自由法曹団通信:1649号      

<<目次へ 団通信1649号(11月1日)


森 孝博 二〇一八年福岡・八幡総会が開催されました
平松 真二郎 団東京支部「平和の樹を切るな」
安倍九条改憲阻止リーフを作成しました。
守川 幸男 自衛隊明記反対決議についての二つの観点
―山内敏弘氏の問題提起、埼玉の自衛隊明記反対決議、大久保団員の通信に触れて
大久保 賢一 吉永小百合さんの決意
後藤 富士子 「国旗」と「軍旗」
――自衛隊は法律上の「軍隊」
中野 和子 ILO仕事の世界における暴力と
ハラスメント禁止条約採択と国内法整備にむけて
杉島 幸生 そろそろ左派は〈経済〉を語ろう
酒井 健雄 「憲法二五条を守り、活かそう!
一〇・二五中央行動」に参加しました!



二〇一八年福岡・八幡総会が開催されました

事務局長  森   孝 博

 二〇一八年一〇月二一日、二二日の両日、福岡県北九州市のアクティブリゾーツ福岡八幡において、自由法曹団二〇一八年総会が開かれました。本総会では、二四九名の団員が全国から集まり、活発な議論が行われました。
 全体会の冒頭、迫田登紀子団員(福岡支部)、泉澤章団員(東京支部)両団員が議長団に選出され、議事が進められました。
 船尾徹団長の開会挨拶、地元福岡支部の山本一行支部長からの歓迎挨拶に続き、福岡県弁護士会・上田英友会長、全国労働組合総連合・小田川義和議長、日本国民救援会・岸田郁事務局長、日本共産党・山添拓参議院議員の各氏から、ご来賓の挨拶をいただきました。また、本総会には、全国から合計五五本のメッセージが寄せられました。
 ご来賓の挨拶に続き、恒例の古稀団員表彰が行われました。今年の古稀団員は四一名で、うち一一名の古稀団員が総会に参加されました。参加された古稀団員には、船尾徹団長から表彰状と副賞が手渡されました。また、古稀団員を代表して、高木健康団員(福岡支部)、小笠原彩子団員(東京支部)、宮本平一団員(京都支部)、村田正人団員(三重支部)からご挨拶をいただきました。
 次に、加藤健次幹事長から、本総会にあたっての議案の提案と問題提起がなされました。総会直前期に目まぐるしく移り変わった情勢に言及しつつ、議案書に基づき、現在全国民が直面している@憲法九条改悪阻止のたたかい、A沖縄新基地建設をはじめとする「戦争する国」づくりの阻止、B教育・治安分野などでの「戦争する国」づくりとのたたかい、C労働法制改悪阻止のたたかい、D社会保障制度改悪阻止のたたかい、E脱原発・原発事故被災者救済を求める取り組みなどについて問題提起しました。さらに予算・決算の報告がなされました。
 続いて、仲山忠克団員(沖縄支部)から、二〇一八年九月三〇日に行われた沖縄県知事選挙での玉城デニー候補の勝利について報告がなされました。
 次に、本田伊孝団員(東京支部)から会計監査について報告がなされました。続いて、選挙管理委員会の白根心平団員(東京支部)から団長に船尾徹団員(東京支部)が無投票で選出された旨の報告がなされました。
 一日目の全体会終了後、四つの分散会に分かれて議案に対する討論が行われました。
 今年は、各分散会の共通のテーマとして、@憲法と平和をめぐるたたかい、A教育・治安分野における「戦争する国づくり」とのたたかい、B労働法制改悪阻止、労働者の権利と生活を守るたたかい、C社会保障の切り下げを阻止するたたかい、D原発ゼロと原発被害回復を求めるたたかいなどを設定し、これらのテーマに沿って討議が進められ、この間の実践の報告も含めて、各分散会で活発な議論がなされました。
 各分散会の議論を受けて、二日目の全体会では以下のテーマで各団員から発言がなされました。
〇西原 和俊団員(東京支部)改憲阻止・沖縄問題への東京支部の取り組みと若手団員の関わり
〇森  卓爾団員(神奈川支部)街頭宣伝の自由を守るための神奈川支部の取り組みを全国に広げる意義について
〇中野 和子団員(東京支部)来期の労働法制に関する運動の提起
〇高木 健康団員(福岡支部)生活保護基準引き下げの阻止に全力で取り組むこと
〇吉川 健司団員(福井支部)大飯原発訴訟の名古屋高裁金沢支部不当判決、人権を守る砦としての裁判所を実現するために全団員の奮闘を
〇村山  晃団員(京都支部)関西建設アスベスト京都訴訟大阪高裁判決の勝利報告
〇遠地 靖志団員(大阪支部)関西建設アスベスト大阪訴訟大阪高裁判決の勝利報告
〇玉木 昌美団員(滋賀支部)えん罪日野町事件再審開始決定の報告
〇清田 美喜団員(福岡支部)朝鮮学校問題について
〇堀  良一団員(福岡支部)「よみがえれ!有明訴訟」の報告
 これらの発言以外にも、平松真二郎団員(東京支部)から「『平和の樹を切るな』安倍九条改憲阻止リーフのご活用を」、杉本朗団員(神奈川支部)から「『原発と人権』報告学習会」の発言通告がありました。
 討論の最後に加藤健次幹事長がまとめの発言を行い、議案、予算・決算が採決、すべて承認されました。
 続いて、以下の七本の決議が採択されました。
〇安倍政権が進める憲法九条改悪に終止符を打つために全力でたたかう決議
○日米両政府に対して辺野古新基地建設の断念と普天間米軍基地の無条件・即時閉鎖を求める決議
○「働き方改革」一括法と裁量労働制の拡大に反対し、労働法制の抜本改正を要求する決議
○安倍政権による生活保護基準の引き下げの撤回を勝ち取るため、全力で取り組む決議
○脱原発訴訟における政府追従の判断に抗議し、司法を国民の手に取り戻すためのたたかいを進める決議
○日本政府に対し朝鮮学校と学生たちを政治外交目的で利用することをただちにやめることを求める決議
○諫早湾干拓事業潮受堤防排水門の一日も早い開門を求める決議
 選挙管理委員会の諸隈美波団員(福岡支部)から、幹事は信任投票で選出された旨の報告がなされました。引き続き、総会を一時中断して拡大幹事会を開催し、規約に基づき、常任幹事、幹事長、事務局次長の選任を行いました。
 退任した役員は次のとおりであり、退任の挨拶がありました。
  幹事長   加藤 健次(東京支部)
  事務局次長 酒井 健雄(東京支部)
 新役員は次のとおりであり、代表して新たに選出された泉澤章新幹事長から挨拶がなされました。
  団長    船尾  徹(東京支部 再任)
  幹事長   泉澤  章(東京支部 新任)
  事務局長  森  孝博(東京支部 再任)
  事務局次長 星野 文紀(神奈川支部 再任)
  同     緒方  蘭(東京支部 再任)
  同     深井 剛志(東京支部 再任)
  同     尾ア 彰俊(京都支部 再任)
  同     遠地 靖志(大阪支部 再任)
  同     江夏 大樹(東京支部 新任)
  同     鹿島 裕輔(東京支部 新任)
一〇 閉会にあたって、二〇一九年五月集会(五月二六日〜二七日、二五日にプレ企画を予定)開催地である石川県支部・米田奈央子団員からの歓迎の挨拶がなされ、最後に福岡支部の前田憲徳団員による閉会挨拶をもって総会を閉じました。
一一 総会前日の一〇月二〇日にプレ企画が行われました。今回のプレ企画は、福岡支部企画「勝つまでたたかう学習会のススメ〜集団事件の経験の縦断的・横断的共有をめざして〜」と題して、福岡支部の高橋謙一団員をコーディネーター、福岡支部の小林洋二団員、深堀寿美団員、後藤富和団員、石井衆介団員をパネリスト、福岡支部の馬奈木昭雄団員をアドバイザーに、パネルディスカッションや質疑応答を行い、集団事件における本質的な「ものの考え方」を学習、議論しました。
プレ企画には全体で四八名の団員が参加しました。
一二 今回も、多くの団員・事務局の皆さんのご参加とご協力によって無事総会を終えることができました。総会で出された活発な議論を力に、憲法九条改悪阻止を中心とした大きなたたかいに取り組みましょう。
 最後になりますが、総会成功のためにご尽力いただいた福岡支部の団員、事務局の皆さま、関係者の方々に、この場を借りて改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。


