<<目次へ 団通信1365号(12月11日)
小部 正治 | *愛媛・松山総会特集その四* 幹事長就任のご挨拶 |
青木 努 | 「なぜいま 比例定数削減か? 一一・一八埼玉集会」 |
渡部 容子 | 給費制完全復活を目指し、今後も全力で頑張ります |
大久保 賢一 | 「北朝鮮」とどう向き合うか |
改憲阻止対策本部 | 「中国をどうみるか」学習会へご参加下さい |
*愛媛・松山総会特集その四*
東京支部 小 部 正 治
私は一九七九年四月(三一期)に東京法律事務所に所属し三一年になります。事務所は、今年創立五五年を迎え、二九名の弁護士が結集し、全労連や純中立に属する全国の産業別組合(単産)の顧問事務所としてほとんどの産業に関与しています。労働事件が多いことは言うまでもありませんが、それに限らず様々な訴訟、運動に参加しています。
私は、自治労連(都庁)、自交総連(タクシー)、全損保(損害保険)の顧問弁護士を長期間担当し、また、郵産労(郵便局)・通信労組(NTT)等の事件を手がけてきました。
加えて、ここ五年ほどは、全医労(国立病院)、全厚生(社会保険庁)などの国家公務員の民間委託化問題、東京公務公共一般の自治体非正規職員問題、首都圏青年ユニオンの民間非正規問題、ユニオン千代田の組織化なども担当しています。さらに、年内解決をめざして闘われている全国B型肝炎訴訟の東京弁護団事務局長であり、最高裁で違憲無罪をめざして闘われている国公法違反二事件の統一弁護団のメンバーです。
東京法律事務所は事務所憲章の定めもあり、団とともに平和や民主主義擁護や人権課題に率先して取り組み、ほぼ毎期団に役員を送り込んできました(日本労働弁護団にも多数の幹部を輩出しており、現在の水口幹事長も同じ事務所です)。私も、一九八一年(創立六〇周年)に団本部事務局次長となり、夕張炭坑ガス爆発事件及び閉山反対闘争に関与し、初めて登場した警察拘禁二法反対に取り組みました。その後一九八七年頃東京支部事務局次長に、一九九九年頃から団本部事務局長に、二〇〇六年から東京支部幹事長になり、その時々の重要な課題に楽しく取り組んできました。
性格は極めて真面目ですが、B型の特徴であるアバウトな面も多々あります。スポーツをするのもみるのも好きです。メタボで健康のために煙草も麻雀も七年前に止めました。平成元年から登山を始め、「百名山」ブームにのり平成一六年までに全国各地に点在する百名山を春夏秋冬駆けめぐり達成しました。現在も事務所の仲間とアルプス・東北など泊まりがけで登山をし、休日には一人で奥多摩の山に行きます。好きなコースは、御嶽山→日の出山→つるつる温泉コース(三時間)、御嶽山→大岳山→馬頭刈尾根→瀬音の湯コース(五時間)で、温泉とビールは必ずつきます。
団本部(執行部)の役割は、各課題に関して、情勢に遅れずに、必要な情報提供や行動提起をすることだと考え、努力していきたいと思います。また、多くの団員、特に若手団員に団本部や団の会議に顔を出していただければと思います。
早速、来年二月には、○比例定数削減学習懇談会(四日午後団本部)、○第五回大量解雇対策会議(一四日午後団本部)、○人権擁護法案検討会(一八日午後大阪弁護士会)、○大阪拡大常任幹事会(一九日午後大阪弁護士会、大阪・名古屋の異常な首長の動向・関西連合と地域主権改革問題)を設定いたしました。詳細は別に連絡されますが、いずれも団員であれば誰でも参加できる会議ですので日程を確保いただき多くの団員が参加下さるよう期待しています。 また、二〇一一年一〇月二一日・二二日は東京・お台場で団九〇周年記念行事・レセプション及び総会を開催しますので、来年の手帳に直ちに記入してください。きっと楽しく記憶に残る企画になると信じています。是非とも、多くの団員にご参加をお願いする次第です。
埼玉支部 青 木 努
埼玉憲法会議では、坂本修団員を講師に迎え、一一月一八日、衆議院比例定数削減問題についての集会を開催しました。
この集会では、幅広く市民に集ってもらうだけではなく、今後、取り組みを広げ・強めるためには、まず、各団体・組織の中心メンバーに問題の核心を理解してもらうことが必要であるとの考えの下、各団体・組織の中心メンバーへの参加を求めました。
