衛隊員でない公務員に対し、抵抗や抗議が行われる場合には、これに当たるとされる可能性が大きい。また、基地建設の工事を行う民間の土木・建設業者に対して、運送を阻止する抵抗運動が行われる場合、組織的業務妨害共謀罪が適用される可能性がある。
(3) 傷害共謀罪
 リストの中には、刑法の傷害罪が入っている。傷害共謀罪という類型が出現する。これに関しては、次のような問題点を指摘できる。
 第一に、刑法では、傷害罪における傷害の概念について、学説では、身体の完全性侵害か生理的機能の侵害かが争われているが、判例はどちらも含みうると解しているとみてよい。しかも、いずれも、低いレベルの被害であってもよいとされている。警察官の実力行使に対する抵抗で、警察官が軽度の負傷をした場合でも、傷害罪が成立するとされる可能性がある。そのような抵抗をあらかじめ相談することが、傷害共謀罪に当たるとされる。
 第二の問題は、傷害罪が途方もない前倒しの処罰であることである。傷害罪に関しては、現行法では未遂罪すら存在しない。現実に負傷しなければ、傷害罪は成立しない。法案の傷害共謀罪は、未遂はおろか、はるかそれ以前の準備、さらには共謀まで処罰する。現在でも、傷害の未遂は実際には暴行罪で処罰されている。暴行の共謀ですら、傷害の共謀として運用されることになろう。傷害共謀罪の新設は、乱暴極まりない処罰範囲の拡張といえる。(続く)


東大阪市学童保育指導員・縄手南団交拒否事件―団交ルール確立による勝利和解

大阪支部  原 野 早知子

 本件は、学童保育指導員の加入する労働組合による不当労働行為救済申立事件である。事件そのものは単純な団交拒否事案で、労働委員会への申立と労働組合の粘り強い取組により、申立から約八ヶ月で団交ルールを確立する和解が成立した。
 事案発生の背景には、自治体による学童保育事業の安直な「民営化」があり、全国に共通する問題と思われるので報告する。
 東大阪市の学童保育事業は、市の直営だったものが、平成元年から「地域運営委員会」方式とされ、更に、平成二七年から一部が民間事業者に委託された。
 被申立人(株)共立メンテナンス(以下「共立」)は、平成二七年四月から、東大阪市の学童保育事業の委託を受け、二三のクラブの運営を行うようになった。同社は、元々寮の管理などを主たる事業としていたが、「PKP事業」と称して、自治体の委託事業への進出を図っている。
 組合(東大阪労連・東大阪市職労・東大阪市ちびっ子クラブ指導員労働組合(以下「ちびっ子労組」)の三者)は、平成二七年七月一五日、縄手南小学校に設置された学童クラブの組合員の雇用契約書の記載内容や、個別組合員の労働条件の改善を求め、団交を申し入れた。
 ところが、共立側は、組合側の出席者を「三名以内」とする等の不当な条件を提示した(縄手南の分会組合員は三名で、組合は上部団体含め一〇名程度の出席を予告していた)。団体交渉当日、共立の担当者(事業部長)は、いきなり立ち上がり、「三人と言っているだろ!」と威圧的な発言をして帰ってしまい、団交を開かなかった。
 組合は、平成二七年一二月一五日に改めて団交を申し入れたが、共立は返答を遅らせた挙げ句、平成二八年一月末になって「都合が合わない」と回答し、団交を拒否した。一方で、共立は、個別に指導員と面談した際に、対する雇い止めを示唆する態度まで取り始めた。
 このため、平成二八年二月一〇日に、大阪府労委に救済申立を行った。
 組合側出席者数を「三名以内」とすることが団交拒否の理由になるかが最大の争点だった。「五名以内」の制限を不当労働行為とした救済命令の例があるほどで、本来理由にならないものであった。
 組合は、救済申立後も、抗議や交渉申し入れを行い、平成二八年七月一五日、組合側五名出席での団交を実現した。共立は、その後も人数制限に頑なな態度をとり続けたが、平成二八年九月に再度組合側六名出席で団体交渉が実現した。府労委も強く和解を働きかけ、平成二八年一一月一日、和解協定書締結に至った。
 和解協定書では、最大の争点だった出席人数について、「双方それぞれ五名以内を基本、交渉事項に応じて、労使それぞれが総数一〇名以内で増減できる。その際は事前に連絡する」と組合が自主的に人数を決定できる内容となった。また、団交申し入れに対し、共立が二週間以内に団交を開催すること、開催日時について原則一週間以内に開催日時の回答を行うことなどを盛り込み、不当な回答引延ばしを許さないものとなった。
 共立が事業者となって以降、出席人数等をめぐり団交自体が拒否され、団交開催に至った際にも、開始前に三〇分以上紛糾することが続いていた。そのような中で、団交ルールの確立は、大きな意味を持つ。
 共立は、団体交渉申し入れに対する対応も、府労委での姿勢も、最後まで真摯なものとは言い難かった(府労委には代理人弁護士(東京)のみが出席し、会社担当者の出席も、最終段階で公益委員が働きかけ、ようやく実現した)。
 共立は自治体の委託事業に全国的に進出しているが、それにしては対応が全般にお粗末というほかなく、他の事業を含め、従業員に対し労働法に則った運営がされているか疑問大である。個別の現場で、労働組合が団体交渉などの取組により、現に働いている労働者の労働条件向上を図っていく必要があろう(労働組合が存在しない事業所が大半と思われる)。
 また、そもそも、学童保育のような本質的に非営利の事業を民営化することが、かような業者の参入を許す遠因にある。東大阪では平成元年に「地域運営委員会方式」が導入されたが、自治体直営でなくなったことで無責任な体制となり、雇い止め事案も散発してきたところ、民間業者の参入で、更に事態が悪化している。何でも「民営化」が世の潮流であるが、地域住民・子どもたちの福祉の観点から、それで良いのかという問題意識を失ってはならないと考える。(弁護団は城塚健之・谷真介・原野早知子)