団東京支部「平和の樹を切るな」
安倍九条改憲阻止リーフを作成しました。

東京支部  平 松 真 二 郎

 安倍首相は、自民党総裁三選後の記者会見で、「七〇年以上一度も実現してこなかった憲法改正にいよいよ挑戦し、平成のその先の時代に向かって新しい国づくりに挑んでいく」と述べ、総裁選後の政府与党の人事でも、従来の憲法審査会の理事を交替させるなど改憲シフトを敷きました。公明党との与党間協議を行わず改憲原案を国会に提出することに言及するなど、なりふり構わず安倍九条改憲の動きを加速させています。
 安倍改憲の中心は、憲法九条に新たに「自衛隊」を書き込むこと。安倍首相は、「九条に自衛隊を書くだけだから、何も変わらない」と説明しますが、「自衛隊」を書き込むことで憲法九条がどうなってしまうのか。
 自由法曹団東京支部では、今ある「自衛隊」が憲法に書き込まれることによって、海外派兵の歯止めとなっている憲法九条二項が死文化されること、さらに九条一項で放棄した戦争に加担する国になってしまうことを解説するリーフを作成しました。
 今後の安倍改憲阻止に向けての取り組みにぜひご活用ください。
●頒価 一部一〇円(※一〇〇部単位でのご注文をお願いいたします)。
    送料は実費のご負担をお願いします。
●形式 B4版四つ折
●お申込方法
 リーフレットのお申し込みであることを明記の上、下記の事項をFAX(〇三―五二二七―八二五七)までご連絡ください。
(1)お申込み部数
(2)お名前
(3)ご送付住所
(4)電話番号
 お申込みを頂いた後、ご請求書(料金+送料)を添えてリーフレットをお送り致しますので、お手元に届き次第、指定の口座宛にお振込みください。
●振込先口座 郵便振替 〇〇一三〇―六―八七三九九
 名   義 自由法曹団東京支部
●お問合わせ先
自由法曹団東京支部 電話 〇三―五二二七―八二五五


