日本国際法律家協会と自由法曹団

日本国際法律家協会事務局長
新倉 修 にいくらおさむ
國學院大学法学部教授(専門:刑事法)
日本国際法律家協会事務局長
国際民主法律家協会(IADL)執行委員(会計補佐)

 日本国際法律家協会(国法協・JALISA と略称)は、1955 年にカルカッタで開かれたアジア法律家会議がきっかけとなって、1957 年4 月27 日に、日本国際法律家連絡協会として発足した。自由法曹団はそのころすでに遥か先を颯爽と進んでいた。
 この間に、ベトナム戦争があり、湾岸戦争があり、ユーゴスラビア空爆があった。そのいずれについても、自由法曹団は機敏に情勢に応じて、声明を出し、抗議を行い、行動した。この軍事行動のどれも、アメリカ軍が中心となっている。アメリカの軍事行動を支えているのは、在外軍事基地であり、基地を提供している「同盟国」である。
 日本について言えば、アメリカの軍事行動の根っこは、安保条約であり、日米地位協定である。自由法曹団が、全島の20 %を軍事基地に占領されている沖縄を始め、全国諸処に盤踞する米軍専用施設に抵抗する市民を支援していることはだれでも知っている。
 日本国際法律家協会は、近年特に自由法曹団と親密な関係をもっている。1996 年に国際法律家沖縄調査団を派遣し、以来毎年、米軍基地撤去を求める法律家・市民要請団を派遣している。また、1997 年にワシントンでのナショナル・ロイヤーズ・ギルド(N.L.G )総会での日米法律家交流のセミナーに参加し、1998 年に「日米労働法セミナー」「国際シンポジウム:共生と連帯のアジアを求めて」「国際セミナー:核兵器のない世界をめざして」を共催してきた。1999 年秋にはナショナル・ロイヤーズ・ギルドの法律家を迎えて、大阪で労働基本権のセミナーを、東京で平和問題のセミナーを共催した。
 類まれな行動力を誇る自由法曹団が、グローバルな視点から、世界の進歩的な法律家と連帯して、新しい世紀を築くことを心から念願している。

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