その結果、埼労連、埼玉土建、新婦人、埼教組、埼高教、共産党、団埼玉支部等の議長・委員長をはじめとして、各団体・組織の執行部メンバー多数の参加を得られ、企画通りの集会となり、大成功でした。
集会の内容については、集会会場で寄せられた感想文を一部引用することで紹介させていただきます。
「坂本先生の熱のこもった講演内容に感動しました。やれることはたくさんあること、比例代表制の大切さ、正当な選挙とは、など。私も仲間や地域にこの講演で知り得たことを伝え拡げたい。」
「坂本先生のお話、もっと時間をとって詳しくお聴きしたいと思いました。真実を知る・見抜くことの大切さ、本当にまともな生活、まともな政治、まともな世の中etc。そうなったらどんなに良いことか。やはり一人ひとりが持てる力をもって他の人々に働きかけなければいけないと思い、実行していこうと思っています。」
「我が子の未来のために、今できることをやり抜きます。そう決意しました。」
「比例定数削減の策動を今なら食い止めることができるということがわかり勇気づけられました。」
「坂本先生の話を聞くことにより、比例定数削減の意味がより深く理解することができた。何が何でも削減案提出≠フ段階前に阻止しなければならない。闘い抜きましょう!!」等々です。
県内では、すでに埼労連、埼玉土建等が、比例定数削減反対の機関決定を行っており、埼玉憲法会議でも、年内に五万筆を目標として反対署名を集めることにしています。また、団支部としても、来年三月議会に向け全市町村に対する請願行動を検討中です。
このように埼玉では、各団体・組織の動きと市民の動きを車の両輪として動き出しています。
なお、集会参加者は三五〇名、七四名もの方から温かいカンパも寄せられました。
宮城県支部 渡 部 容 子
1 貸与制一年延期
一一月二六日、司法修習生に対する貸与制の実施を一年間延期する改正裁判所法が賛成二二四票、反対一一票で可決成立しました。
諸事情によりたった一年の延期となってしまいましたが、一歩を踏み出せたことをとても嬉しく思っています。
まずは、当事者の組織であるビギナーズ・ネットを代表して、法改正へご尽力くださった全国各地の団員の皆さまへ心から感謝を申し上げます。
法改正を受け、私のもとには全国の新六四期修習予定者から多数のメールや電話が来ています。彼らは当初諦めていましたが徐々にこれは修習生の経済的な問題だけではなく、社会全体ひいては国民生活に関わる問題であるという認識を持ち、どんどん輪に加わってくれました。また、活動を通じて税金で修習をすることの意味を痛感し、人権課題や社会問題に取り組む弁護士になると決意してくれた人が多かったことも大きな成果です。
以下、これまでの活動経過及び今後の活動方針について述べさせて頂きます。
2 活動経過
私は去年一二月末の登録直後から給費制存続を訴え、仙台で活動を行ってきました。四月には日弁連内に緊急対策本部が設置され、私も委員となりましたが、活動をしていて当事者の声を伝える新たな運動組織の必要性を感じ、六月にビギナーズ・ネットを設立しました。同月、消費者団体や労働団体などで構成される市民連絡会が発足し、以降、この三者が中心となり、全国的な運動を展開してきました。
私たちが行ってきた活動は主として、各地で集会やパレード、街頭宣伝を開催、請願署名、国会議員要請です。その結果、給費制維持に肯定的な社説を発表した新聞は一七紙、全国から集まった請願署名は約六七万筆、賛同団体は八三一団体、給費制維持に賛同する立場を表明した国会議員総数は約一九〇人と、給費制維持を求める声は全国に広がりました。そして、ついに九月一三日には民主党法務部門会議(今野東座長)で給費制維持の方針が確認され、同月一六日には二〇〇〇人規模のパレード(東京)が成功し、運動は大きな盛り上がりを見せました。
しかし、その後抵抗勢力が猛反撃を始めました。最高裁が日弁連に挑戦的な質問状を二度も送付、大手全国紙が相次いで給費制維持に否定的な社説を発表しました。そこには、司法に対する根本的不理解や司法制度改革という手段のみを優先する風潮が窺え、給費制の意義、貸与制の弊害、修習専念義務の存在や弁護士会が予算の約四分の一を本来なら国が行うべき被疑者援助や高齢者・ホームレス等に対する法律援助などの公益活動に充てていることなどについて一切触れられていないお粗末なものでした。
