<<目次へ 団通信1486号(4月21日)
山普@和友 | *和歌山支部特集* 原発を拒み続けた和歌山の闘い |
後藤 富士子 | 「職権主義」の訴訟はなぜダメなのか? ―「人間の心理過程」と「公正な裁判」 |
飯田 美弥子 | 私の愛する「憲法一三条」よ、永遠に |
野口 景子 | 給費制復活へ 〜団体署名にご協力いただきありがとうございました! |
佐藤 宙 | 三・三一安倍「雇用改革」に反対する院内集会に参加して |
星野 圭 | 「許すな!労働者派遣法の改悪 全国各地でさらなる運動を!」 |
労働法制改悪阻止対策本部 | リーフ「STOP!アベノ雇用破壊」を国民一人ひとりの手に届けましょう! |
*和歌山支部特集*
和歌山支部 山 普@和 友
一 和歌山県には、現在原発は一基もありません。しかし、和歌山県下に原発をつくろうとする動きが無かった訳ではありません。それどころか、県下には四町五ヶ所における原発建設計画があり、それを巡って関西電力と行政対住民の原発推進と反対の永く激しい闘いがありました。
二 県下五ヶ所の原発建設計画と原発反対の闘い
1 和歌山県で最初に関電の原発建設計画が持ち上がったのは、昭和四二年(一九六七年)七月の日高町阿尾地区です。日高町阿尾は、和歌山市から紀伊半島を南に約五〇キロの御坊市の北隣りの地区です。日高町議会は同年七月全員一致で原発誘致を決議しましたが、原発反対派住民は、直ちに「阿尾地区原子力誘致反対同志会」(愛郷同志会)を結成し、翌昭和四三年一月の阿尾地区総会で原発設置反対決議を絶対多数で可決し、町と一体となって原発誘致推進をしてきた区長や役員を総辞職させました。
また、同年五月には阿尾地区地元の比井崎漁協が原発反対の総会決議をしました。日高郡の一四漁協と愛郷同志会はこの間約四〇〇名とバス六台を連ねて町内のデモ行進などを行い、同年一一月日高町長と愛郷同志会とは原発誘致の白紙撤回を合意しました。
2 しかし、日高町と関電は日高町での原発建設計画を昭和四五年ころから阿尾地区から二キロ北隣りの日高町小浦地区で当時の町長名で原発予定地の取得を進めており、昭和五〇年関電は町に正式に小浦地区での原発建設計画を提示してきました。そして、小浦地区での愛郷同志会の反対運動にもかかわらず、昭和五三年二月小浦地区民総会で関電の陸上事前調査の受け入れ決議をされました。
しかし、同年五月比井崎漁協は海上事前調査の受け入れを棚上げしたが、漁協幹部や町や関電や和歌山県までもが比井崎漁協に介入をし、紆余曲折を経て、昭和六三年三月比井崎漁協臨時総会で関電との海上事前調査の議案が遂に廃案となり役員は総辞職しました。
そして、平成二年一〇月それまで原発推進の町長が町長選挙に立候補を断念し、原発反対を掲げた町長が誕生しました。
3 現在白浜町と合併した日置川町でも昭和五一年二月臨時町議会で関電の原発誘致を前提に町有地の関電への売却案を提案し可決されました。
ここでも住民は反対運動に立ち上がり、同年七月の町長選挙で反原発町長を当選させました。
しかし、この町長は二期目に原発誘致へと変わりました。
その後日置川町の反原発住民運動は粘り強く拡がっていき、昭和六三年七月の町長選で原発反対住民に押された町長が誕生し、その後反原発を引き継いだ町長が平成一八年白浜町と合併するまで町長を続けてきました。
4 古座町と那智勝浦町でも関電の原発建設計画があり、古座町では昭和四三年一二月、那智勝浦町では昭和四四年二月町議会で原発誘致決議がなされました。
しかし、夫々の住民たちの反対や漁協の反対の声が上がり、周辺自治体の反対決議がなされ、那智勝浦町は昭和四六年一〇月町議会で自ら原発誘致設置に反対する決議がなされ、古座町では昭和四七年の町議選挙で反対議員が多数を占め、原発誘致決議を白紙に還元して誘致・設置に反対する特別決議が可決されました。更に昭和五八年二月の古座町長選で反原発の革新町長が誕生しました。