紹介「弁護士が読む西谷敏『労働法の基礎構造』」

大阪支部  城 塚 健 之

 「労働法律旬報」二〇一七年一月合併号(一八七九+八〇)より、「弁護士が読む西谷敏『労働法の基礎構造』」が連載されています。
 これまで労働事件をたたかう数多くの弁護士がお世話になってきた西谷敏・大阪市立大学名誉教授。その西谷教授が、二〇一六年六月、法律文化社より、『労働法の基礎構造』を上梓されました。同書は、労働法の全体について、その本質、市民法・民法との相違、基本理念、自己決定論、法解釈のあり方から、労働法の将来まで、壮大なスケールで描き出す理論書です。これを、研究者ではなく、実務家である弁護士が読んで考えようというのが本企画の趣旨です。
 執筆者は、日本労働弁護団の現旧会長を含む、東京・大阪の超ベテランから若手までの一二名の弁護士です。
 私は「第四章 労働法の基本理念」を担当しましたが、もがきながら必死に格闘したというのが正直なところです。しかしながら、西谷教授の深い思考をトレースし、弁護士として取り組んだ事件、自分が関わっている運動、あるいは日頃の問題意識に引きつけて考えることは、とても勉強となりました。
 すでに発表されている論考をみても、各執筆者がそれぞれの経験や問題意識から縦横に論じており、はっとするような視点もあり、これから多くの事件に取り組んで行くであろう若手のみなさんにも豊かなものを提供できるのではないかと思います。また、「労働法律旬報誌」を未購読の方は、これを機会に、ぜひご購読ください。
 ところで、この企画の発端ですが、理論書というものは弁護士はなかなか読まないものですが、それでも弁護士の立場から何かコメントする機会がないものかと考えておりました。そんな折、二〇一六年八月に開催された民法協六〇周年記念行事の合間の「お茶会」の席で、西谷教授にちらっとお話ししたところ、即座にご賛同いただき、来賓として来られていた古賀一志・労働法律旬報編集長のご了解もその場で取り付けることができたことから、具体化に至ったものです。アメリカのティーパーティーのことはよくわかりませんが、「お茶会」というものは新しい動きの出発点となるものだと改めて思った次第です。

「弁護士が読む西谷敏『労働法の基礎構造』」執筆者一覧
企画の趣旨=豊川義明
第一章 労働法の本質と発展=徳住堅治(以上、一月合併号)
第二章 市民法と労働法=鴨田哲郎(二月上旬号)
第三章 民法と労働法=在間秀和(二月下旬号)
第四章 労働法の基本理念=城塚健之(三月上旬号)※以下は予定
第五章 労働法における公法と私法=中西基(三月下旬号)
第六章 労働契約と労働者意思=鎌田幸夫(四月上旬号)
第七章 「労働者」の統一と分裂=佐々木亮(四月下旬号)
第八章 労働組合と法=河村学(五月上旬号)
第九章 労働法における法律、判例、学説=中村和雄(五月下旬号)
第一〇章 労働法の解釈=井上幸夫(六月上旬号)
第一一章 労働関係の法化と紛争解決=鵜飼良昭(六月下旬号)
第一二章 労働法の将来=高木太郎(七月上旬号)
総括=宮里邦雄(七月下旬号)