その後も給費制維持に反対する勢力は様々な方法で法改正阻止を実現すべく動きました。結局、一〇月二二日の自民党法務部会(平沢勝栄部会長)で態度保留の結論となり、施行日前の法改正は事実上不可能となりました。そこには財務省幹部の動きも見え隠れしていました。
しかし、私たちは諦めることなく、議員会館前での訴えを続けました。毎日、全国から修習予定者や法科大学院生が駆けつけ、マイクを握り、議員会館や国会議事堂に向けて切実な声を訴えました。ビギナーズ・ネットの青いTシャツが「永田町の風物詩」といわれるほど、議員会館に多数の当事者が通い詰め、直接議員や秘書に働きかけを行いました。施行日の一一月一日には全国会議員に声明文を届け、マスコミ全社にも送付しました。
そして一一月一八日、民主・自民・公明の三党が貸与制一年延期を合意、難関であった自民党法務部会も翌日部会長一任という結論を引き出すことができました。参議院ではみんなの党が反対しましたが、なんとか修習辞令交付日前日に貸与制延期の法改正がなされることとなりました。まさにぎりぎりセーフでした。
3 今後について
与えられたこの一年が勝負です。いよいよ決勝戦といったところです。
今回の改正裁判所法には付帯決議があり、以下の内容となっています。
「政府及び最高裁判所は、裁判所法の一部を改正する法律の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 改正後の裁判所法附則第四項に規定する日までに、個々の司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
二 法曹の養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずること。」
これをご覧になれば、あるいはこれまでの議論からおわかりの通り、本法案では給費制の復活は前提としておらず、経済的に困窮している人や公益活動に従事した人への返還免除措置などをこの一年で検討するということになっています。今後設置される機関は未だ不明ですが、かかる協議の場で法曹養成全体についてしっかりと議論し、国民的な世論を盛り上げ、給費制の完全復活へとつないでいく必要があります。
そのために、今からの一年は、司法修習を所管する最高裁にも責任を持ってもらいながら実証的な資料集めを有効に行いたいものです。参議院法務委員会での最高裁大谷局長の答弁にも実情調査への言及もありましたので、最高裁に迫っていくことも必要でしょう。そのほか大手全国紙の対策や反対議員への説得も、知恵と力を絞り、精力的に行う必要があります。
4 終わりに
ビギナーズ・ネットは先月末で会員が一〇〇〇人を突破しました。修習予定者や法科大学院生が次々と立ち上がり、自己の修習地で記者会見をしたり、地域に支部を結成して街頭宣伝を行うなど、積極的に行動をおこしました。彼らは自己の切実な要求とともに、後輩や法曹を志す高校生や大学生のことを憂い、給費制の存続を求めています。残念ながら新六四期司法修習生は立場上これまでのような活動はできませんが、多くの法科大学院生や来月弁護士登録をする新六三期を迎え、これまで以上に幅広い活動をしていきたいと思っています。
これから更に険しい山がそびえていますが、給費制の完全復活を目指して、今後とも全力で頑張る所存です。団員の先生におかれましては、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
埼玉支部 大 久 保 賢 一
一一月二三日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)が韓国に砲撃を行い、民間人に死傷者が出た。生活の場を失い、恐怖と不安の中で生活せざるをえない多くの人が生み出された。この行為が許されないことは言うまでもない。人を殺し、財貨を破壊することや、休戦協定や国連憲章に違反することは、断罪されなければならない。私も、多くの人たちと同様に、北朝鮮の暴挙を非難し、再発を防止しなければならないと考えている。(ただし、断っておくが、このことは、韓国や米国の行動が正しいとか支持すべきであるということを意味しているわけではない。)
