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村松 昭夫 大阪・泉南アスベスト国賠訴訟
大阪高裁(三浦潤裁判長)が驚くべき不当判決
塩沢 忠和 空自浜松基地自衛官
パワハラ自殺国賠事件で勝訴・確定
吉田 健一 出向を差し止めた仮処分決定
―JMIUカイジョー事件
馬奈木厳太郎 *新刊紹介*
原爆症認定訴訟熊本弁護団編著
『水俣の教訓を福島へ』
中野 直樹 「百名山」のはざまで
小部 正治 九・一九 さよなら原発集会 参加しパレードを
斉藤 耕平 九月二六日市民問題学習会実施のお知らせ

広量解雇阻止対策本部
労働問題委員会

一〇月八日・裁判闘争勝利と派遣法抜本改正・有期保護法制確立をめざす



大阪・泉南アスベスト国賠訴訟

大阪高裁(三浦潤裁判長)が驚くべき不当判決

大阪支部  村 松 昭 夫

一 はじめに

 すでに報道等でご存じのように、去る八月二五日、大阪高裁第一四民事部(三浦潤裁判長(八月五日に退官)、大西忠重裁判官、井上博喜裁判官)は、昨年五月一九日の大阪地裁判決を取り消し、原告らの請求をすべて棄却するという驚くべき不当判決を言い渡しました。その内容は、いのちや健康が侵害されていても、工業製品の有用性や産業発展が優先することを露骨に判示するなど、公害裁判やじん肺裁判等で積み重ねてきた貴重な成果を根底から覆しかねない重大な問題を含んでいます。このような判決がまかり通るならば、建設アスベスト訴訟や公害訴訟、薬害訴訟、さらには原発被害に対する国の責任追及等にも重大な影響を及ぼし、被害者救済は極めて困難になります。

二 わが国のアスベスト被害の原点―泉南アスベスト被害

 大阪・泉南地域は、一〇〇年間に亘って石綿紡織業(石綿原料と綿を混ぜ合わせて石綿糸や石綿布などの一次加工品を生産)が発展し、戦前は軍需産業を、戦後は自動車や造船など基幹産業を下支えしました。最盛期には約二〇〇社の小規模零細の石綿工場が集中立地し、石綿紡織品の全国シェアは約八割を占めていました。

 重要なのは、国は、実に七〇年以上も前から自ら泉南地域の石綿工場の労働実態調査を実施し、労働者の一二%以上が石綿肺に罹患している、二〇年以上働いた労働者はすべて石綿肺に罹患しているなど深刻な石綿被害の実態を詳細に把握していたことです。そればかりか、調査に参加した医師らから緊急対策の必要性が警告されていました。戦後も調査が繰り返し実施され、その都度深刻な被害発生が確認され、対策の必要性が警告されていました。

 ところが、国は、石綿を安価に利用できたことから、発がん性などの石綿の危険性や深刻な被害実態などの情報を積極的に公表せず、局所排気装置の設置や粉じん濃度測定の義務づけなどを怠り、これらを義務づけてからも、石綿の発がん性を前提にした規制や対策の強化を行いませんでした。

三 大阪地裁判決と早期解決を求める闘いの経過

 泉南アスベスト国賠は、二〇〇六年五月、全国に先駆けてアスベスト被害に対する国の責任を追及する裁判として提起されました。

 昨年五月一九日、大阪地裁は、わが国で初めてアスベスト被害に対する国の責任を認める画期的な判決を言い渡しました。地裁判決は、筑豊じん肺最高裁判決以降の国に対して厳格な規制権限行使を求める司法判断を踏襲し、国は、医学的知見や科学技術の発展に合わせて、できるだけ速やかに、適時、適切に規制権限を行使すべきであったとし、じん肺法が制定された昭和三五年には、局所排気装置の設置を義務づけることが必要かつ可能であったにもかかわらず、それを義務づけなかった違法があり、それが義務づけられた昭和四七年以降も、測定結果の報告義務づけ等を行わなかった違法があると判断しました。

 地裁判決後、病気の重篤化と高齢化のなかで原告らの「いのちあるうちに救済を」の願いは待ったなしであったことから、国に対して早期解決を求める大運動を展開しました。その結果、一旦は主務大臣である長妻昭厚労大臣(当時)が控訴断念の意向を表明するなど早期解決に向けて大きく前進しました。ところが、土壇場で、対応を一任された仙谷国家戦略担当大臣(当時)が不当にも控訴を決定し、一陣訴訟は大阪高裁に係属することになりました(原告側も控訴)。しかし、国は、控訴にあたって、控訴審で裁判所が中に入っての和解もあり得ることを表明していました。