自衛隊明記反対決議についての二つの観点
―山内敏弘氏の問題提起、埼玉の自衛隊明記反対決議、大久保団員の通信に触れて

千葉支部  守 川 幸 男

一 はじめに―改正権の限界の問題と立憲主義違反の強調について
 千葉では五月総会で自衛隊明記反対決議を出した。
 その教訓は六月一日号の団通信で「自衛隊明記改憲案反対弁護士会総会決議と教訓」と題して長い投稿をした。
 その後千葉では、山内敏弘名誉教授による「自衛隊を憲法に書き込む意味とその影響について考える」憲法会内学習会を開催した。
 また、埼玉弁護士会が一〇月五日の臨時総会で「自衛隊を憲法に明記する憲法改正に反対する総会決議」をした。平和主義と並んで、立憲主義違反を独立の反対項目としている。決議は長いので、市民配布用のイラスト版を作成していて参考となる。
 さらに、団通信一〇月一一日号で大久保賢一団員が「安倍改憲の動きに対抗するために」と題する投稿をした。
 この三つに共通する、憲法改正権の限界と自衛隊明記案の、平和主義違反とは別に、立憲主義違反の強調について、団福岡・八幡総会で、あれこれ考えた。その結果を第二分散会で発言したが、忘れないうちに、また、安倍改憲の強行が現実味を帯びてくる時期に、各地でこの問題の弁護士会決議を検討していると思われるので、問題提起しておきたい。
二 山内名誉教授の会内学習会
 この学習会は自衛隊明記によって何がもたらされるかを中心に行われた。多岐にわたる論点で大いに勉強になったが、基本は昨年の法律家六団体の合宿(二〇一七年八月一二〜一三日)での問題提起やこれをもとにした法と民主主義の二〇一七年八、九月合併号と同旨である。この中で、氏から、千葉の決議は憲法改正権の限界についてどう検討したのか、と逆質問された。また、立憲平和主義について強調され、私はこれに関連して、千葉の決議で立憲主義違反を前面に出す、というやり方もあったのではないかと発言した。
三 大久保団員の問題提起と山内氏の「立憲平和主義」の検討を
 大久保さんは、自衛隊を憲法上どう見るかについての意見の対立を、憲法違反とするA説からD説まで分類し、うち、自衛隊は合憲であるが、海外での活動は制約されているというB説について、「集団的自衛権は違憲で共同してきたが、B説の中には、現行憲法は集団的自衛権(守川注、一部にせよ全面的にせよ)を否定しているが、憲法を変えればその行使も可能であるとしている人もいる。そのような改憲は、憲法改正の限界を超えるものではないし、国民投票に委ねられるという考え方である。この論者は、違憲の法律の制定には反対するが、改憲には反対しないのである。その選択が憲法改正権力としての国民の意思であればやむを得ないと考えるからである」とする。そうすると、国民投票することには反対しない、ということになるのであろう。私もこの大久保さんの論点整理に共感する。今から考えると、千葉での決議反対論にはこの立場からのものが多かったのかも知れない。そしてこれに対しては、「国家の最大の暴力である戦争を容認する浅薄な立憲主義理解がここにある」と切って捨てている。大久保さんも、運動の共同にとっても最大の困難を指摘し、もっと幅広く、軍事力の保有と行使を容認する人たちを含めて、国際紛争の武力解決の危険性を共有していくことが重要だ、と訴えている。同感だし、大切な観点なので、あえて該当した部分を引用しておいた。
 ただ、それはそのとおりであるが、私は、せっかく「浅薄な立憲主義理解」と指摘しているのであるから、正しい立憲主義理解を対置することも重要と考えた。その点で山内氏がかねてから強調している、日本の歴史的体験を踏まえ、軍事力の不保持と戦争の放棄という徹底した形で立憲主義を実現しようとした、とする「立憲平和主義」の考え方を大いに学んだらよいと思う。立憲主義を逆用する憲法九条改憲の主張もあり、これもきびしく批判している。詳しくは「立憲平和主義」法律時報増刊『戦後日本憲法学七〇年の軌跡』(日本評論社二〇一七年)を参照されたい。
 また、同氏は、九条一項だけでなく二項の改訂も改正権の限界を超える、と強調して来られたので、これについても学ぶ必要がある。
 今後各地で、以上の二点についての理論的検討を強めて、それぞれの状況に応じて弁護士会決議などに取り組んだらよいと考える。


