2022年11月16日、法律家6団体が『9条実質改憲としての安保三文書改訂 ― 戦争させないためのQ&A ―』を発表しました

カテゴリ:意見書

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9条実質改憲としての安保三文書改訂

― 戦争させないためのQ&A ―

2022年11月

改憲問題対策法律家6団体連絡会

目 次

はじめに 
第1章 憲法9条と日本の防衛政策
Q1 これまで政府は憲法9条に基づく防衛政策をどのように考えてきたのですか 
Q2 日米安保条約は何を定めていますか? 時代と共に変化はあるのですか 
Q3 岸田政権が今年末に予定する安保三文書の改定の内容は 
Q4 安保三文書改定と憲法9条の関係はどうなりますか。 憲法上、他にはどういう問題がありますか
第2章 台湾有事
Q5 台湾有事とは何でしょうか 
Q6 台湾有事は、日本有事なのでしょうか 
Q7 台湾有事が発生し、日本が巻き込まれた場合、どのような影響がありますか。政府や自衛隊は、いざという時の国民(市民)保護を万全に備えているのでしょうか。
Q8 台湾有事を起こさせないためには、どうすればよいでしょうか
第3章 抑止力の強化・敵基地攻撃
Q9 抑止力を強化すると日本の安全を守れますか 
Q10 他国の領域に対する攻撃が憲法9条に反して許されないとすると、日本は、相手国からミサイル攻撃を受けてもやられっぱなしで何もできないのでしょうか。専守防衛政策は見直して憲法9条も変えて、日本も軍隊を持つべきではないですか 
Q11 敵から攻撃を受ける高度の危険性があるときに、敵基地攻撃をしないで「座して自滅を待つべし」なのですか。敵が日本攻撃に着手したならば、これに対する反撃は国際法上も個別的自衛権として許されるのではないですか 
Q12 アメリカの核の傘は、日本の安全保障にとって不可欠ではありませんか。 
第4章 「日本をとりまく安全保障環境の悪化」という問題
Q13 軍事力を増強し覇権主義的な行動をとる中国に対して、日本はどう対処すべきでしょうか。中国が日本を侵略する可能性はないのですか
Q14 北朝鮮は、連日のように弾道ミサイルを発射しています。核開発を進め弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮に対して日本はどう対処すべきでしょうか Q15 安全保障環境が一層厳しさを増している以上、日本も軍事力を増強し敵基地攻撃能力を持つべきではありませんか 
第5章 ロシアのウクライナ侵略と国際社会における安全保障の枠組みについて
Q16 ロシアの戦争を止めることができない国連は、無力ではありませんか 
Q17 アメリカは国際社会を「民主主義VS権威主義の戦い」という二項対立でとらえ、軍事同盟や友好国との関係強化によって抑止力を高め、安全保障を図ろうとしています。このような考え方は、世界全体の趨勢なのでしょうか
第6章 憲法9条は無力か。軍事力や軍事同盟に依拠しないで日本の安全をどう守るか。
Q18 軍事力や軍事同盟に依拠しないで、日本の安全をどう守るのですか

 

はじめに

 改憲問題対策法律家6団体連絡会は、2014年7月の第2次安倍政権による集団的自衛権行使一部容認の閣議決定を受けて結成され、改憲問題について発信を続けている法律家団体の連絡会です。 
 岸田政権は、今年末に安保三文書(国家安全保障戦略・防衛計画の大綱・中期防衛力整備計画)の改定により実質改憲の総仕上げを行おうとしています。その先には憲法9条の明文改憲も射程に入れられています。安保三文書改訂の目指すところは、日本が憲法9条との整合性から長きにわたり安全保障政策の基本としてきた専守防衛を名実ともに捨て去り、憲法9条を政策面から改憲するものにほかなりません。台湾海峡・南シナ海をめぐって米中の緊張関係が高まる中で、安保法制に加えて、安保三文書改訂が行われれば、日本が戦争に巻き込まれる危険性が飛躍的に高まることとなります。
他方で、ロシアのウクライナ侵略、中国の軍事力増強と覇権主義的行動、朝鮮民主主義人民共和国(以下「北朝鮮」と表記)のミサイル発射などの情勢を受けて、日本も軍事力を増強すべき、敵基地攻撃能力を保有すべき9条は無力などの声も聞こえてくる現状があります。
 改憲問題対策法律6団体連絡会では、これらの情勢を受けて緊急に「9条実質改憲としての安保三文書改訂―戦争させないためのQ&A」を発行することと致しました。
 安保三文書改訂が私たちの安全にどうかかわるのか、軍事力と軍事同盟に拠らないで日本(市民)の安全を守ることができるのかといった疑問に答えます。ご活用下さい。

2022年11月15日

改憲問題対策法律家6団体連絡会

社会文化法律センター   共同代表理事 海渡 雄一
            自由法曹団            団長 岩田研二郎
            青年法律家協会弁護士学者合同部会 議長 笹山 尚人
            日本国際法律家協会        会長 大熊 政一
            日本反核法律家協会        会長 大久保賢一
            日本民主法律家協会       理事長 新倉  修

【執筆者一覧】(あいうえお順)
飯島滋明(名古屋学院大学教授)Q7,10  
稲正樹(元国際基督教大学教授)Q18の4  
井上正信(弁護士)Q5,6,8       
大江京子(弁護士)Q11,15,18の2 
大久保賢一(弁護士)Q12,14      
大住広太(弁護士)Q18の1        
川口 創(弁護士)Q18の5       
猿田佐世(弁護士・新外交イニシアティブ(ND)代表)Q17             
清水雅彦(日本体育大学教授)Q1,2    
永山茂樹(東海大学教授)Q3,4
新倉 修(青山学院大学名誉教授)Q16  
南 典男(弁護士)Q9,13
宮坂 浩(弁護士)Q18の3

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