 原告団と弁護団は、控訴審では、必要な主張、立証を行う一方で、高裁に対して和解勧告を求める運動を展開し、裁判所も今年一月、国に和解解決の意向を打診しました。ところが、国は、二月二二日、控訴時の表明を翻して和解協議の場につくことさえ拒否しました。これを受けて大阪高裁は、四月一八日には、現地を訪れて近隣住民の石綿ばく露の関係での事実上の検証を行い、五月一二日には原告ら五名の証人尋問も実施し、六月一日結審しました。

 法廷外でも、短期間に一七万の公正判決署名を提出し、毎週の裁判所周辺での宣伝行動など出来る限りの行動を行い、八月二五日の高裁判決を迎えました。

四 大阪高裁(三浦潤裁判長)の驚くべき不当判決

 判決を聞いた直後は呆然とするばかりでしたが、判決要旨や判決文を読むなかで大きな怒りが湧いてきました。

 第一に、判決は、生命や健康等の「弊害が懸念されるからといって、工業製品の製造、加工等を直ちに禁止したり、あるいは、厳格な許可制の下でなければ操業を認めないというのでは、工業技術の発達及び産業社会の発展を著しく阻害する」あるいは「労働者に健康被害が発生した場合であっても」「工業製品の社会的必要性及び工業的有用性」も踏まえるべきであるなどとして、行政に広範な裁量を認め、国の規制権限不行使の違法を極めて限定的にしか認めないと判示しています。これは、いのちや健康よりも産業発展、経済発展を優先することを露骨に示したものであり、いのちや健康こそが最も尊重されるべきとしている憲法に対する重大な挑戦です。同時に、数々の公害訴訟やじん肺訴訟等で獲得してきた被害者救済を重視し、国の規制権限を厳格に捉え、国は医学的知見や科学技術の発展に則して「できるだけ速やかに」「適時、適切に」規制権限を行使すべきとした筑豊じん肺最高裁判決以降の最高裁判決の流れにも真っ向から逆行するものです。

 第二に、判決は、泉南地域の小規模零細の石綿工場や泉南アスベスト被害者の実態を全く見ようとせず、長期かつ大量に発生した泉南アスベスト被害の全責任を小規模事業主や被害者の「自己責任」に押しつけています。前述のように、国は、戦前から繰り返し泉南地域の石綿工場を対象とした労働実態調査を行い、多数の石綿肺の被害発生や石綿の発がん性等をよく把握していました。だからこそ、泉南アスベスト被害を防止するにあたって、国の役割は極めて大きく、国には、石綿ばく露を防止するために、早期に局所排気装置の設置義務づけなど必要な規制や対策が強く求められていました。にもかかわらず、国は、経済発展を優先して、石綿の危険性情報を積極的に知らせることをせず、必要な規制や対策を放置しました。一審判決も、国の情報提供義務違反を強く指摘し、国の規制権限不行使の違法を認定しました。ところが、高裁判決は、泉南地域の石綿紡織業や泉南アスベスト被害の実態に全く目を向けようとせず、国の責任は一片の通達等を出しただけで免罪する一方で、泉南アスベスト被害発生の全責任を、局所排気装置を設置しなかった小規模事業主や、防じんマスクを着用しなかった被害者の「自己責任」としています。さらに、国が積極的に石綿の危険性情報を知らせなかったことを免罪する一方で、被害者は、当時一、二回しか載らなかった新聞記事等で石綿の危険性を知ることが出来たなどと机上の空論さえ述べています。まさに、被害者敵視、行政擁護の不当判決と言わざるを得ません。

 高裁判決は、アスベスト被害の原点である泉南アスベスト被害の救済に背を向けたばかりか、公害訴訟、じん肺訴訟、薬害訴訟などで勝ち取ってきた、いのちや健康を重視する被害者救済の司法判断の到達点を根底から覆すものです。このような判決がまかり通るならば、全国で闘われている建設アスベスト訴訟や公害訴訟、薬害訴訟、さらには原発被害に対する国の責任追及等にも大きな影響を及ぼしかねません。

 原告団と弁護団は、不当判決に屈すことなく、八月三一日、上告手続きを行いました。

五 今後の闘いと上告審での代理人就任のお願い

 原告団と弁護団は、高裁判決を覆すために勝利まで断固闘い抜く決意です。今後は、一陣訴訟は最高裁で、二陣訴訟は大阪地裁での闘いが続きます。とりわけ、最高裁での闘いでは、高裁判決の不当性を徹底的に明らかにするなかで、最高裁に向けて高裁判決を覆す大きな世論を巻き起こしたいと考えています。そのためには、是非多くの団員の皆さんの力をお貸しいただきたいと思っています。具体的には、全国の団員の皆さんに、上告審での代理人就任を心より呼びかけるものです。上告理由書や上告受理申立理由書の提出とともに、圧倒的多数の代理人名簿を最高裁に提出し、高裁判決を覆す第一歩にしたいと思っています。