吉永小百合さんの決意

埼玉支部  大 久 保 賢 一

 九月二四日、明治大学リバティーホールに、吉永小百合さんの姿があった。私との距離は一〇メートルと離れていない。至近距離とはいえないけれど、サユリストである私には十分な近さだ。その清楚な美しさは、永年イメージし続けていたとおりのものだった。
 ぼくが小学生のころ「赤銅鈴之助」というラジオ番組があった。彼女は、その番組で「さゆり」という役柄だった。もちろん顔など見えない。そんなことに拘わりなく、ぼくは「さゆり」が好きだった。以来、彼女の映画は何本か見た。「青い山脈」の中の「変しい変しい新子さん」という場面は今でも思い出し笑いをしてしまうほどだ。「寒い朝」のデュエットは持ち歌の一つでもある。もちろん、彼女が原爆詩の朗読をしていることは承知している。
 彼女は、核兵器廃絶日本NGO連絡会(被団協、原水協、原水禁、ピースボート、ピースデポ、原子力資料室、YWCA、世界連邦運動、市民生協、創価学会など宗教者、医者、法律家などで構成)が主催した「核なき世界へ向けて―被爆国の役割を考える―」のイベントに参加してくれたのだ(共催・国連広報センター、協力・明治大学、ヒバクシャ国際署名連絡会)。 
 彼女は、川崎哲さん(ノーベル平和賞受賞団体ICANの国際運営委員)とのトークの冒頭、「私は、原爆詩の朗読などをしているけれど、こういう場所に出て来る機会はありませんでした。けれども、今日は思い切って、この場に臨ませていただきました。それは、川崎さんや森瀧さん(注・森瀧春子さんは広島の著名な反核活動家)から熱烈なお手紙をいただいたからです」とあいさつしていた。
 このイベントは、その表題のとおり「核兵器のない世界」を求めるためのものである。日本被爆者団体協議会(被団協)の代表委員である田中煕巳さん(長崎の被爆者)が基調講演を行い、パネリストの一人である外務省の担当課長が「針のむしろに座らされているようです」と自虐的に枕を振るようなイベントなのである。彼女にとって、いわば政府に喝を入れるようなイベントに参加することは、決して日常的な出来事ではなかったのであろう。
 けれども、彼女の主張は明快であった。川崎さんの「昨年採択された核兵器禁止条約は画期的なものだったと思いますが、核兵器をゼロにするために何をするかが問われていますね」という提起に、「もっと日本の人たちが禁止条約を知って、核兵器なんかない方がいい、『核の傘』なんかいらないと思ってくれるように、友だち同士で話し合えるようになればいいですね」と応じているのである。そして、「日本は唯一の被爆国で、どんなに沢山の人が亡くなり、つらい思いをしているかを考えれば、核兵器は絶対にやめましょう、と自ら言うべきではないかと思う」、「大事なことは発言すること。そして、核兵器が二度と使われないことをみんなで作り上げていくことだと思うんです。核兵器禁止条約がせっかくできたんだから、私たちが声を出して、政府に働きかけて、私たちと一緒にやりましょうよと言いたいですね」としているのである。合わせて、確認しておきたいことは、原発をなくす決断をしたオーストリアの姿勢について感銘を受けたとしていたことである。
 彼女は、六〇年間の俳優人生の中で、原爆を題材にした三本の作品に出演したという。大江健三郎さんの「広島ノート」の一節にあるエピソードを題材にした「愛と死の記録」が最初だったと話していた。ほかの二つは「母と暮らせば」(朝長万左男さんによれば、長崎大学医学部の学生がモデルという)と「夢千代日記」であろう。彼女は、それらの作品への出演や、原爆詩の朗読などで、被爆者や核兵器のことを、私たちの想像を超えるレベルで考えたことであろう。
 今、七〇歳以上の人にアンケートを取ると最も人気のある女優は吉永小百合さんだという(ちなみに、男優は加山雄三さん)。そういう国民的人気のある彼女が、俳優としての演技や詩の朗読という形ではなく、一人の「核の時代」を生きる人間として、自らの言葉で、政府に注文を出しながら、友達同士で語り合う大切さを語ったことの意味は限りなく大きいのではないだろうか。彼女は、ギャラを受け取る女優としてではなく、核兵器廃絶に取り組む市民社会に共感する一人の人間として、私たちと共通の時間を持ったのである。そこに吉永小百合さんの「核兵器のない世界」を作ろうとする強い決意を見て取るのは私だけではないであろう。
 吉永さん効果もあって、イベントの参加者は立ち見の方も含めて五五〇名だった。高校生から八六歳までの方たち二〇〇名がアンケートを寄せてくれた。「すごく勉強になったけど、私は何から始めればいいだろうか」という声がいくつかあった。新鮮な情報を提供できたのだと、主催者の一人としてすごくうれしい気持ちを味わっている。
 NGO連絡会の主催イベントとしては空前の成功だったといえよう。必死に取り組んでくれたすべての人たちに感謝すると同時に、決して絶後にしないようにしたいと思う。まだ、核兵器は一五〇〇〇発も残っているのだから。(二〇一八年九月二六日記)


