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<<目次へ 団通信1469号(11月1日)


玉木 昌美 八法亭みややっこに惚れた
谷  文彰 ヘイトスピーチの違法性を初認定した京都朝鮮学校事件判決と我々の活動
則武  透 社保庁解体分限免職事件
香川事案で分限免職取消の人事院判定出る
川口  創 人権大会・第二分科会に実行委員・コーディネーターとして関わって
佐々木 猛也 核と手を切るよう求めるわけ
稲田 ますみ 「憲法を暮らしに生かそう!全県交流集会」を開催して
樋口 真也 映画「約束」上映会を開催して
池田 眞規 劇団俳優座の「気骨の判決」の公演
―東條英機と闘った裁判官―の観劇を呼掛けます
畠山 幸恵 女性部総会〜小樽にて〜
労働問題委員会 労働問題委員会から全国会議等のお知らせと参加の呼びかけ



八法亭みややっこに惚れた

滋賀支部  玉 木 昌 美

 今年の岩手・安比高原の総会は充実した内容で得るところが多かった。一番の収穫は、「八法亭みややっこの憲法噺」であった。飯田美弥子団員はえん罪事件の関係でもジョギングの関係でも面識があったが、落語家としてすばらしい才能があるとは知らなかった。高校時代の落研の経験が彼女を芸人にしたようだ。これまで団通信の投稿を楽しく読んでいたが、本物の落語は本当に楽しく感動した。落語を聞かなかった人で団通信を読んでいない人は彼女の投稿合計七本を是非読んでほしい。
 母親が教育勅語や「君死にたまふことなかれ」を暗記していて教えられたという自らの体験から出発しての展開、それらを流れるようにしゃべりながらことさら教養あふれることをアピールし、軽妙な話術で引きつける。戦前の女性の人権状況を無能力と姦通罪は女性だけが処罰されることを強調して指摘し、美しい女性に引かれて不倫に走るのは男の本性だ(?)と笑いを誘いつつ、しっかり引きつける。そして、マラソンの川内選手まで引き合いに出して、自分を生きることを保障した憲法一三条の重要性を語る。こんな切り口もあったのかと感動と驚きを覚えた。落語がいいのは、聴衆に合わせその反応をうかがいながら流れを作ることであるが、みややっこは実に見事であった。「何で弁護士を相手に憲法噺をしなきゃいけないの。」と言いながら、聴衆(団員)の反応に合わせて余裕を持った語り口はすばらしかった。私は彼女の熱烈なファンとなった。
 みややっこは超売れっ子となり、来年の二月までは予定がぎっしりつまっているようである。帰りの新幹線の中、奈良の佐藤団員にその話をしたところ、来年三月以降に関西各県を回ってもらおうという話で盛り上がった。是非企画したいものである。
 分散会では、保守的な人や新聞も読まない、アメリカと戦争をして負けたことも知らない(?)若者にどう憲法をアピールするのかが議論になったが、この憲法噺はそれを突破するひとつの手法であるように思う。そうした人は普通の憲法学習会に参加を呼びかけてもまず来ないが、この憲法落語なら来るであろう。これまで滋賀支部では「九条まもり」の美少女アニメを利用したビラ・ポスターを活用して学生にアピールしたり、憲法集会では地域によっては若者のコンサートもとり入れたりしてきた。私は、「ピースナイン」や「軟弱者」など笠木透のフォークソングがいいと思っている。また、市民マラソンの大会では「九の会」のランニングを着用し、背には「変えるな!世界の宝・憲法九条」のステッカーを付けて走り、走りながら他の府県の九条の会の人と交流している(二月の神奈川マラソンのハーフでは「九条を守りましょう。」と大きな声をかけて追い抜いていった人がいた)。しかし、憲法噺はそれらにもまして強力な武器になるだろう。運動は憲法のことなど考えたこともない人を引きつけてこそ大きな拡がりが作れる。九条が大切であることはすでに十分にわかっている革新的な高齢者ばかりを集めての集会を繰り返すだけでは世論を変えることはできない。みややっこは弟子を養成して全国で展開する構想まで持っているようであるが、落研出身者は第二、第三のみややっこを目指してほしい。
 もうひとつ、一九日のプレシンポは、過疎の町を住民主体の立場で復興させようという大槌町長碇川豊氏の講演、能弁で問題点を熱く語った佐々木団員がコーディネートしたパネルディスカッション、いずれも心に響いた。町長の、広いスタンスで「貧しいが温かな文化の町を」という発想はよかった。
 分散会では大賀団員の法曹人口問題をまともに議論すべきという指摘が印象に残った。古稀の杉井団員の文章(文集六六頁)に日弁連が三〇〇〇人を受け入れた経緯が触れてあり(平成一〇年に滋賀の会長をしていて議論したことを懐かしく思い出した)、弁護士の生活を優先して考えることの問題性の指摘がある。しかし、弁護士が真面目に仕事をしても生活することができない職業となるとすれば、有能な人材は来ない。最近では司法試験と公務員試験の両方に受かった場合に公務員を選択する人も多いという。現に大津修習では修習を途中でやめて公務員になった人も出た。長きに亘り議論ばかりして、二一〇〇人体制を維持している現状を諦め、放置していてよいであろうか。今回の総会では、各地の弁護士に経営問題の実情を聞いたが、苦しいのは滋賀だけでないことに安堵したものの、団の将来、発展を考えるうえでもっと真剣に考えないといけないことを痛感した。
 最後に、一〇月二〇日の早朝、ホテルから前森山のリフトの下の悪路を走り、歩いて第三リフトの終点(頂上手前)まで登ったが、小雨と風が強くなり、引き返した。ホテルと雲がはるか下にある景色はきれいであった。帰りは傾斜を考慮して大回りをして走って下りたが、市道に出たところ、ものすごい濃霧であった。翌日、筋肉痛となったが、今回、どこも観光しなかっただけにいい思い出となった。