 代理人に就任していただける場合は、一〇月中旬までにその旨を弁護団事務長の鎌田幸夫弁護士まで、

 電 話 〇六―六三六五―一一三二

 FAX 〇六―六三六五―一二五六

でご連絡をお願いします。

 原告団、弁護団は、今後も全力で闘いますので、上告審への代理人就任などご協力を心よりお願いいたします。

二〇一一年九月
泉南アスベスト国賠訴訟弁護団(主任)


空自浜松基地自衛官

パワハラ自殺国賠事件で勝訴・確定

静岡県支部  塩 沢 忠 和

一 はじめに

 去る七月一一日静岡地裁浜松支部は、航空自衛隊浜松基地の三等空曹が職場(動力器材班)の先輩隊員からのパワハラにより自殺に追い込まれた事件(国賠請求)で、ほぼ原告(遺族)請求額どおりの賠償を国に命ずる判決を下し、控訴期限の同月二五日、北沢防衛大臣が原告に面会して控訴しない旨を伝えるとともに、大臣としての謝罪の意を表明し、同日判決は確定した。

二 事件の概要

 二〇〇五年一一月一三日、航空自衛隊浜松基地第一術科学校整備部第二整備課動力器材班所属の三等空曹だったS(当時二九歳)は、自宅アパートにて自殺を遂げた。Sは、同年に結婚をするとともに子どもも授かり、まさに人生の絶頂期における事件であった。

 Sは、父親をはじめ叔父や従兄弟も自衛官という家庭で成長し、一九九五年の高校卒業と同時に希望に胸躍らせて航空自衛隊に入隊した。その後は順調にキャリアを重ね、二〇〇四年にはイラク特措法に基づきクウェートに派遣されて、輸送機の動力器材整備作業に従事した。

 そのような経歴をたどる一方、Sは入隊直後から先輩隊員Nから「指導」と称して陰湿で執拗ないじめ(パワハラ)を受けてきた。「死ね」「辞めろ」「五体満足でいられなくしてやる」などといった暴言や、顔を平手打ちされたり工具で頭を殴られるなどの暴行を頻繁に受け続け、更には身分証の取り上げ(基地内宿舎から外出不可能となる)、反省文作成の強要、その反省文を本人の面前で後輩女性自衛官に朗読させる、禁酒命令等の、権限なき「指導」を口実とする様々なパワハラも受けた。上官らは、このような状況を把握していながら有効な対応をすることなく放置し続けた。その結果Sは、うつ病(判決の認定は「適応障害」)を発症し、自殺に追いやられた。

三 今、自衛官は…

 今、自衛官の自殺が後を絶たない。約二四万人いる陸・海・空自衛隊での自殺者は、二〇〇四年に一〇〇人を超え、その後はやや減少したとはいえ明らかにされている最新(二〇一〇年度)の数でも八三人である。その自殺率は一般職国家公務員のそれに比べて約一・五倍の高率である。しかも、その多くが、自殺原因は「不明」として処理されており、本件でのSの死は、この「その他・不明」の中に埋め込まれている。防衛省の資料では、自衛隊員の自殺原因に、隊内における「私的制裁」や「いじめ」あるいは「パワハラ」は含まれていない。しかし今や、自衛官が上官や先輩隊員からのパワハラやいじめを苦にして自殺しているということは動かし難い事実である。

 本件はかかる背景の中で発生したものであるが、同種事件は、私が知り得ているものだけでも四件ある。そのうちの一件が、横須賀を母港とする護衛艦「たちかぜ」の乗組員だった二一歳の一等海士が、艦の“主”的存在であった先輩隊員Nからエアガンの的にされる、わいせつビデオ代金名目で金銭を喝取されるという、陰湿且つ許し難いいじめを受けて自殺した、いわゆる「たちかぜ裁判」である。本年一月二六日横浜地裁は、いじめの事実を全面的に認め、国だけでなくN個人の賠償責任も認めながら、自殺との相当因果関係を否定し、慰謝料のみを認めた。現在、東京高裁(控訴審)に係属中である(弁護団長は横浜の岡田尚団員)。

四 本判決の評価

(1)本判決は、以下の三点で評価できると考える。

 第一に、加害者Nの行為の違法性を厳しく糾弾していること。

 本判決は、先輩隊員Nが故Sに対して加えた数々の暴力・暴言、身分証取り上げ、反省文作成の強要、後輩女性隊員にこれを朗読させてSをことさら辱めたこと、禁酒命令等が違法であり、しかもその違法性は顕著・重大であるとする。さらに、Nの主観的意図が特段の事情なき限り指導目的であったとしても、故Sが妻の出産が間近に迫って出産休暇を申し出た時に加えた平手打ちや、反省文をことさら後輩女性隊員に朗読させたことは、「純然とした指導目的とは到底言えない」としている。このことは、実質的には、原告らが言うところの「いじめ」の存在を、部分的ではあっても認めたものと言うことができる。

