安倍政権が強行する辺野古新基地建設工事の即時中止と普天間基地の即時・無条件撤去を求め、名護市長選挙において稲嶺進・現市長を全力で支援する声明

 

1 沖縄県名護市・普天間基地所属の米軍ヘリの事故が相次いでいる。2017年12月7日には宜野湾市内の保育園の屋根に普天間基地所属のCH53大型ヘリの部品が落下する事故が発生し、同月13日にも、普天間基地に隣接する普天間第二小学校のグラウンドにやはり同基地所属のCH53の部品が落下し、男子児童1人が負傷する事故が発生した。また、2018年1月6日には、うるま市伊計島に同基地所属のUH1汎用ヘリが不時着し、また同月8日にも読谷村にも同基地所属のAH1攻撃ヘリが不時着する事故も発生した。

 このように立て続けに事故が発生し、普天間基地に対する怒りの民意がますます強まっているにもかかわらず、米軍は事故原因の究明をおざなりにすぐさま飛行を再開し、日本政府もこれを容認する姿勢を示している。われわれは、沖縄県民の声明と安全を無視する日米両政府の不当極まりない姿勢に断固抗議する。

 普天間基地の危険性は、移設によって解消されるものではない。普天間基地は、直ちに無条件で撤去されなければならない。

 

2 安倍政権は、「普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策」として、繰り返し示された沖縄の民意を無視して辺野古新基地建設を強行し、2017年4月には護岸工事に着手している。

しかし、辺野古新基地は周辺住民の生命と安全を脅かすものである。さらに、新基地は、強襲揚陸艦が横付けできる護岸の設置を予定する等「殴り込み部隊」である米海兵隊の出撃基地としての機能強化にほかならない。辺野古新基地建設は、周辺諸国との緊張を高め、沖縄と日本を戦争の危険にさらすものである。

われわれは、周辺住民の生命と安全を守り、安倍政権が進める「戦争をする国」づくりを許さないために、政府に対して、辺野古新基地建設の即時中止を強く求めるものである。

 

3 安倍政権の基地建設強行に対し、沖縄では新基地建設反対を一致点とする「オール沖縄」の粘り強い反対運動が取り組まれている。基地建設の差し止めを求める訴訟も提起されている。辺野古新基地建設を阻止するために、今年行われる名護市長選挙と沖縄県知事選挙で、「オール沖縄」の候補の勝利を勝ちとることは決定的に重要な意義を持っている。

 稲嶺進・名護市市長は、2010年の就任以来、辺野古新基地建設反対を掲げ、翁長雄志・沖縄県知事らとともに、「オール沖縄」の中心的な役割を担い奮闘してきた。稲嶺市長は、「名護市民の命とくらし、県民の誇りと尊厳を守り抜くために辺野古新基地は造らせない」、「あらゆる権限や手段を行使し、翁長知事と力を合わせて辺野古新基地建設を断固阻止し、問題に終止符を打つ」等として、2018年2月4日投開票の市長選に3選を目指して出馬することを表明している。

辺野古新基地建設において、今後、名護市長が許認可権限を持つ河川変更申請や、県知事が許認可権限を持つ基地建設の設計変更申請が反対闘争の焦点になる。辺野古新基地の建設阻止のためには、稲嶺市長の3選が不可欠である。

 

4 自由法曹団は、普天間基地の即時無条件撤去と安倍政権が強行する辺野古新基地建設の即時中止を求めるとともに、2018年2月の名護市長選挙において稲嶺市長を当選させるべく全力で支援する決意を表明する。

 

2018年1月20日

自 由 法 曹 団