「国旗」と「軍旗」
――自衛隊は法律上の「軍隊」

東京支部  後 藤 富 士 子

 九月二八日の朝日新聞記事によれば、韓国は、一〇月一〇〜一四日に韓国済州島で開かれる「国際観艦式」に関し、参加国に「自国の国旗と太極旗(開催国である韓国の国旗)だけを掲揚するのが原則」だと八月三一日付で通知していた。
 日本の「国旗」は「日の丸」であるが、海上自衛隊は一九五四年の発足時に艦の国籍を示す自衛艦旗として「旭日旗」を採用した。旭日旗は旧日本軍で使われたものであり、韓国内にはこの旗に対して「日本軍国主義の象徴」との批判がある。そのため、韓国海軍が対応を検討した結果、日本の海上自衛隊に自衛艦旗を使わないよう間接的に要請したのである。但し、「国際法や国際慣例上いかなる強制もできない」とも説明している。
 これに対し、日本側は、「非常識な要求。降ろすのが条件なら参加しないまで。従う国もないだろう」(防衛省関係者)としている。
 また、翌日の記事によれば、小野寺五典防衛相は「国内法令で義務づけられており、当然(自衛艦旗を)掲げることになる」と述べ、要請にかかわらず従来通り自衛艦旗を掲げる考えを強調した。
 ところが、一〇月五日、岩屋毅防衛相は、護衛艦の派遣を中止すると発表した(一〇月六日記事)。四日には、自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長が定例会見で「海上自衛官にとって自衛艦旗は誇りだ。降ろしていくことは絶対にない」と述べている。
 国連海洋法条約は「軍艦」に対し、所属を示す「外部標識」の掲揚を求める。海自艦にとっては自衛艦旗が外部標識で、自衛隊法などは航海中、自衛艦旗を艦尾に掲げることを義務づけている。日本側は、これを根拠に韓国側に条件の変更を求めてきたという。
なお、九八年と二〇〇八年に韓国で開かれた観艦式で海自艦は旭日旗を掲げてきたのに、今回こじれた背景には韓国世論がある。韓国政府は当初、「行事の性格や国際慣例などを考慮願いたい」などと国内世論に対して理解を求めていたが、大統領府ホームページの掲示板に「戦犯国の戦犯旗だ」「国家に対する侮辱だ」などとする書き込みが相次いだため、国民の支持を失うことを恐れた大統領府が対応を変えたという(一〇月六日記事)。
 ちなみに、昨年五月、アジア・サッカー連盟(AFC)は、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のアウェー水原(韓国)戦で、サポーターが旭日旗を掲げたJ1川崎に対し、一年間の執行猶予付きでAFC主催大会のホーム一試合を無観客試合とする重い処分と、罰金一万五〇〇〇ドル(約一七〇万円)を科している。AFCの規律委員会は、旭日旗は国籍や政治的主張に関連する差別的象徴と認定し、倫理規定に違反するとされたのである(団通信一五九八号参照)。この経緯をみると、自衛隊は、「国籍や政治的主張に関連する差別的象徴」と認定されるような旭日旗をやめて、国旗「日の丸」を掲げればいいじゃないか、と単純に思う。それに、こんな忌まわしい旭日旗を自衛官に強制して「誇り」をもたせるというのは、「歴史修正主義」による洗脳というほかない。また、「安倍日本会議政権」の日本と文在寅大統領の韓国とでは、現時点で未来の方向が真逆になっている政治の現実がある。文大統領の訪日の具体的な日程は決まらず、旭日旗に拘ることで海自艦の韓国寄港が実現する見通しが立たなくなっている(一〇月一二日記事)。このように、「旭日旗」は、明らかに日本の国益を損なっている。
 私は、九月の朝日新聞記事を読んだ時点で、「旭日旗を掲げる自衛隊を日本国憲法は容認しない」というふうに問題を立てた。しかし、「国際法・国際慣例」や「国内法令」がどうなっているのかに興味を覚えた。それで、防衛省に問い合わせしたり、自ら資料を収集したりした結果、自衛隊が法律上は「軍隊」であることが分かったのである。
 まず、国連海洋法条約二九条は、軍艦の定義規定であり、「この条約の適用上、『軍艦』とは、一の国の軍隊に属する船舶であって、当該国の国籍を有するそのような船舶であることを示す外部標識を掲げ、当該国の政府によって正式に任命されてその氏名が軍務に従事する者の適当な名簿又はこれに相当するものに記載されている士官の指揮下にあり、かつ、正規の軍隊の規律に服する乗組員が配置されているものをいう。」と定められている。すなわち、「自衛艦」は、国際法上「軍艦」にほかならない。
 また、自衛隊法四条は、「自衛隊の旗」についての規定であり、一項は「内閣総理大臣は、政令で定めるところにより、自衛隊旗又は自衛艦旗を自衛隊の部隊又は自衛艦に交付する。」とされ、二項で「前項の自衛隊旗及び自衛艦旗の制式は、政令で定める。」としている。そして、自衛隊法施行令で、自衛艦旗は、日章が中心より左下に寄った光線一六本の旭日旗であり、陸上自衛隊の連隊旗は、日章が中心にあり光線八本の旭日旗とされている。すなわち、旭日旗を自衛隊旗と定めている法的根拠は「政令」にすぎないのである。そして、小野寺防衛相が「国内法令で義務づけられている」というのは、自衛隊法一〇二条一項のことであり、「自衛艦その他の自衛隊の使用する船舶は、防衛大臣の定めるところにより、国旗及び第四条第一項の規定により交付された自衛艦旗その他の旗を掲げなければならない。」と規定している。
 自衛艦旗が定められたのは、一九五四年の自衛隊発足時である。一方、「日の丸」が国旗とされたのは、平成一一年(一九九九年)に制定された「国旗及び国歌に関する法律」による。そして、「国旗」を「軍旗」としても、国連海洋法条約二九条に抵触しない。ちなみに、米国、フィリピン、インドネシア、ベトナムなどは国旗と軍旗は同じである。
 自衛隊を憲法に明記させる「安倍九条改憲」は、制服組トップが望む「旧日本軍」の復権であろう。しかし、自衛隊が旭日旗を掲げることは、日本が「加害の歴史」を反省していない証であり、日本国憲法の出発点と矛盾する。したがって、改憲論議よりも優先して忌まわしい旭日旗を自衛隊旗とすることは止めるべきである。