 第二に、Nの違法行為とSの自殺との相当因果関係を明確に認定したこと。

 被告らは、Nには故Sの自殺について予見可能性がないことを理由に、Nの行為とSの自殺との間に相当因果関係はないと主張した。しかし本判決は、故Sの自殺はNの違法行為から通常生じ得る事柄であり、通常損害であって特別損害ではないとした上で、「特別損害について帰責するためには特別事情について予見可能性を要するという観点から、被告Nに亡Sの自殺について予見可能性がなければ相当因果関係が存しないということはできず、被告らの主張は採用することができない。」と、被告らの主張を明確に退けた。海上自衛隊たちかぜ裁判での本年一月二六日横浜地裁判決が、護衛艦内でのいじめを明確に認めながら、予見可能性がないことを理由に自殺との相当因果関係を否定したこととは対照的である。

 第三に、被告国の過失相殺の抗弁を一切認めなかったこと。

 被告国は、裁判の最終局面で、私生活上の問題も自殺の原因になっているとか、職務における積極性の欠如や能力不足故にNからの厳しい指導を受けたとして、これを理由に過失相殺を主張するに至った。しかし本判決は、「過失相殺をすべきほどの事情と認めるに足りない」とこれを否定し、結審直前に公務災害としての認定があったことからその損益相殺のみを認め、損害額としては、原告らの請求をほぼ全面的に認定し、被告国に対し八〇〇〇万円余りの賠償を命じた。自衛隊員のいじめ(パワハラ)自殺事件で、公務災害の認定を勝ち取り、且つ国賠請求で上記のごとき高水準の賠償をも勝ち取ったことの意義は大きいと思う。

(2)しかし一方、本判決は、上司であるSHOP長及び課長の安全配慮義務違反に関しては、被告Nの行為が他者の目につかないようになされていたため、Sの心身に過度の負荷が生じていたことを予見できなかったとの理由でこれを認めなかった。原告らは、単にNのいじめだけが問題なのではなくこれを放置してきた上司にも重大な責任があると考えるだけに、本判決のかかる認定には納得できない。今なお年間一〇〇人近い自殺者が出る自衛隊においてこれを防止するためには、職場における人間関係や職務実態に十分目を配り、部下の心身の健康状態を常に安全に保つべき上司の責任こそが問われなければならない。

五 自衛官の人権を守ることの意義

 自衛隊は、日本国憲法の下では存在自体が許されない組織であり、かかる組織に属する自衛官の人権を守る取り組みに我々団員がかかわることには、違和感を覚える団員も多いかと思う。私自身、遺族から代理人要請を受けた当初はそうであった。しかし、自衛隊という存在をどう見るかはともかく、今自衛隊は我が国最大の「役所」であり、年間予算約四兆円、職員総数二六万人の「労働現場」である。その労働の場で、労働者たる自衛官にとってまことに苛酷な事件が繰り返し発生していることを、私たちは放置するわけにいかない。

 自衛隊が違憲の存在であることと、現実に自衛隊の中で働く隊員の基本的人権を守るということは、全く次元を異にする問題である。

六 終わりに

 私がこの裁判にかかわったのは、今は亡き吉岡吉典元参議院議員から依頼を受けた岡田尚さんが、「浜松の事件なら塩沢さんに頼め」と私にふったからである。浜松での裁判が幸い勝訴し確定した今、たちかぜ裁判控訴審での弁護団の一員としてかかわり続けることになるが、その弁護団長の岡田さんと私は、実は二六期の同期(しかも同じクラス・四組)である。

 二六期はまだまだ元気である。


出向を差し止めた仮処分決定

―JMIUカイジョー事件

東京支部  吉 田 健 一

一 画期的な仮処分決定

 去る八月一二日、東京地裁立川支部は、東京都羽村市にある株式会社カイジョーで働く労働者三名について「株式会社エクセルカイジョー(長野県松本市)への出向を命じてはならない」との画期的な仮処分決定を出しました。ただし、決定理由は「債権者らの申立が相当であることを認め」というもので、一人あたり一〇万円の立担保が条件とされています。

 八月一五日に予定されていた出向を事前に差し止めた本件仮処分決定により、労働者三名については会社が出向を命じないという新たな局面が切り開かれています。

二 外資系ファンドの支配と労働者への攻撃

 カイジョーという会社は、半導体の製造装置や産業用洗浄装置等の製造・販売を事業としている会社で、従業員は現在約一五〇名ですが、本件の出向は、半導体の製造装置の製造部門を子会社の株式会社エクセルカイジョーに移転させることに伴い、労働者三四名を対象として計画されたものです。期限の定めのない、いわば「片道切符」の出向であり戻る職場はありません。実質は転籍に匹敵します。過去に締結された三年間という組合との出向協定、期間の定めのある場合のみを定める会社の出向規定にも反する出向です。