ヘイトスピーチの違法性を初認定した京都朝鮮学校事件判決と我々の活動

京都支部  谷   文 彰

一 はじめに

 「ヘイトスピーチ」は、一九八〇年代にアメリカで使われるようになった比較的新しい言葉である。本来的には、人種・民族・性などの属性を理由として、同属性を有するマイノリティもしくは個人に対し、差別・憎悪・排除・暴力を扇動し、または侮辱する表現行為を指しており、ともすれば訳として用いられる「憎悪表現」では本質を見誤るおそれもある。自由人権規約や人種差別撤廃条約で用いられる「差別扇動」(incitement to discrimination)と理解する方が適切であろう。
 私は、こうしたヘイトスピーチに対して日本で初めて違法性と人種差別性を認定し、高額の損害賠償と学校周辺での街宣等の禁止を命じた判決(京都地判平成二五年一〇月七日)を担当した弁護団の一員である。自由法曹団員も多くが弁護団に名を連ねるが、とりわけ現在は北海道支部に移籍された元京都支部の畑地団員が、遠方であるにもかかわらず現在も実働として中心的に活躍しておられる。
 なお、ヘイトスピーチの問題はしばしば表現の自由との関係で論ぜられるが、このような点は訴訟とは無関係である(映像を一瞥すれば、表現の自由云々を論ずるレベルの話でないことは明らかであろう)ため、弁護団として何らかの共通見解を有するわけではない。本稿もこれを論ずることを目的とはせず、単に本判決を契機に議論が活発化する可能性があることを指摘するにとどめる。

二 朝鮮学校事件と京都地裁判決の概要

 事案の詳細は報道のとおりであるが、大要、二〇〇九年一二月、子どもらの在学中に「在日特権を許さない市民の会」らが京都朝鮮第一初級学校(当時)に押し寄せ、「スパイの子ども」「朝鮮人は人ではない」などと一時間にわたって拡声器を用いるなどして大音量で差別的街宣を行ったことに端を発する事件である。その様子は彼ら自身の手によって撮影され、インターネット上にアップロードされ、現在も新たな被害を生み出し続けている。
 これに対して京都地裁は、「人種差別行為による無形損害が発生した場合、人種差別撤廃条約二条一項及び六条により、加害者に対し支払を命ずる賠償額は、人種差別行為に対する効果的な保護及び救済措置となるような額を定めなければならない」とした上で、在特会らの言動は業務妨害かつ名誉棄損であると同時に「在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴える意図のもと、在日朝鮮人に対する差別的発言を織り交ぜてされたものであり…全体として人種差別撤廃条約一条一項所定の人種差別に該当するものというほかない」と判示し、表現行為であり許容される旨の在特会らの主張については、そのような言動が「『専ら公益を図る』目的でされたものとは到底認めることはできない」として一蹴し、「わが国の裁判所に対し、人種差別撤廃条約二条一項及び六条から、同条約の定めに適合する法の解釈適用が義務付けられる結果、裁判所が行う無形損害の金銭評価についても高額なものとならざるを得ない」として高額の損害賠償を認め、さらには今後も「同様の業務の妨害及び名誉棄損がされる具体的なおそれが認められる」として、大部分の者に対して朝鮮学校周辺での街宣行為等の禁止を命じる判決を下した。

三 日本におけるヘイトスピーチと今回の特徴

 日本におけるヘイトスピーチはインターネット上では相当以前から存在していたものと思われるが、そのようなネット上での表現をそのまま現実に持ち込んでいるところに大きな特徴があるといえる。「在日特権」など対象集団が何らかの特権・利益を享受しており、自分たちは被害者であると称して、被害を回復するなどと主張する。支持者と財政的支援を獲得するため、とにかく過激でインパクトのある言動を行い、自分たちの活動の様子を自ら録画し、インターネットを用いて流布する。掲げるテーマは単なる道具あるいは口実であって、それが真実であるかはとくに重要ではない。典型的な右翼とは違い一見して「普通の人」が多く、現実に何らかの不満を抱いており、その矛先を向けるために活動に参加している場合もある。インターネットの差別的言説を無批判に真実とみなし、他方で、それを否定する書籍やマスコミなどの情報には見向きもせず、むしろ後者のような情報自体が「朝鮮人」ら対象集団によって操作されたものであると主張する。
 とりわけ今回の事件の最大の特徴は、実際に授業が行われており子どもたちが学んでいる平日の学校で行われたという点である。子どもらは極度の恐怖から平静を失い、泣き出し、人格を深く傷つけられ、夜泣きや夜尿をするようになり、あるいは1人で登校することができなくなり、さらには朝鮮学校に通うことを嫌がるようになる子も出た。幼少期に大人によって刻みつけられた筆舌に尽くし難い心の傷は、今後子どもたちをどれだけ苛み続けるのであろうか。また、影響は教員や学校自体にも及び、退職を余儀なくされる者や学校への志望者の減少、地域との関係悪化など様々な悪影響が発生している。子どもらや学校関係者は、単に「ヘイトスピーチ」の一言で一括りにできないほどの深刻な被害を受けているのである。
 こうした被害を引き起こす彼らの主張や活動は私たちの常識から外れており、理解に苦しむものばかりであるが、現実に朝鮮学校ではそのような活動が行われ、現在も新大久保や鶴橋では継続しているのである。