他方、私は、この間の政府の対応やマスコミの報道にも危惧を抱いている。北朝鮮の暴挙を非難するだけではなく、北朝鮮に対する不安と敵意を煽り、かの国との対話は無理なので、日米韓の武力による圧力や日本防衛を強化しなければならないとの論調が振り撒かれているからである。そして、現に、「たいていの国は焦土化できる」能力を持つ米国海軍原子力空母ジョージ・ワシントンは、横須賀から黄海に出港しているのである。
確かに、北朝鮮は、世襲制という国民主権や民主主義とは縁遠い国家体制である。政府批判は命がけであり、国民生活も疲弊しているといわれている。国民主権と民主主義、生存権を含む人権の普遍性を承認する私の立場からすれば、変革を求めたい事態ではある。加えて、かの国は、核拡散や拉致など「何とかしなければならない問題」も引き起こしている。
そこで、問題は、このような北朝鮮とどのようなスタンスで向き合うかである。基本原理を揺るがせにしないで、具体的問題には柔軟に対応することが求められているのである。基本的価値として確認しておきたいことは次の三点である。第一に、民衆の命を最高の価値とすること。第二に、民衆の自由と平等を尊重すること。第三に、民衆の幸福追求権を大事にすることである。
これらは、日本国憲法一三条が明記するところでもある。
私たちの北朝鮮に対する不安や怒りの原点には、差別意識や侮蔑を度外視すれば、「かの国でこれらの基本的価値が無視されている」との認識があるのではないだろうか。多くの人は、「かの国では、支配者は鱈腹食い、威張り散らし、『喜び組』にうつつを抜かしている一方で、民衆は飢えと貧困に苛まれ、言論の自由も移動の自由もないままに、『将軍様』を崇め奉りながら日々を送らされている」との情報を信じ、そこから形成される印象を背景にしながら、砲撃やミサイル発射や核実験や拉致問題を受け止めているのではないだろうか。
私も、生命と自由・平等と幸福追求を価値基準とする思考と行動に共感をもつ一人である。「将軍様」への反感と北朝鮮の民衆への配慮を含意する「北朝鮮への反感」は人々の自然な反応であろうと思う。
けれども、もし、この「北朝鮮に対する反感」を、対話ではなく、武力で解決しようとすれば、これらの諸価値はどうなるであろうか。人類が人類である所以である言語を用いず、殺し合いで決着をつければどうなるであろうか。誰が殺され傷つき、その住居や財産を失い、あらゆる形態の不幸を背負い込むことになるのであろうか。
現実に展開されている「自由と民主主義の擁護」、「大量破壊兵器の拡散防止」、「テロ対処」を大義とする「正義の戦争」は、民衆の殺傷と財貨の破壊と難民の発生をもたらしている。そして、声高に「正義」を叫ぶ強国の指導者は、これらを「付随的被害」として片づけている。そして、その強国との同盟関係を最優先するこの国の支配層は、民衆の不幸と被害には目をつむり、「復興支援」というビジネスチャンスを虎視眈々と狙っている。彼らにとっては、破壊も復興もビジネスでしかないようである。
武力で問題を解決しようとする者たちは、他国の民衆に同情する素振りを見せながら、その支配力と財力強化のために、この国を戦争のできる国に変えようとしているのである。他国の脅威を煽って国内を引き締め、祖国防衛を口実として民衆を戦争に駆り立てる手口は、支配者の常套手段である。戦争の計画者は民衆の苦しみよりも、支配と利潤追求を優先するのである。軍事費や米国への「思いやり予算」や政党助成金が「仕訳」の対象にされず、法人税率の引き下げと消費税率の引き上げがセットにされていることを見ても、その狂暴さと強欲は明らかであろう。
私たちは、冷静でなければならない。扇動に踊らされてはならない。