 しかも、カイジョーには多数派組合の連合JAMがありますが、JAMの執行部は対象者に含まれていないのに対して、JMIU(全日本金属情報機器労働組合)カイジョー支部の執行委員長、書記長、執行委員の三名が含まれています。JMIU支部を会社から排除して、組合組織を弱体化したうえ、最終的には会社の事業や土地・建物を売却するねらいが明白な計画です。

 というのも、カイジョーでは、フェニックス・キャピタルという外資系ファンドが、その資本を買い占め、そのもとで事業の縮小、労働者犠牲のリストラが進められてきました。二〇〇五年には、別会社などへの出向や退職を強要するなどの攻撃が行われ、多数の労働者が職場を去ることを余儀なくされました。しかし、労働委員会を含むJMIU支部のたたかいを通じて、二〇〇六年一〇月、会社の攻撃の歯止めとなる協定を成立させました。会社は、出向などについては、組合との間で相互理解と納得を目指し、事前に誠実に団体交渉を行うこと、精神的苦痛を伴う退職勧奨面談や言動を行ったり、一方的に仕事を取り上げたり、脅迫的言動などはしないことを確約させたのでした。

 しかし、本件出向は、事業が大幅黒字でフェニックスキャピタルが多大な特別配当を受け取っているにもかかわらず、JMIUとの労使協定を無視して、強行されようとしていました。

三 出向命令の差し止め

 多数派組合である連合JAMが会社の計画を受け入れる一方で、JMIUは、出向の目的や必要性をめぐって会社との交渉を続けていました。その交渉中にもかかわらず、会社は、七月入って対象者に出向を内示したうえ、予定どおり八月一五日に出向命令を発する態度を明らかにしたのです。そこで、組合は、出向を強行しないよう東京都労働委員会への救済申立を行い、これを受けて、労働委員会は会社に対して話し合い解決に努力することを求めたのでした。

 ところが、八月に入っても会社は一歩も譲らず、組合執行部の三名についても出向命令を強行する姿勢を明らかにしました。そこで、八月四日、この三名を債権者として出向差止の仮処分申立に及んだのです。

 八月一二日に行われた仮処分審尋で、会社は、会社の規定や労使協定に反する「期限のさだめのない出向」であることを認めたうえ、再考を求める裁判所の勧告をも無視して、八月一五日に出向命令を強行する態度を崩しませんでした。そこで、八月一二日、冒頭の仮処分決定が発せられたのです。裁判官の英断と言ってよいと思います。

 会社もさすがに裁判所の仮処分決定を無視することはできず、八月一五日、債権者三名について出向の発令を思いとどまったのでした。

四 勝利解決を求めて

 現在、出向させない状態が勝ち取られていますが、会社は、依然として、出向を求める姿勢を変えておらず、仕事を取り上げるなど嫌がらせ攻撃をつよめています。組合はこれに負けず、カイジョー本社での職場の配属、仕事を明確にするよう求め、たたかいを進めていますので、皆さんのご支援をよろしくお願いします。

(なお、弁護団は、外に尾林芳匡、山口真美、田所良平、大浦郁子の各団員です。)


*新刊紹介*

原爆症認定訴訟熊本弁護団編著

『水俣の教訓を福島へ』

東京支部  馬奈木厳太郎

 本書は、本年七月二日に熊本市内で開催されたシンポジウムの内容がブックレットとしてまとめられたものです。

 サブタイトルに、「水俣病と原爆症の経験をふまえて」とあるとおり、水俣病と原爆症の経験を今回の東電福島原発事故について活かすことを目的としており、内容としても、第一部でパネラー報告(琉球大学名誉教授・矢ケ附飼n氏、熊本日日新聞論説委員・山口和也氏、平和クリニック院長・牟田喜雄氏、協立クリニック院長・高岡滋氏、元熊本学園大学教授・原田正純氏)、第二部でリレートーク、第三部で特別寄稿という充実したものとなっています。

 こうした本書において、もっとも注目されるべきであり、その姿勢を見習うべきだと強く感じられるのは、被害者救済のため、被害の全貌をとことん追究して調査・解明しようとする点です。その執念ともいえる姿勢は、本書では通奏低音のように一貫しています(パネラー報告では、水俣病の被害実態を解明するための沿岸住民健康調査の事例や、原爆症の実態調査である「プロジェクト〇四」という三〇〇名に及ぶ調査の取り組みなどが報告されています)。

 本書は、被害の全体像を明らかにすることが、被害者救済のため、そして同時に加害の所在とその責任の重さを明らかにするため不可欠な作業であること、法律家のみならず、医療関係者や科学者など広範な専門家との連携が、そうした作業を進めていくうえでも、政府の不完全な被害像を克服するためにも必須であることを、大変わかりやすく、かつ説得的に提示しています。そしてなにより、これだけ多彩な分野でこれほどのパネリストによるシンポジウムを企画し事故後四カ月の時点で開催できるという点に、これまでの熊本の弁護団の取り組みの真価を見ることができるように思われます。