(二〇一八・一〇・一六)


ILO仕事の世界における暴力と
ハラスメント禁止条約採択と国内法整備にむけて

東京支部  中 野 和 子

 一〇月一一日、団本部において、全労連国際部長の布施恵輔氏をお招きして学習会を行った。各都道府県労働局ではパワハラ相談が最も多い。労働局均等室ではセクハラ相談が最も多い。これらのハラスメント行為を禁止して事業者に防止措置を義務付けることは働く者にとって喫緊の課題といえる。
 布施氏によれば、来年はILO一〇〇周年であり、記念すべき条約は、このハラスメント禁止条約となる。
 ILO条約は政府、使用者、労働者の三者協議で成立し、独自の監視機構が存在する。労働者委員は連合から出ている。三分の二以上の記名投票で成立する。
 今回のハラスメント禁止条約は「勧告付き条約」となり、条約文言については議論が終了している。
 議論された内容で最も重要なのは定義である。条約案では、禁止されるハラスメントは、「ジェンダーに基づいた暴力とハラスメントを含めて、身体的、精神的、性的あるいは経済的な危害を目的とし、あるいは結果としてもたらす可能性のある領域の容認できない行為と慣行、あるいはそれらによる脅威」と定義づけられた。
 被害者の範囲は、労働者に限らず、契約上の地位にかかわらず働く人々、インターンと実習生、雇用が終了した労働者、ボランティア、求職者を含む概念とされた。
 仕事の場所としては、職場、通勤時、労働に関連する活動中、ネットやメールのコミュニケーション、使用者が提供する設備内を含む。
 被害者と加害者は、労働者に対する使用者、それぞれの代表、クライアント、サービス提供者、ユーザー、患者、一般の人々といった第三者を含む。
 働く者は、暴力とハラスメントのない労働の世界の権利があるので、これを根絶するために、禁止法を設定し、防止措置、執行と監視のメカニズムを確立し、教育、訓練の実施、制裁などを定める。
 被害が起きたときのために、紛争解決システム、不利益な結果を被ることなく労働者自らが離脱する権利、仮処分などの措置も講じるべきである。
 ILO条約では以上の項目を含んでいる。
 翻って、国内論議はどうであろうか。
 「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会報告書」が本年三月に発表された。そこでは、何がパワーハラスメントかについて「@優越的な関係に基づいて行われることA業務の適正な範囲を超えて行われることB身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること」と指摘している。行為類型としては@暴行・傷害(身体的な攻撃)、A脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)、B隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)、C業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)、D業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)、E私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)の六類型に分類された。
 しかし、対応策としては、行為者の刑事責任、民事責任はデメリットが大きいとされ、事業主の損害賠償請求の根拠規定も実効性が不明瞭であるとし、防止措置義務は中小企業では困難という反対意見が記され、ガイドラインにしようという報告書となった。
 これに対し、ガイドラインではなく事業主に防止措置義務をという意見もあるようであるが、それではパワーハラスメントはなくならないことは明らかである。なぜなら、セクハラ、マタハラについては、事業主に防止措置義務を課しているが、禁止規定がないためにまだまだ蔓延しているからである。
 来年のILO条約採択に日本政府を賛成させるように、仕事における暴力とハラスメント禁止法を諸団体と連帯して大きな運動をつくっていくことを方針として提起したい。