「憲法カフェ」講師養成講座のお知らせ☆

北海道支部  神 保 大 地

 立憲主義の破壊が止まりません。民族浄化がおさまらない南スーダンへのPKO(そもそもkeepするpeaceが無いのが大問題)派遣だけでも憲政史上重大すぎる問題なのに、「テロ等準備罪」と名前だけ変えて共謀罪が創られようとされている、いくら身体と時間があっても足りない状況です。
 安倍政権の暴走が止まらない原因はなんでしょうか。それは国民の「無関心」です。先だって復刻版が出た佐藤功先生の『憲法と君たち』には、「憲法が君たちを守る。君たちが憲法を守る。」というくだりがあり、憲法の究極の番人は、主権者国民であると説かれていました。なるほど、無関心だから支持率も下がらず、無関心だからメディアも報道すべきことを報道しなくて済む、そして何も情報を持たない国民はさらに無関心になる…
 そう考えると、私たち法律家が今すべきことは何でしょうか。そう、国民の「無関心」に終止符を打つことです。専門家だからこそ、できること。それは知識や情報を市民に渡して、関心を持ってもらうこと、問題意識を持ってもらうことです。とにもかくにも憲法というものに触れてもらい、何が書かれているのか、憲法をめぐってなにが起きようとしているのか、知ってもらわなければ、なんの議論も始まりません。
 知識があるから、人は疑問を抱くことができます。議論することができます。怒ることができます。逆に、知識がなければ、怒ることもなく、疑問を抱くこともなく、嘘の情報に流されます。この国の民主主義の歯車が壊れるかどうかという今、私たち法律家に求められている「知識という名の武器を手渡す」役割は、非常に重いものがあると感じます。多くの団員のみなさまがすでに様々に取り組まれていることはもちろん承知の上で、以下の企画をお知らせいたします☆
 多くの団員が参加する「明日の自由を守る若手弁護士の会」(あすわか)では、カジュアルな場所・スタイルで気軽に憲法を知ろうという「憲法カフェ」を展開中です(例えば喫茶店や教会、保育園、生協などからのご依頼が多く届きます)。しかし、全国から寄せられるご依頼に対し、講師のなり手が圧倒的に足りません。フツウの学習会と何が違うのかなとか、マニアックな質問が飛んできたらどうしようとか、いろいろな不安があって講師デビューをためらう人が多いようです。
 そこで、このたび、憲法カフェの講師を引き受け続けて大活躍の近藤里沙団員(埼玉)が講師となって、憲法カフェの講師の養成講座を開くことに致しました!場所は大宮ですので、群馬や栃木からも参加しやすいのでは、と期待しております!
 もちろん、あすわか会員でなくても大歓迎です。団員諸氏の事務所にも民主団体から多くの学習会の依頼が来ているかと存じますが、そこでの工夫のヒントになれば幸いです。

日 時:三月二三日(木)一八時〜一九時半
    (二〇時〜 懇親会)
場 所:埼玉中央法律事務所
    (さいたま市大宮区宮町二―二八 あじせんビル四階)
講 師:近藤里沙団員
参加費:無料
申込方法:peaceloving.lawyer@gmail.com(あすわか事務局)までメールでお申し込みください。