四 今後に向けて

 今回の判決をほぼ全てのマスコミは当然の判断と受け止め、社説等も含め常識的な結論であると一様に報じた。今回の判決を機に、深く傷つけられた子どもたちの心が少しでも回復することを願うばかりである。
 しかし、在特会側は京都地裁の判決を不服とし、大阪高裁に控訴を行った。今後は舞台を控訴審に移した闘いが始まるが、京都地裁判決は私たちの予想以上に「画期的」であり、代理人としては悩ましい部分もある。人種差別撤廃条約が締約国の裁判所に対してその名宛人として直接に義務を負わせるものであるとしている点、同条約が民事法の解釈適用に直接的に影響し、不法行為における無形損害の認定において同条約の定めに適合するように賠償額を認定しなければならないとしている点、その賠償額は人種差別行為に対する効果的な保護及び救済措置となるような額でなければならず金銭評価において高額なものとならざるを得ないとしている点など、これまでの学説等では必ずしも一般的であったとはいえない判断を行っているためである。もちろん、ヘイトスピーチを日本社会から根絶し、子どもたちが安心して学ぶことのできる環境を護るため、私たちは控訴審でも全力を尽くす所存である。みなさまのより一層のご支援・ご協力を心よりお願いしたい。

五 終わりに

 一度下された判決は、往々にして独り歩きしがちである。私自身、法廷で「在特会らの街宣はけしからん」と述べたその足で某政党の街宣車に乗ってマイクを握ったこともあり、そこはかとない矛盾を感じないでもなかったが、今後、我々の勢力が街宣を行う相手方が「街宣禁止と高額の賠償を命じた判決もある」などと本判決に言及することがあるかもしれない。
 しかし、その映像と比べれば、違いは正に一目瞭然である。裁判官に事案が異なることを説明しさえすれば、本判決が私たちの活動の妨げになることはないと確信はしている。とはいえ、本判決の結論だけを見て私たちの活動を制限しようとする裁判官もいるであろう。その際はお声掛けをいただければ、出来る限りの協力をさせて頂くことを最後にお約束して、報告としたい。


社保庁解体分限免職事件
香川事案で分限免職取消の人事院判定出る

岡山支部  則 武   透

 さる一〇月二四日、社保庁解体に伴う分限免職事件の香川事案(請求人は綾信貴さん)で分限免職を取り消すとの人事院判定が下された(実際の人事院判定は一〇月九日付け)。
 両親を地方公務員に持つ綾さんは、国民に奉仕する仕事に就きたいとの純粋な思いで国家公務員となった。たまたま厚生労働省を希望し、平成一四年四月、社会保険庁に入庁した。社会保険庁における綾さんの成績評価はA評価、上司や同僚からの信頼も厚く模範的な職員であった。
 ところが、平成二〇年一〇月に善通寺事務所で、いわゆる年金問題の発生に伴い苦情処理の対応に追われる中で過酷な勤務を強いられる中、体調に不調を来たし、綾さんは病気休職を余儀なくされる。その結果、綾さんは平成二〇年一〇月二〇日から平成二一年二月末まで休職することになった。なお、この病気休職については、平成二四年一〇月二二日に公務災害の認定がなされた。
 不幸なことに、この病気休職中に社保庁解体に伴う意向調査が実施され、年金業務に従事することに自信を失った綾さんは日本年金機構の採用を希望せず、厚生労働省への配転を希望した。平成二一年二月一〇日、厚生労働省への配転面接が実施され、病気休職していたことを理由で面接評価はD評価となった。この面接の直後の三月一日から綾さんは職場復帰した。面接が行われた二月一〇日には既に職場復帰可能との医師の診断書を職場に提出していたにもかかわらず、そのような資料は一切厚生労働省へは提出されなかった。
 この面接の結果、綾さんは厚生労働省への配転に不採用となる。あとは、社会保険庁では綾さんに日本年金機構の非常勤職員への応募を勧めるだけで、何も分限免職を回避するための努力を果たさなかった。その結果、平成二一年一二月三一日の社会保険庁の解体と同時に、綾さんは分限免職され、国家公務員としての身分を失った。その後、残念なことに、失業した綾さんは奥さんと離婚することになり、幼い娘さんとも離れ離れとなる。
 今回の人事院判定最も重要な部分は、「面接においてマイナス評価としたポイントとされた健康問題は、後日公務災害と認定された抑鬱状態であると見るのが相当であり、また、健康問題のほかに地方厚生(支)局における選考の評価をマイナス評価とした要素は示されていない。そうだとすると、面接当時、公務災害との認識を持たなかった地方厚生(支)局の面接官が、公務災害であるとの前提の下に面接を行っていれば、請求者の評価結果はD評価とは異なるものとなっていた可能性が高いものと認められる。したがって、公務災害であることを前提としないまま、転任候補者として選考されずに本件処分を維持することは、妥当性を欠くものと認められる。」と、配転面接の評価自体が誤っていたと判断した点にある。既に、従前の同種事案での取消判定は、配転面接の評価自体は所与の前提として、その評価よりも低い評価の者が選考されていることの問題性を指摘するに止まっていた。その意味で、今回の人事院の判断は、今後、同種事案での取消訴訟で突破口となるものであり、綾さんと同じように分限免職され苦しんでいる多くの人々への励ましとなるものと信じている。
 綾さんは年金問題のクレーム対応のために健康を失い、今回の分限免職のために職を失い、最終的には家庭も失った。いわば、政府の失策のために三重苦を負わされたのである。その綾さんの犠牲の下で勝ち取られた今回の人事院判定が、社保庁解体に伴う分限免職問題の全面解決に繋がることを願ってやまない。