そろそろ左派は〈経済〉を語ろう

大阪支部  杉 島 幸 生

一 はじめに
 伊藤嘉章先生の投稿(団通信一六四五号)に刺激され、松尾匡教授(立命館)の「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう」(亜紀書房)、「この経済政策が民主主義を救う」(大月書店)を読ませていただきました。なるほどと思うこともありつつ、本当にこれで大丈夫なんだろうかとの疑問も生まれました。本稿では、そうした私の疑問を率直にぶつけてみたいと思います。
二 松尾教授はなにを語っているのか
 松尾理論を私なりに要約すると、「政府は国債をバンバン発行し、日銀はそれをどんどん購入せよ。政府がその緩和マネーで大胆な公共投資をすれば、景気は必ず向上する。それでハイパーインフレなんて起きないし、財政破綻もしない。欧州左翼はこれを唱えて人気を得ているのに、日本の左派はこれを語らないからダメなんだ」というものです。しかし、本当にこれで大丈夫なのでしょうか。
三 ハイパーインフレなど生じない?
 松尾教授は、歴史上ハイパーインフレは、戦争で負けるなどして生産が壊滅状態の場合でしか起きていないことを強調します。しかし、それは、それ以外の歴史的経験がないというだけのことではないでしょうか。また松尾教授は、GDPギャップのあるデフレ下ではいくら緩和マネーを出してもハイパーインフレにはならないとも言いいます。しかし、デフレ下ではインフレにならないでは同義反復です。「デフレが反転してインフレ傾向となったときに、積みあげられた緩和マネーが悪性インフレの要因とならないか?」これが私の疑問です。私の見落としかもしれませんが、先の二著作にその答えを見つけることはできませんでした。
四 財政破綻はしない?
 松尾教授は、国債の一部は借り換えを続け、その他を償還不要の永久債化すれば財政破綻はしないと言います。なるほど政府・日銀間の会計処理上はそれでもいいのかもしれません。しかし、重要なのは海外も含めた市場が、これをどう評価するかです。いくら日本政府が大丈夫だと宣言しても、市場の信頼を失えば、円と国債は暴落し、長期金利は暴騰します。それは新規国債の発行を困難とし、いずれ財政破綻を迎えます。そうならない保障はどこにあるのでしょうか。
五 インフレはコントロールできる?
 異次元に積みあげられた緩和マネーは、異次元のマネーストックを生みだします。インフレ傾向となれば、それは市場に流れ込みます。それを阻止しようと法定準備預金率を大幅に引き上げれば、貸渋り・貸剥がしが起こります。またGDPの数倍にふくれあがったマネーストックを吸収するのに、どれほどの増税が必要となるのでしょうか。消費大増税ということにもなりかねません。またこれを吸収しうる量の国債が一気に市場にでれば、国債価格の暴落と長期金利の暴騰をまねきかねません。それでハイパーインフレが抑えられなければ市民生活は破綻します。様々な景気指数とすべての経済主体の景況感をにらみながら、市民生活に打撃にならないように、絶妙な手綱さばきでインフレをコントロールするというようなことが政府にできるのでしょうか。あまりに危険な冒険に思えます。
六 欧州左翼の経験をどうみるのか
 欧州左翼が反緊縮をスローガンとしているのはそのとおりだと思います。しかし、欧州左翼の主張の核心は、欧州議会や欧州中央銀行が各国の具体的な状況を無視して一律に緊縮財政を押しつけることへの抗議と、EU加盟国間での富の再分配を求めることにあるのではないでしょうか。欧州左翼が、欧州中央銀行が各国の国債を買い上げてチャラにすること要求しているというようなことはあまり聞きません。また日本の国債発行残高の対GDP比率が二三六%(,一八)であるのに対して、欧州各国のなかにそうした国はありません(イギリス―八六・三%、カナダ―八七・三六%、ポルトガル―一二〇・八三%、スウエーデン―三七・九一%、アメリカ―一〇六・一四%)。日本とは財政状況がまるで違います。松尾教授は、イギリス労働党のコービン党首が反緊縮を掲げ、人民のための量的緩和を呼びかけていることをたびた引用しています。しかし、コービン氏は、他方で大企業増税・富裕層増税による財源確保を唱えています。コービン氏の言う「人民のための量的緩和」は、国民投資銀行を創設して政府がそこに支出する、そこから市民生活を豊かにするための事業への支出を行うというものです。政府と国民投資銀行のバランスシートは当然に分離されており、政府への償還が予定されています。これらは松尾理論とはまったく前提を異にしています。欧州左翼が量的緩和を主張しているからといって、さあ日本の左派もそれに続け、その際は日銀マネーを活用するんだ、とはならないのではないでしょうか。
七 私たちは経済をどう語るのか
 随分と後向きの話ばかりをしてしまいました。それではお前は、どう〈経済〉を語るんだという声が聞こえてきそうです。私にそれを十全に語る能力などはありませんが、せっかくの機会ですので、少しは整理してみたいと思います。
〈こんな主張で勝つ〉
@社会保障、教育、医療、介護などを重視し、庶民のサイフを豊かにする予算にする。
A大企業・富裕層増税、金融取引税導入、資産課税で財源をつくり、消費増税はしない。
B必要な公共投資は維持しつつ、不要不急な公共事業は削減する、C格差是正のための諸施策を実施し、公平な社会にしていく、
Dこれで景気を回復し、まずは均衡財政。そして債務返済へ。スローガンは、「格差是正。そして景気回復を!!」
 これらはいずれもどこかで聞いたことのあるものばかりです。松尾教授にすれば〈経済〉を語ったことにはならないのかもしれません。しかし、飛躍的な景気回復とはならなくとも、庶民のサイフが少しずつでも豊かになる、なんだか格差が是正されてきた、政府が自分たちの方を向いているという実感は必ず社会を明るくするはずです。私たちに「魔法の杖」などありません。今、私たちがしなければならないのは、私たちのための経済政策をひとつひとつ練り上げ具体化していき、それを市民と野党の共通政策にまで高めていくことです。その意味で、なるほど、そろそろ左派は、〈経済〉を語らなくてはならないのだと思います。