第二回安倍「働き方改革」批判検討会に参加して

埼玉支部  田 村 有規奈

 二月一五日に、全労連会館での第二回安倍「働き方改革」批判検討会に参加いたしました。
 先月開催された第一回検討会には参加できなかったので、第二回の今回が初めての参加となりました。第一回に参加した同期が、「今まで参加したことのあるどの勉強会よりも充実していた」と言っていたので、楽しみにしていました。
 全労連の会場に入ると、机が二層のロの字型に並んでいました。よくある皆が前を向いて座るスタイルとは異なり、それぞれが顔を向かい合わせながら話すことができる環境になっていて、講演会や勉強会とは違って、各自が主体的に議論を交わすべき「検討会」なのだなあと少し緊張しました。
 開会のあいさつの後、弁護士、労働組合等様々な立場の六名の方からの報告があり、その後質疑と意見交換がありました。
 今村幸次郎先生の「労働時間規制の在り方」についての報告では、働き方改革の内容を決めているのは誰か、というお話が印象的でした。
働き方改革の総本山ともいうべき「働き方改革実現会議」の構成員のリストが配布され、目を通すと、そこには、議長の安倍総理をはじめ、各大臣が名を連ね、有識者として、大学の教授や、企業団体の会長、CEO、理事長、統括マネージャーといった肩書のメンバーが並んでいました。彼らは、使用者の指揮命令下にあり、時間場所で拘束されるような、一般の労働者とはまったく異なる働き方をしている人たちです。このメンバーで議論をすれば、「働き方改革」ではなく「働かせ方改革」になるのは当然です。
 「働く」というのは本来主体的な行為です。しかし、労働者が主体的に働き方を選択するには、労働者の置かれている立場はあまりに弱いです。労働者の身近でその声を聞いて発信していくことができる私たち弁護士が果たすべき役割は大きいと感じました。
 また、「トラックドライバーの長時間労働の改善に向けて」という全国トラック部会事務局長の鈴木正明さんのお話では、私自身の行為も、長時間労働を生み出す一要因になっていることに気が付かされました。
 二〇一五年時点において、道路貨物運送業が雇用者総数に占める割合は三・五%程度であるにもかかわらず、過労死認定件数は、二五一件中八二件と、三二・六%にのぼるそうです。その背景には、ネット通販が拡大して送料無料や再配達が当たり前になり、そのようなサービスを維持するために、劣悪な環境で働くトラックドライバーが増加していることがあります。
 本日(二月二四日)も、朝日新聞デジタルで、アマゾンの宅配が急増してヤマトに集中しているという記事があり、「小走りだった配達が走りまくっても配り終わらなくなった。定年まで身体が持たないと思い退社した。」というヤマトの元社員の言葉が紹介されていました。
 仕事を始めてから、私もよくネット通販を利用するようになりました。特にアマゾンは、本を買うと翌日には届くので、本屋があいていない時でもすぐに本が買えて便利だと、頻繁に利用していました。しかし、アマゾンのサービスが、トラックの運転手の長時間労働によって成り立っているという自覚はありませんでした。宅配ボックスがないアパートに住んでいたころは、再配達も頻繁に利用していました。
 労働問題は、「問題」として勉強会や法律相談で初めて出会うものではなく、毎日の駅の売店での買い物や、ネット通販の利用、居酒屋での飲食など、生活の様々な場面で既に対面しているはずでした。
 自分の生活での何気ないワンシーンが様々な労働問題と無関係ではないということに気が付かされ、自分のアンテナの鈍さを恥ずかしく思いました。
 このように、「今まで参加したどの勉強会よりも充実していた」という前情報どおり、今回の検討会も、とても勉強になりました。次回もぜひ参加したいです。


第二回安倍「働き方改革」共同批判検討会感想

東京支部  久保木 太 一

 私は、第一回安倍「働き方改革」共同批判検討会(テーマ:同一労働同一賃金)にも参加しました。この企画は、弁護士の先輩方から法律的・理論的なお話を伺えるとともに、労働組合の方等から現場の生の声を伺える貴重な機会であり、とても勉強になります。
 労働時間規制を扱った第二回検討会に参加して感じたことは、労働時間規制について労働者側の立場で考えることが大切であること、それにもかかわらず、今回の「働き方改革」では使用者の立場のみが強調されている、ということです。
 言うまでもなく、労働時間規制の在り方は労働者のライフスタイルに直接的に影響を与えます。検討会でのJMITUの方の発言にもありましたが、労働時間が増えるということは、その分だけ私生活の時間が削られるということを意味します。人格を形成・発展させるための活動等を行うための余暇の時間が奪われ、人間らしい生活ができなくなることに直結します。
 それにもかかわらず、「働き方改革」では、使用者側のメンバーが中心となり、使用者側の都合で新たな労働時間規制が作られようとしている、という内容の報告が弁護士の方からありました。本来は労働者の生命・生活を保護するための労働時間規制が、「多様性」という耳触りの良い言葉のまかやしの下、むしろ長時間労働を合法化・正当化する方向で決められようとしています。
 使用者側、特に日本の産業を支えている中小企業では、経営が厳しく、さらに人手も不足しているという現状が存在していることを疑う余地はありません。しかし、そのシワ寄せは全て労働者に向かうべきものなのでしょうか。先進国中最低である日本の労働生産率を補うのは、すでに十分に酷使されている労働者のさらなる献身なのでしょうか。
 労働時間規制において、使用者側の一方的な都合だけが押し通されるというのは、労働者を保護するという労働法制の原理原則に反していることは明らかです。長時間労働を合法化・正当化する方向での労働時間規制を許してはいけないと思います。