人権大会・第二分科会に実行委員・コーディネーターとして関わって

愛知支部  川 口   創

 一〇月三日、広島にて、日弁連・第五六回人権擁護大会のシンポジウムが開催され、翌四日には大会が開かれた。三日のシンポジウムは三つの分科会があり、そのうちの一つの第二分科会では、「なぜ、今、国防軍なのか」が開催された。私は、その分科会の実行委員として、また、パネルディスカッションのコーディネーターとして関わらせていただいた。
 自民党が去年憲法草案を公表し、また、安倍政権が憲法改正に前のめりになっている中、日弁連が憲法改正に正面から焦点を当てたシンポジウムを行い、大会決議をあげる、ということはとても意義があるものだったと思う。
 まず、冒頭、「憲法って、何だろう?」というビデオから始まり、開会宣言の後、伊藤真さんから「自民党改憲草案の目的と危険性」と題して問題提起があった。
 前日深夜まで、時間内に伝えられるようにと練り上げられた報告は、日本国憲法の価値を示し、いかに自民党改憲草案がひどいものかを浮き彫りにする素晴らしい内容だった。
 続いて、「『国防軍』にすることの意味」と題して、青井未帆さん(学習院大学法務研究科教授)の記念講演があった。今の憲法を巡る危機的状況について、これほど的確に、かつ冷静に話ができる論者がいたのか、と感銘を受けた。国家安全保障基本法が、憲法を頂点とする法体系を下から根こそぎ変えてしまうものであることをシャープに指摘して戴いた。
 その後、ビデオレター、「被爆の実態―いまなお続く被爆の苦しみ」、大森典子弁護士「慰安婦問題―いまなお続く慰安婦たちの生活苦」、高遠菜穂子氏「イラク戦争からの一〇年たった今」が流され、九条を巡る様々な問題に向き合った後、厚木基地の爆音を会場で再現する、という試みがあった。
 大音量の下、「被害」を体感し、共有することで、「これはひどい」という感情で会場が一体となった。日本は主権国家とは言えない、ということを肌で感じた瞬間だった。
 その後、休憩を挟んで、パネルディスカッションに入った。
 まず、四人のパネリストの方から、まず前半はそれぞれ一五分ずつ、話を戴いた。
 パネリストは、半田滋さん(東京新聞論説兼編集委員)、孫崎享さん(元外務省国際情報局長)、李鍾元さん(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)、浜矩子さん(同志社大学大学院ビジネス研究科教授)。
 前半終了前に、会場発言ということで、那須弘平・元最高裁判事(弁護士)にお話し戴き、「憲法難民」にどう向き合っていくか、という貴重な問題提起があった。
 休憩を挟んで、四本のビデオレターが流された。(1)伊勢崎賢治氏「武装解除と九条の現実的な力」、 (2)梅林宏道氏「アジアにおける平和構築の実践」、(3)故品川正治氏「財界人として生きて」、(4)「国連で議論されている平和への権利」
 その後、パネルディスカッションの後半、いよいよ議論に入った。後半には、伊藤真さんにも法律家として加わって戴いた。
 後半では、国家安全保障基本法案について、これが、まさに今最大の焦点になってくる、ということで、冒頭、伊藤真さんに解説戴いた。
 その後、半田さんから、集団的自衛権行使の議論のまやかしについて、厳しい指摘があり、続いて、孫崎さんから、オバマ政権に変わっても、日本に集団的自衛権行使を求める方針は基本的に変わっていない、という指摘があった。 
 浜さんからは、安倍政権の政策は、平成の富国強兵政策であり、いつかまた破綻する、という指摘があった。さらに、李さんからは、ASEAN+3など、アジアの平和の枠組みを具体的にご指摘戴き、各論者から、その後、「厳しい国際環境の中で軍事力を高めなければ」という意見に対する具体的な反論の議論がなされた。
 かなり、具体的に実りある議論になったと思っている。
 最後に、青井氏からパネルディスカッションを受けてのコメントがあり、日本は主権国家なのか、という趣旨の投げかけがあった。
 今日得たことを各地に持ち帰って、市民との対話につなげよう、ということを確認し、パネルディスカッションは終わった。
 その後、実行委員長によるまとめの挨拶があり、広島県弁護士会副会長の挨拶を経て、会の全体は終わっていった。
 まさに、憲法が危機的状況にあるなかで、様々な情報を共有すると同時に、憲法九条を活かす道に確信を持つことができた、極めて時宜にかなった充実した集会となったと思う。
 延べ七〇〇人を超える参加があり、熱気溢れるものだった。私は、パネルディスカッションのコーディネーターを務めさせて戴いたので、壇上から会場を見渡していたが、同期や教官、各地の弁護士会の会長や会長経験者など幅広い参加されていた。
 愛知県弁護士会は、現会長、前会長と、多くが参加していくださった。
 多くの人とも同じ時間を共有できた意義は大きい。
 最後に、人権大会の実行委員として、また、パネルディスカッションのコーディネーターをやらせていただいての感想である。
 中弁連から、憲法委員会の副委員長に(無理矢理)選任され、その中で他に人を差し出せなかったので人権大会の実行委員になり、さらに自分が欠席した会議の中でパネルディスカッションのコーディネーターに選ばれた、という極めて他動的な関わりで今回仕事をすることになった。
 率直に言って、実行委員会の会議に日弁連に行く以外にも、左右の憲法問題の本を読んだし、パネリストとの打ち合わせなどの準備も大変だった。何より、プレッシャーもそれなりのもので、率直に言って時間的にも能力的にも大変だった。
 しかし、様々な全国の先輩弁護士と出会うことができ、人間的な部分も含めてたくさん学ばせていただいたことは、得がたい経験だった。良い出会いは、人を豊かにする、と良くいうが、素晴らしい出会いにたくさん恵まれた、と思って感謝している。
 憲法の危機に今、すでに直面しつつある。
 自由法曹団は、まさにその闘いの全戦で闘う法律家集団として、大いに期待されている部分があると思う。
 他方で、日弁連は、強制加入団体であり、自由法曹団のように先進的に闘う、ということは難しいかもしれない。
 しかし、その分、幅広いつながりがあり、この幅の広さが、多くの市民を巻き込んで行く上でとても大事だと思う。日弁連に対する市民の信頼は、やはり軽視できない。
 日弁連内で、憲法の「解釈改憲」にも「明文改憲」にも抗うのが弁護士会のスタンダードだ、という雰囲気を作りあげることは大きな力になる。
 日弁連の幅広い裾野の広さを武器に、憲法改正に抗い、国家安全保障基本法制定を阻止していく大きな運動を作っていきたい。
 日弁連や単位会の中で、地道に信頼関係を構築していくこと、率先していろいろな仕事をしていくことが、憲法の効きに直面しつつある今、とても大事ではないか、と思っている。
 特に若い弁護士の皆さんには、弁護士会の会務にも積極的に顔を出し、人脈を広げ、人生の幅を広げて戴ければ、と思う次第である。