 現在、私は東日本震災対策本部の一員として活動していますが、本書を通じて、被害を徹底して明らかにするための努力を惜しまないことが決定的に重要だと感じました。今後、東電福島原発事故被害についても訴訟などの動きが具体化していくことになりますが、過去の団の経験や歴史を正しく引き継ぎ、本書で示されているような視点や姿勢を自らのものとできるよう、私も一生懸命取り組んでいきたいと思います。

 本書は、東電福島原発事故の問題に取り組んでいる方々にはもちろん、広く集団訴訟に取り組んでいる、あるいは取り組もうと考えている方々にとっても、必読の書だと確信します。一人でも多くの方に、本書をご覧になっていただきたいと思います。あわせて、東電福島原発事故で被害を被っている方々にも、ぜひご紹介ください。

 *原爆症認定訴訟熊本弁護団編著

 『水俣の教訓を福島へ』(花伝社、二〇一一年)一〇〇〇円+税


「百名山」のはざまで

東京支部  中 野 直 樹

橙紅色点鮮やかな岩魚

 大門沢小屋は標高一六〇〇メートルに位置する。沢がつきあげる三千メートル峰の稜線に近いところは、まだ残雪が渓を埋めていた。雪渓から流れ出す水が急斜面にはじける音が木霊しながら空から降ってくる。足下の渓からは、幾筋もの流れが渓岩にくだけ、白い飛沫を散らし、沢音を響かせた。複合する渓音に心が揺さぶられた。

 手で水温をたしかめると切れるような冷たさである。飛沫にズボンを濡らしながら岩場を乗り越えると、緩やかなよどみがあった。雪代の濁りで水中が見えない。この渓の釣り情報は得ていない。渓に初対面の挨拶をしながら、竿を伸ばして毛鉤を振り込んだ。毛鉤が流れ出す間なしに、鋭く水面が割れた。心の準備不足であわてて竿先をあげると尺級岩魚が飛び出し、手元に引き寄せる途中でポトンと落ち、流下に消えた。釣り落としに落胆するよりも、こんな高所に岩魚が棲息していることに感動した。岩魚がいるとなると、私の釣り技が試される。気合いを入れ直し、上部の落ち込みに毛鉤を流すとすぐ水面が乱れ、えいと合わせたが、早合わせで、岩魚は頭を見せただけで水泡に消えた。今度は自分の毛鉤釣りの下手さに舌打ちした。

 水量が多く、川底の凸部も水没し、なかなかポイントがない。手にする竿がしばらく休憩の時が過ぎた。やがて、小さな落ち込みが現れた。心を落ち着け、スタンスの位置と岩魚の取り込みの場所を決め、淵尻の泡が消えるあたりに毛鉤を落とした。すかさず、ごぼっという音とともに、岩魚の黒い頭が一瞬飛び出て、沈んだ。竿先が引っ張られたが一呼吸おき、合わせた。そして一気に竿をあげると、見事に毛鉤を食わえた大岩魚がくねくねと宙に舞った。気持ちの高ぶりのあまり、竿を手元で垂直に立ててしまった。釣師として初歩的なミスだった。途端に弾力を失った竿先が折れ、折れた竿先をつけた岩魚が川原石に落ち、跳ね回った。竿を放り出して、両手で押さえた。三一センチの丸々と太った岩魚の胸ひれから尾ひれにかけた胴に鮮やかな橙紅色の斑点が散っていた。朱点はアマゴを思わせるが、頭部の形、肌のぬめりは岩魚の特長である。帰宅後、「岩魚草紙」を開いてみると、木曽川水系のヤマトイワナが同様の橙紅色の斑点を有し、「姫イワナ」と呼ばれているそうである。艶やかさと抱きごたえのある重量感を備えた岩魚に私の喜びは絶頂だった。

山の味わい

 私は、小屋にもどり、柴田君を呼び、釣果を披瀝した。柴田君の実家は居酒屋で料理の手伝いをしているというので、岩魚を刺身にしたことがあるかと聞いたところ、さすがに経験がないという。私は得意満面の顔で、岩魚を三枚におろす仕方を教えた。一番のポイントは、ヌメヌメとした岩魚の皮を剥ぐところにある。岩魚の頭の回りの皮にぐるりと切れ目をいれる。そして、シールを剥ぐときの要領でその切れ目の一点にひっかかりをつくる。そこを指でつまんでも滑ってしまうので、糸切り歯ではさんで、皮を引っ張り、剥いでいくのである。これは岡村親宜弁護士からの伝授である。苦労して皮を剥いだ岩魚を身と骨と身の三枚におろす。まな板代わりの川原石と包丁代わりのナイフが道具なので、なかなかうまく切り分けることができない。柴田君は渓岸にしゃがみながらずいぶんの時間四苦八苦していた。