「憲法二五条を守り、活かそう!
一〇・二五中央行動」に参加しました!

東京支部  酒 井 健 雄

 一〇月二五日、今年も憲法二五条集会が行われました。昨年と比べて、今年は、社会保障の各分野で行われた/今後予定する各地の集会・学習会を集結する、「中央集会」として位置づけられています。
 参加者は会場発表で二八〇〇名、団旗のもとに集まったのは、黒岩団員、渕上団員、林団員(以上東京)、藤岡団員(千葉)、専従のうすいさんでした。
 集会は、呼びかけ人の方々の挨拶からはじまりました。憲法九条を守り、二五条を実質化させよう、軍事費を減らして社会保障費を増やすため、運動のつながりを一層広げようといった呼びかけや、貧困は国の政策によって作り出されたものであり、自己責任では決してない等の発言がありました。また、臨時国会が開幕したにもかかわらず、倉林議員(日本共産党)が駆けつけて、沖縄の選挙のように、野党の連帯により安倍政権の社会保障改悪を阻止し「二五条が生きる政治」に転換するという決意を述べました。
 続いて、生活保護、年金、高齢者の医療費負担増、保育労働者、母親(待機児童)、障害者、精神障害者、障害年金、社会福祉施設経営者同友会、介護労働者、病院労働者といった各分野からの報告がありました。
 例えば、@生活保護基準の引き下げについて、家に閉じこもって寒さと暑さに耐えるだけの生活になっている、いつも同じものを食べていて病気になり、医者から「もっと栄養をとりなさい」と言われるが、そんなお金はない、A高齢者の医療費負担増について、八〇歳のおばあちゃんが月二万円にも満たない年金で暮らしており、自己負担が払えないので医者にもかかる気になれない、といった当事者の悲痛な訴え、B専門職なのに低賃金、不安定、仕事が大変で休めない、やりがいを感じて保育の仕事についたが、生きているだけで精一杯になり疲弊してしまうといった労働者からの訴え、C社会福祉施設の経営者の間でも、分野を超えた運動の共同が発展しつつある、といった発言がありました。
 その後、安倍政権の社会保障政策を「自己責任」と「営利化」を基本にした「社会保障解体」であると断罪し、誰もが人間らしく生きることのできる社会保障・社会福祉を求めるアピール案を採択後、厚労省前に移動し、アピール行動に移りました。
 ここでも、@熱中症の被害が相次ぐ実情に照らして夏季加算を求める訴えや、A工賃の高い施設ほど報酬を高くする障害者施設の報酬算定改定により、重篤な障害者の方ほど収入が低くなり、またそれを支える職員も低賃金になる矛盾を告発する発言がありました。
 厚労省前の沿道に沿って、参加者が長蛇の列をつくり、厚労省を包囲しながら訴える姿は壮観で、社会に大きくアピールするものだったと思います。
 集会に参加して、安倍政権の社会保障削減・解体に対して、社会保障の各分野の運動の共同が、さらに発展していることを目の当たりにできよかったです。また、参加者一人一人に、訴えをプラカードに書かせて、それを厚労省に対する要請に使うというやり方も面白いなと思いました。困難を抱えた当事者がいきいきと参加している姿が印象的でした。当日の写真等を新聞やHP等で是非見ていただきたいと思います。
 今後も、団がこのような取り組みへの関与をいっそう強めることを期待しています!(私も参加したいと思います)。