核と手を切るよう求めるわけ

広島支部  佐 々 木 猛 也

 ピカ! ドン!
 ピカは閃光、ドンは爆烈音、ピカドンは原爆を意味します。被爆者にとって、原子の爆弾、原子爆弾よりもピカドンの方が分かり易いのです。
 三五万人が生活していた広島に投下されたピカドンは、その日、七万人を殺害し、その年の年末までの死者は一四万人にもなりました。一九五〇年の第一回国勢調査は、二〇万人に達したと記録しています。
 ピカドンは、死の灰(放射性核分裂物質)を撒き散らしました。核分裂の連鎖反応によって、膨大な中性子線、ガンマ線などを放出しました。中性子線は、建造物などあらゆる物質の原子核に衝突してガンマ線を生み出し、人々の身体を貫き外部から被曝させたのです。また、未分裂の核分裂物質は、アルファ線を、そして、ガンマ線やベータ線を放出しました。飛程距離の短いアルファ線やベータ線は、食べ物を食べ、息を吸って口や鼻、皮膚や傷口から体内に取り込まれ、内部被曝を与えました。
 ヨウ素一三一は甲状腺に、ストロンチウム九〇は骨に、セシウムは筋肉や生殖器に沈着し濃縮して、長年にわたり内部被曝を繰り返し、DNAのらせんを切断して深刻な健康被害を与え続けてきたのです。
 あの日から六八年が経過した今も、被爆者たちは、この初期放射線と残留放射線が引き起こす病に苦しみ、原爆症認定訴訟を闘い続けているのです。
 その年の九月一七日の枕崎台風で、二、四七三名が死亡し、一、二八三名が行方不明となりましたが、ことに広島県では、死者・行方不明者が二、〇〇〇名を超える甚大な被害を受けたのです。枕崎台風は、ピカドンの残留放射線を洗い流しました。放射性物質は、瀬戸内海に流れ込んで沈殿し、その海水は、一年半から二年を掛けて太平洋の海水と入れ替わったのです。
 瓦礫は、広島を流れる七本の川のひとつ福島川と、かつては運河であった平田屋川に埋め立てて処理されました。
このようにして残留放射性物質が激減し、比較的短期間のうちにその影響から逃れることができたのです。
 福島では、毎日四〇〇トンの地下水が冷却水と混ざって、本年八月末現在、地上タンクに三四万トン、一号機から四号機の地下に九万二〇〇〇トン、合わせて四三万二〇〇〇トンが溜まっています。 格納容器、圧力容器の損壊が修復できない限り、これからも溜まり続けて行くのです。
 この汚染水と呼ばれる水は、汚れた水ではなく、放射線水、危険水、有害水と呼ぶべきものです。核燃料棒もごまかしです。燃料は燃えますが、核は燃えるのではなく分裂して熱を発生させるのです。原子力発電所も核発電所(NUCLEAR POWER PLANT)と呼ぶべきものです。
 福島第一核発電所の一号機は、今も、最大毎時一一・一シーベルト、つまり一一、一〇〇ミリシーベルトを、二号機は、七・二シーベルト、七、二〇〇ミリシーベルトの放射線を発しています。三号機の線量は測定できていません。これを、広島の初期放射線による、地上一メートルの推定被曝線量に照らし合わせると、一一・一シーベルトは、爆心地から二二五メートル、七・二シーベルトは三六〇メートルの地点の線量に相当します。この線量は致死量です。一〇〇人がこれを浴びると一〇〇人全員が死ぬのです。事故は収束してもいなければ、コントロールもされていないのです。
