<<目次へ 【決 議】自由法曹団
昨年七月から全国四ケ所で計五回実施された、沖縄駐留の米海兵隊による実弾砲撃演習に続き、同演習が来年二月に大分県・日出生台で実施されようとしている。
この演習は、「沖縄の痛みを分かち合い、米軍基地の縮小を目指す」ものとして、政府が国民の反対を押し切って実施されたものであるが、事態はそれが口実にすぎなかったことが明らかとなった。
昨年度実施の北富士演習場ほか三ケ所での発射弾数は、合計四、六〇〇発にもなり、沖縄での一年分の弾数を上廻り、事前の説明に反する夜間訓練の強行や滞在日数の増加など、米海兵隊は沖縄におけるよりも思う存分に訓練成果を上げ、演習場周辺の住民にさまざまな被害を与えている。その反面、沖縄現地では、移転演習後も生活・学習環境は変わっていないと報道されている。
結局一連の移転演習は、沖縄の基地縮小につながるどころか、米海兵隊の戦闘能力を向上させ、安保条約・新ガイドライン体制と合まって、東アジア全体を対象にしたアメリカの軍事行動を助け、これに参加する道をひらくものであり、日本国憲法の平和原則に違背する。
よって我々は、来年二月新たに実施されようとする日出生台での実弾砲撃演習に反対し、これまで多彩な反対運動を続けて来た現地町民を支援し、共に斗うことを決意する。
一九九八年五月二五日
自由法曹団 全国研究討論集会
於 別府