朝鮮半島での和解が進捗した時代もあった。二〇〇〇年。金大中韓国大統領と金正日総書記が握手と抱擁を交わした姿を私たちは記憶している。今は中断されているとはいえ、六カ国協議がその成果を上げた時もあった。二〇〇五年九月の「共同声明」は、「六者は北東アジアの永続的な平和と安定のために共同の努力を約束する。」としている。そして、「朝鮮民主主義人民共和国および日本国は、平壌宣言に従って、不幸な過去を清算し懸案事項を解決することを基礎として、国交を正常化するための措置をとること」を約束しているのである。この約束を履行すればよいではないか。朝鮮半島に平和をもたらすための対話、日朝国交回復の対話は決して不可能ではない。そうしてきた歴史的事実はあるのだ。その成果を土台として、引き続き対話の意思を持てばよいだけである。
ところが、政府は、この「約束」の履行をしようともしないし、求めようともしていない。それに代わって、圧力と制裁を言い立て、武力による対抗しかないかのように喧伝している。そして、現実に、「核の傘」は抑止力として必要だと言い、「日米同盟」を最優先し、「軍事大国化」を推し進めているのである。マスコミは、政府の動向に警鐘を鳴らすどころか、必要な事実を伝えようとしていない。むしろ、戦争ができる国家造りを唱導する勢力すら存在するのである。彼らは、言葉と知恵を使うことを忘れ、むき出しの暴力を賛美するかのようである。日本国憲法の非軍事平和主義など存在していないかのような振る舞いを看過することはできない。
武力の行使は、非人道的な事態を引き起こすだけではなく、現代の国際法秩序はそれを違法としている。北朝鮮の砲撃に対する批判はこのことを根拠としている。それは、他の国にもあてはめられるべき規範である。
武力の行使は、朝鮮半島の民衆だけではなく、隣接する国の民衆にも同様の不幸をもたらすであろう。他方、一部の企業は「戦争特需」を享受し、軍隊という「暴力装置」はその存在を誇示することになるであろう。
武力の行使は、相互の敵意と不信を増大させ、民衆の命と自由と幸福を奪い取ることになる。「独裁者打倒」の対価としてはあまりにも不均衡である。そもそも「正義の戦争」などあり得ないのである。
北朝鮮には、領土もあれば、人民も生活している。その地域を実効支配する政府が存在するのである。それは、いかに不都合あるいは不愉快と感じようとも現実なのである。その現実を踏まえ、北朝鮮を主権国家として処遇し、対等平等な交渉相手とすることが求められているのである。それが、国連憲章にいう「大小各国の平等」である。
現代の国際法は、価値観や政治体制が異なるからといって、当該国を国際社会から排除することは予定していない。現に、今年五月のNPT再検討会議の最終文書は、「六カ国協議への確固たる支持」の再確認と、「外交的手段を通じての、十分かつ包括的な問題解決の達成」を誓っているのである。
ここに、活路がある。これを生かさなくてはならない。
戦争の非人道性や、国際法や国際社会の到達点を無視し、憲法の規範力を忘れたまま「この国の針路」を決めてはならない。
二〇一〇年一一月三〇日記
改 憲 阻 止 対 策 本 部
尖閣諸島をめぐる問題、北朝鮮による砲撃など東アジアの平和に関わる情勢が大きく動いています。また、一一月二九日に、民主党外交・安全保障調査会が、これらの情勢変化を口実に、日米安保の強化や武器輸出三原則の見直し等を盛り込んだ防衛大綱への提言をまとめました。
東アジアの平和や日本の安全保障のあり方についての議論が、今後さらにクローズアップされることは間違いないと思われます。そして、これらの問題を考えるにあたり中国の現状をどう捉えるかという観点は避けて通れません。
そこで、改憲阻止対策本部では、「中国問題」についての学習会を企画しました。
講師は、東京新聞論説委員の清水美和さんです。清水さんは、香港特派員、北京特派員、中国総局長などを歴任され、「『中国問題』の内幕」、「『中国問題』の核心」(いずれもちくま新書)など中国に関する著作も多数執筆されています。貴重な機会ですので是非ご参加ください。
記
「中国をどうみるか」学習会
講 師 清水 美和 氏(東京新聞論説委員)
日 時 一月一四日(金) 午後五時〜
場 所 団本部
※ 同じ日の午後六時三〇分からは改憲阻止対策本部も予定されています。こちらも併せてご参加ください。