 森の夕暮れの光の中で、カレー用の米を炊きながら、岩魚の刺身をつまんで、焼酎の水割りを飲み出した。岩魚刺身は、サンマの刺身のように甘さが勝ちすぎ、馴染みの海魚の旨さには及ばない。しかし、珍しさにおいてはピカイチである。

 六時頃、男性一人が下山してきた。今朝広河原を出て、北岳、間ノ岳、農鳥岳と縦走してきたという。ガイド地図ではコースタイムで一〇時間以上なので、その健脚に感心した。男性はこれから奈良田温泉まで下山するといって、すぐ腰をあげた。自分たちが上ってきた道を暗がりの中降りていくと聞いて驚いた。途中、小沢を横切るところで道のつながりがわかりづらかった箇所があったことを思い出し、ヘッドランプの光だけで大丈夫かと心配になった。

 柴田君に約束の岩魚を食べさせることができ、明日の天気もよさそうで、ここまでは上々の山行であった。気をよくしてさらに米二合を炊いて、翌日の握り飯をつくった。ここでガスカートリッジが空となり、予備としてもってきていたものがメーカー違いのために使えないことがわかった。明日は農鳥岳へのピストンをしてここにもう一泊する計画であったが、この失敗のために、翌日の食料計画が破綻した。行動計画に不安をかかえての就眠となった。(続)


九・一九 さよなら原発集会 参加しパレードを

幹事長  小 部 正 治

 赤旗などで紹介され既にご承知の方も多いとは存じますが、九月一九日(祝)午後一時半から東京・明治公園(JR千駄ヶ谷駅徒歩七分、地下鉄銀座線外苑前駅八分、大江戸線国立競技場駅六分)にて原発反対集会・パレードが行われます。呼びかけ人は、内橋克人、大江健三郎、鎌田慧、坂本龍一、澤地久枝、瀬戸内寂聴、辻井喬、鶴見俊輔です。当日は、一時半から約四〇分間集会が行われ、呼びかけ人の内橋、大江、鎌田、澤地の四人らが発言します。二時一〇分過ぎからは、三コースに別れてパレードを行います。

 団関係者はCコース(新宿コース)に決まりましたので明治公園北側に集まってください。パレードは一時間半前後で、参加者数にもよりますが概ね午後四時頃に解散となります。時期的に昼間は暑いと思いますが、団長を先頭に団の旗の下に結集しご一緒にパレードし、コール(市民団体・若者がやっているかけ声)しましょう。

 この集会は、さよなら原発一〇〇〇万人アクション実行委員会が中心となり原水禁が事務局を担当するという、これまで団が共同することの少ない団体が多数参加しています。七月中旬から全労連等も参加を検討し団としても共同歩調をと判断し、震災対策本部及び八月二〇日の原発全国交流集会では既に参加を呼びかけてきました。

 八月三一日夜に総評会館五階で第三回実行委員会が開催されおよそ三〇名前後が参加しましたが、団からは私が出席しました。開会挨拶した鎌田慧さんが幅広い参加をと強調し、ミック(出版印刷情報関連労組連絡会、出版労連・新聞労連・民放労連・全印総連・映演共闘・広告労協・音楽家ユニオン等)の東海林議長を紹介していました。また全労連、東京地評などの幹部も参加していました。さらに、民医連も参加を表明しています。

 第三回実行委員会では、集会の内容やデモコース・宣伝カーの手配・コールの確認・参加団体など特に問題なく決定されました。

(なお、労組や団体の旗は集会中は下ろすように確認がされました。集会前の集合の目印として、パレード中の掲揚は問題ないとされました。)

 原発反対の運動には様々な団体や関係者が携わっています。それぞれの取り組みが成功し、大きな流れ・うねりになるように協力・共同を強めることが重要だと思います。この集会・パレードを成功させるために、多くの団員及び関係者の参加を呼びかけます。


九月二六日市民問題学習会実施のお知らせ

事務局次長 斉 藤 耕 平

 賃借人が賃貸借契約の締結時に差し入れた敷金(保証金)からその一定額を契約終了に基づく明渡後に控除して返還するという、いわゆる「敷引特約」が、消費者契約法一〇条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)に違反して無効か否かが争われた事案について、最高裁第三小法廷は、今年七月一二日、当該事案における敷引き特約は有効である、と判断しました。この判決は、同じく敷引特約の有効性について判断した三月二四日の最高裁第一小法廷判決と同様に、概要、「敷引金の額が賃料の額等に照らして高額に過ぎるか否か」という基準を用いて、当該事案の敷引契約の有効性を認めたものです。その結果、賃料額の三・五倍に至る敷引金額を規定する敷引特約が許容されることとなりました。