 島は、ピカドンのように一〇〇万分の一秒の間に、つまり瞬時に高線量を受けるのではなく、低線量被曝を持続的に受けています。長期にわたる低線量被曝が人体に与える影響ははっきりしていませんが深刻な健康被害の可能性があると言われる以上、被害防止のための諸施策がなされなければなりません。一二年後にやっと制定された原爆医療法のように遅れてはなりません。
 遅れているのは、敷地内で日々発生する、そして野に山に飛散した放射性物質の除去です。この国の科学者、技術者の英知と経験を結集して対応すべきです。
 みなさん! わが国とその周辺で発生したマグニチュード三以上の地震がどれくらいあると思われますか。今年一月から六月まで、実に三、六二五回、マグニチュード四以上が五九七回もあったのです。
 福島の事故は、人類は自然を制御できない、核を制御できないことを教えてくれました。死者三二万六〇〇〇人が出る東南海トラフ地震が想定されています。地震大国のこの国で、核発電所を稼働することは余りに危険過ぎます。
 ピカドンのキノコ雲を見た者として、核と手を切り、核兵器を廃絶し、核発電所の全廃を求める所以です。
 (日弁連人権大会での発言です。どこかに記録として残せと言われ投稿しました)


「憲法を暮らしに生かそう!全県交流集会」を開催して

滋賀支部  稲 田 ま す み

 滋賀県では、五月一〇日に、団支部等の呼びかけで、県労連、自治労連、救援会、革新懇、母親連絡会、民医連等各団体とともに、「憲法を守る滋賀共同センター」を再建しました。「憲法を守る滋賀共同センター」では、六月一一日の「改憲策動を阻止する集い」に続き、九月二八日、「憲法を暮らしに生かそう!全県交流集会」を草津市内で開催しました。当日は約四〇人の参加がありました。
 開会挨拶で玉木団員が、危険な秘密保全法制定の動きや、滋賀県高島市あいば野演習場でのオスプレイを使った日米合同演習などに触れて、今、憲法の知識のない人たちが憲法を変えようとしていると訴えました。そして、私たちの生き方は私たちが決めると決意を述べ、九条の会などの再開を強め、改憲に対し国民的な議論を巻き起こすことが求められている、そのための輪を広げていく工夫が必要だと呼びかけました。
 第一部は、石川団員と私が、自民党議員に扮して自民党の憲法改正草案について説明しました。なぜ今改憲が必要か、集団的自衛権行使とは何か、憲法九条の改正内容、自衛権の規定を追加したことの意味、国防軍の設置などについて、その必要性等を説きました。これに対して、会場からは、反論が次々と出されました。「現憲法は占領軍から押し付けられたと主張するのは、従来の天皇制の憲法を良いと思っていた人だ」「集団的自衛権の際の侵略とは何か。旧日本軍は自衛を掲げアジアを侵略した」「安倍首相の積極的平和主義は、武力制圧で、時代遅れだ」など痛快な反対意見が出されました。討論中は、自民党の見解を説明する私たち両名に対して会場から批判的な視線が向けられていましたが、討論後には、打って変わって、会場から温かいねぎらいの言葉が続きました。
 今回、共同センターでこのような企画を計画したのは、自民党が集会を開き、改憲運動を広めてきた際に、憲法を守る我々が、そのような集会会場内に乗り込み、果敢に反対意見を述べ反論できるよう練習する必要があると考えてのことでした。
 第二部は、地域九条の会や団体の活動交流を行いました。
 滋賀県内での各団体の憲法を守る活動を報告し合い、励まし合い、更なる活動の推進を確認し合いました。


