「憲法判例をつくる」 自由法曹団 編
憲法訴訟とはそれ自体が一つの歴史であり、“権利のための闘争”の人間のドラマである。憲法判例は判例と学説の平板な積み重ねで生まれるものではない。本人と弁護士たちがいかなる問題を裁判で提起し、法廷でどのような主張立証活動を展開したか、それに対し裁判所が憲法をどのように踏まえて対応し判決を出したか。憲法判例はそのダイナミズムの集大成にほかならない。
本書は、類書と異なり、事件に取り組んだ自由法曹団の各弁護士自らが、社会的背景と憲法訴訟を提起した意味を明らかにし、心血を注いだ訴訟活動をいきいきと描いた、徹頭徹尾当事者の観点からなる判例解説である。
戦後50 年間の著名な憲法事件50 件を法律家をめざす人を第1 の読者対象として編集し、「事件のあらまし」、「訴訟上の重点と工夫」、「判決内容と評価」、「感想と意見」の構成で全編を統一して読みやすくしている。
読者は本書により憲法判例をより立体的に理解でき、学習への興味と意欲が増すことは確実である。
【収録判例】
- 愛媛玉串最高裁判決(政教分離)
- 沖縄県知事職務執行命令訴訟
- 三菱樹脂高野事件(私人間効力)
- 関西電力人権侵害事件
- セクハラ・過労死事件
- 尊属殺違憲判決
- 税理士会政治献金事件
- 家永教科書訴訟
- 大阪国際空港最高裁判決
- 朝日訴訟・堀木訴訟(25 条)
- 都教組4.2 最高裁判決
- 別件逮捕・蛸島事件
- 高田事件(37 条1 項、迅速な裁判)
- 白鳥事件再審最高裁決定
- 電話盗聴事件
など多数
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