 また、賃貸物件の更新料契約が消費者契約法一〇条に違反して無効か否かを巡り、高裁レベルで判断が分かれていた三件の裁判において、最高裁は、今年七月一五日、「高額すぎる等の事情がない限り、更新料は有効である」との統一した見解のもと、当該事案における更新料はいずれも許容される範囲を超えないとして、賃借人側の請求を全て斥ける判決を出しました。三件の中には、一年間で賃料二・二か月分(家賃四万五〇〇〇円に対し、一〇万円の更新料)を支払う物件も含まれていましたが、最高裁は、更新料に賃料の補充ないし前払いの性質があることを認め、また、消費者は賃貸物件を総合的に検討、選択できる状態にあり、貸主との間で情報の格差が存在するとは言い難いとして、契約の自由の原則を前面に押しだし、当該更新料契約は消費者契約法違反には当たらない旨判断したのです。

 非正規雇用の労働者など、低所得者層の多くは借家住まいを余儀なくされ、毎月の賃料支払にすら奔走している状態にあります。敷引特約や更新料契約は、住まいを維持したいと希望する低所得者層の手かせ・足かせとなるものです。それにもかかわらず、賃料の三・五倍の敷引特約、一年に二か月分の更新料契約を「高すぎるとは言えない」として有効と判断した最高裁の経済感覚は、一般市民の感覚から大きく外れていると言わざるを得ません。このたびの最高裁判決は、言わば司法の「お墨付き」を得た敷引特約・更新料契約が、これまで存在していなかった各地でも広がるおそれを生み、いっそう低所得者層の住まい確保を困難ならしめる弊害を生じさせる危険性を有しています。

 このたび、市民問題委員会では、今後われわれが賃借人保護に逆行するこれら最高裁判決に強く抗議し、敷引特約・更新料契約の撤廃を推進する活動に取り組んでいく機会とするべく、学習会を実施することといたしました。

 講師には、賃貸借問題に積極的に取り組んでおられる大阪の増田尚団員をお招きし、敷引特約・更新料契約等、昨今の賃貸借問題を巡る情勢と傾向についてお話しいただく予定です。直近の最高裁判例等の動向を大づかみする絶好の機会と考えますので、若手の団員の方々をはじめ、ぜひ積極的にご参加ください。

 市民問題学習会

日 時  九月二六日(月)午後六時三〇分より

場 所  団本部

講 師  増田 尚 団員(大阪)

テーマ  敷引特約・更新料契約等賃貸借問題を巡る情勢と傾向


一〇月八日・裁判闘争勝利と派遣法抜本改正・有期保護法制確立をめざす

第六回全国会議のお知らせ

広量解雇阻止対策本部
労 働 問 題 委 員 会

 今年三月に発生した東日本大震災は、被災地にとどまらず、全国各地に著しい雇用不安をもたらしました。震災に便乗した派遣社員や期間社員の解雇・雇止めが相次いでいます。

 こういう中で、労働者派遣法の抜本改正と有期労働契約法制の抜本規制の必要がますます鮮明になっています。

 しかし、一方で国会での労働者派遣法改正の審議はまったく進まず、他方で労働政策審議会での有期労働契約法制規制の審議も使用者側委員の強い反対に出会っています。

 また、日本経団連等からは、労働者派遣法のさらなる規制緩和を求める主張も出されています。いま、労働者派遣法抜本改正と有期労働契約法制抜本規制の世論と運動を強化することが重要です。

 派遣切り・期間切りとたたかう裁判闘争は、判決が出されたケースや和解に至ったケースもありますが、これから証人尋問や判決を迎えるケースもあります。日本トムソン事件やパナソニックエコシステムズ事件等慰謝料を勝ち取った判決もありますが、派遣先への直接雇用・地位確認については敗訴判決が続いています。このような状況を打開し、派遣労働者、期間労働者の雇用を守る判決を勝ち取ることが重要です。

 他方、正規労働者の裁判闘争も、日本航空整理解雇事件等、これから山場を迎えようとしています。

 以上のような点について広く現状を出し合い、討議・意見交換をしたく、多数の団員の参加を呼びかけます。

裁判闘争勝利と派遣法抜本改正・有期保護法制確立をめざす

 第六回全国会議

 日 時 二〇一一年一〇月八日(土)午後一時〜午後五時まで

 場 所 団本部会議室

 内 容 (1)裁判闘争の現状と課題

       全国の非正規・正規の裁判闘争の報告をお願いします

      (2)労働者派遣法抜本改正と有期労働契約法制規制強化の現状と課題

       労働問題委員会の方で、各審議会の現状等について報告を準備します。

 全労連等、他団体からの参加もお願いする予定です。

 終了後懇親会を予定しています。