映画「約束」上映会を開催して

滋賀支部  樋 口 真 也

 二〇一三年九月二一日、大津市民会館にて名張毒ぶどう酒事件の映画「約束」の上映会を開催しました。開催にあたっては、国民救援会大津支部など関係団体と協力のもと、映画「約束」を観る会を結成し、準備を進めてきました。また、救援会大津支部総会では、映画「約束」鑑賞の事前学習の位置づけとして、名張事件ドキュメンタリー「黒と白」の上映会も開催し、私はその準備にも関わりました。
 映画「約束」上映会は、午前の部、午後の部ともに二〇〇名を超える来場者があり、一部立ち見の方もおられました。午前の部では私が上映あいさつを担当し、午後の部では玉木団員が上映あいさつを担当しました。また、奥西さんの特別面会人の稲生さんが駆けつけてくださり、午前午後ともに、奥西さんの病状や奥西さんとのやりとり等を紹介されました。非常に心迫るものがあり、奥西さんの心の叫びが稲生さんの言葉を通して伝わりました。
 来場者の方から反響も大きく、アンケートで寄せられた感想の一部を紹介させていただくと、「裁判所ってなんなん???いかりでいっぱいです。」「裁判官にはなぜ真実の叫びが聞こえないのでしょうか」「本当の法とは?涙がとまりません」等熱いメッセージが多くありました。
 私は、以前もこの映画を見ましたが、主演を演じられた仲代達矢さんの新聞のインタビュー記事が非常に印象的に残っています。その中で、仲代さんは、「出演依頼を受けたときは戸惑ったが、資料を呼んで冤罪だと確信した。」「私はやっていないので恩赦は必要ないとの奥西さんの言葉が心に響いた。」と言われていました。
 私は、これまで名張事件のドキュメンタリーや映画「約束」をそれぞれ二回ずつ見ましたが、いつも激しい憤りを感じます。折しも、このほど奥西さんの特別抗告を棄却する最高裁の決定が出されました。絶望的な刑事裁判の現状に改めて唖然としました。奥西さんや弁護人の先生方、支援者の方々の思いを想像すると本当に何とも言えない気持ちでいます。私としては、これからも奥西さんの救出に向け、できる限り多くの人に事件のことを知ってもらうために、支部長をしている救援会大津支部の活動等を展開していきたいと思っています。


劇団俳優座の「気骨の判決」の公演
―東條英機と闘った裁判官―の観劇を呼掛けます

東京支部  池 田 眞 規

 先日、俳優座の重鎮・遠藤剛氏から一一月公演の「気骨の判決」の案内を受け、法律家の皆さんに是非観て戴きたいと言われました。その演劇は現在の法律家にとって感動的な内容です。あの天皇制ファシズムの荒れ狂った戦争中に、翼賛会の激しい選挙干渉を放置して行われた衆議院選挙に対して、大審院判事吉田久が、良心と正義を貫き免職覚悟で「実施された選挙の無効」という気骨ある判決を言渡した事実に取組んだ演劇であります。現実に、その判決の四日後、吉田判事は退職を命ぜられました。彼を支えた家族まで描いた舞台だということです。現在のわれわれ法律家に勇気を与える舞台であると思います。憲法九条をはじめ、憲法違反の判決の回避を常習化して恥じることも知らない現在の日本の最高裁判事らの堕落に対し、この演劇は痛烈な警告になると思います。
 団員の皆さんに、時間を造って観劇されるよう呼び掛ける次第です。
 以下、出演される俳優座の遠藤剛氏の呼掛けを紹介いたします。
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 俳優座の「気骨の判決」の公演のご案内

俳優座  遠 藤   剛

 自由法曹団の皆様が戦前から長年にわたり人権のために闘い続けてこられたことについて敬意を表し、頼もしく思っております。
 このたび、俳優座は「気骨の判決」を一一月の公演として行いますので御案内させて頂きます。これは、太平洋戦争の真只中、東條英機内閣による翼賛政治体制が進む中、一人の大審院部長判事の気骨ある生き様と家族を描いた舞台であります。昭和二〇年三月一日、明治に日本で議会政治が始まって以来、政府が主導した翼賛選挙に唯一の無効判決を下した裁判官がいたのです。軍国主義の時勢にあって、なお正義を貫いた“伝説の判事”吉田久の姿を描いたものであります。
 法律家の皆様にとって、関心のある課題でもある舞台であると考えますので、この機会をお見逃しなく是非ご観覧を頂きたくお待ちいたしております。次に観覧の要領を述べさせていただきます。
 場所 紀伊国屋ホール;紀伊国屋書店新宿本店四階
 電話 〇三―三三五四―四〇一四
※新宿駅東口より徒歩五分・新宿駅と伊勢丹の中間です。
 上演期間 一一月一五日(金)より同月二四日(日)まで一〇日間
※開演時間は日によって次のとおり異なります。
一四時開演の日 一六日、一七日、一九日、二一日、二二日、二四日
一八時三〇分開演の日 一五日、一八日、二〇日、二三日
 料金 一般A席 五、二五〇円
        B席 四、二〇〇円
※前売券は次の場所で電話して購入の申込みをしてください。
 劇団俳優座  〇三―三四〇五―四七四三
           〇三―三四七〇―二八八八
  チケットぴあ 〇五七〇―〇二―九九九九
※FAXで申込む場合;FAX番号;〇三―三四七〇―二〇五三
  申込み後、チケットと郵便振替用紙をお送りします。
  よろしく、お待ちしております。


女性部総会〜小樽にて〜

東京支部  畠 山 幸 恵

 九月一三日〜一四日にかけて、北海道は小樽の宏楽園にて、自由法曹団女性部総会が開催されました。全国から多数の先生方にご参加いただき、参加者は団員、修習生合わせ三〇名程度でした。
 お昼ごろに小樽に到着し、めいめいが空弁やおみやげ(早くも!)を買い込んで、会場に向かいました。
 一日目は、議案書について報告し、その後講演が行われました。講師の講師坂本勤先生は、長らく中学校の先生をされ、「タマゴマンは中学生」などの本を執筆されています。
 子供に笑顔を見せ、何もしなくても家にいるだけで生きているだけで価値があってお母さんが喜んでくれるということを子どもに教えることがとても大切で、これが「愛」なのだ。ということを教えていただきました。参加された女性部の先生たちには現役で「子育て」「孫育て」をしている方が多く、自らの体験に照らして皆さん熱心に質問などをされていて、坂本先生が持っていらした著作も売り切れるほどでした。まだ私には子供がいませんが、母に感謝しよう!と思いました。
 一日目の終わりには、明日の自由を守る若手弁護士の会の紙芝居を特別バージョンの北海道弁で紹介していただきました。
 翌日は、憲法・改憲問題について各地域からの活動報告や質疑応答などが行われ、単に講演や勉強会を開催するだけでなく、ディスカッションや法教育などさまざまな角度での取り組みが報告されました。また、今年は女性部の憲法リーフレット改訂が行われたため、これについても活用していくことを確認しました。
 また、総会中、坂本福子先生を偲んでの黙祷も行われました。
 来年の活動としては、子ども手続代理人についての学習会、女性の働き方について考えるシンポ等のアイディアが出されました。これらの様々なイベントを行うにあたり、現在の運営委員ではマンパワーが不足ぎみです。ぜひ、女性部員の皆さんにはご協力をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 宏楽園は、庭が広く散歩するだけでもさわやかでしたし、温泉や露天風呂も広くとても心地良かったです。露天風呂からの庭の景色は、昼も夜も格別なものでした。もちろん、北海道の食材を使った夕食、朝食、そしてワインも非常においしくいただき、会議の途中には差し入れのおかしもいただいて、二日間北海道を満喫し、身体もお腹も大満足でした。早めに買ったおみやげも、二次会であっという間になくなっていました。
 ご協力いただいた北海道の先生方には、本当にありがとうございました。参加された先生たちもお疲れ様でした。また来年の女性部総会が楽しみです。


労働問題委員会から全国会議等のお知らせと参加の呼びかけ

労 働 問 題 委 員 会

 今年六月の規制改革実施計画の閣議決定を受けて、現在、労働政策審議会で、労働者派遣法の改悪と労働時間法制の改悪に向けて審議が進められています。安倍政権は、年内にも労働者派遣法の改悪案をまとめ、来年の通常国会に改悪案を提出しようとしています。常用代替防止という考えを捨て、派遣労働者の利用を無制限に許容する内容であり、これが通れば正社員が〇になり派遣労働者ばかりの世の中になりかねません。また、この間、安倍政権は、特区制度を利用して解雇自由化やホワイトカラー・エグゼンプションの実施、無期転換権の排除を狙ってきました。この策動は多数の国民の反対により撤回されましたが、今もなおこれらの政策の実現を狙い、無期転換権の要件となる就労期間を一〇年とすることを画策しています。労働者の雇用をこれ以上不安定なものとすることは許されません。
 この間、「ブックレット・安倍『雇用改革』を切る!」(労働法制中央連絡会・自由法曹団・全労連編)は、全国各地で好評をもって迎えられています。いま、このブックレット等を活用して、全国で労働法制改悪反対の学習会を開き、反対運動を飛躍的に強化する必要があります。
 そこで、労働問題委員会では、次のとおり「安倍政権の労働法制改悪に反対する  全国会議」を開催致します。全国会議には、全労連等、多数の労働組合、諸団体に出席していただく予定です。また、日本共産党から、「ブラック企業規制法案」と国会における労働情勢について報告を頂くことも予定しています。全国各地から学習会活動や反対運動の経験を持ちより、労働法制改悪を阻止するための運動の作り方等について、経験交流と討論をする予定です。多くの参加を呼びかけます。

 安倍政権の労働法制改悪に反対する全国会議
日時:二〇一三年一一月二二日(金)一三時〜一七時
場所:自由法曹団本部会議室
内容:情勢と課題についての報告および討論
 ・「限定正社員」問題について
 ・労働者派遣制度の改悪について
 ・労働時間法制の改悪について
 ・「特区」制度(「雇用条件の明確化」の狙いと、有期雇用の特例について)
 ・その他
※全国会議後に懇親会も予定しています。こちらも是非ご参加ください