三 このような反原発の闘いは、昭和四二年から昭和六三年まで二一年間の長期にわたって闘われてきました。
この闘いの中心になったのは地元住民ですが、その中でも「ふるさとを守る女の会」や「紀伊半島に原発はいらない女たちの会」「原発がこわい女の会」など女性や漁協の漁師や地元医師会の果たした役割は筆舌に尽せないものがあります。
関電と行政に攻撃されながら原発を拒み続けた過疎の町の人たちが、日本で一番原発から遠い県を守ってきました。
そして、平成一七年二月、日置川原発と日高原発について電源開発促進重要地点の指定解除がされました。それでもまだ油断はできませんが、これからも美しい海や川や山の自然を守る闘いに参加し続けようと思っています。
東京支部 後 藤 富 士 子
一 「当事者主義」と「職権主義」
ハロルド・J・バーマン編『アメリカ法のはなし』(有信堂一九六三年)の一講にロン・L・フラー著「当事者主義」がある。宮城啓子教授の「訴訟構造と手続理念」(『現代刑事法』創刊号)によると、日本では、当事者主義は、裁判官の機能と検察官の機能とを分離するものととらえられているが、アメリカでは、意外なことに、裁判官の機能と弁護人の機能とを峻別する考え方ととらえられているとして、フラーが引用されている。
まず、弁護人の任務は依頼者を裁くことではなく、依頼者の立場から見たときにその事件はどんな様相を帯びているのかを、陪審と裁判官の前に提示することであるとされている。弁護人の仕事は冷静な態度で事件の全体像を裁判官に提示することではなく、「当事者的な熱心さ」をもって主張を裁判官の前に展開することであるから、例えて言えば、ダイヤモンドを光の下でゆっくりくるくる回して全体像を見せるのではなく、依頼者に最も有利に見える一面を固定してそこだけを際立たせればよいのである。それこそが弁護人の任務であり、このように客観的・中立的ではない被告人の立場に立った主張をすることこそが、当事者主義を支える柱であるという。というのは、検察官と被告人・弁護人という相対立する当事者が、それぞれ「当事者的な熱心さ」をもって証拠を提出し弁論を行う構造のもとで初めて、すべての証拠調べと弁論が終わるまでは裁判官がどちらかの味方をすることなく、判断も下さないでいることが可能となるからである。
すなわち、裁判官は対立する当事者の熱心な主張に耳を傾けることのみに専念し、事件の特殊性やニュアンスを知り尽くすまで事件を二つの対立した解釈の間にただよわせることによって、人間が陥りやすい心理過程から解放されることができるのである。ここでいう「陥りやすい心理過程」とは、心の中に「もし、このことが本当だとすると」という仮定を形成し、それに基づいてさまざまの証拠を判断しようとする傾向をいう。何らかの仮定がないと証拠の関連性を判断する手掛かりがなくなってしまうのであるが、しかし、一応の仮説だと考えていたことが、いつの間にか最終的な結論になってしまいがちである。なぜならば、仮説に一致するものはすべて心に強い印象を残すのに反し、仮説に反するものはすべて注意をひかずに見逃されるからである。このことこそ、職権主義という「静かで能率的だという意味では合理的な制度」を排斥する最大の理由とされている。
ちなみに、職権主義的な訴訟形態では、裁判官はどうしても早い時期に結論に達し、それとは反対の考え方が後に示されても初めの結論に固執しがちになることが指摘される。しかも、このような早まった類型化は裁判官の忍耐力の乏しさ等から生じるのではなく、審理を秩序だて集中させようとする意図に基づくことが多いという。
二 弁護士「至上」主義を越えて『法曹一元』へ
前記した「当事者的な熱心さ」という弁護人の任務は、社会一般の人々からは理解され難いものであり、アメリカでも例外ではないという。それにもかかわらず、当事者主義が正当とされるのは、それが官僚主義の弊害を打破する最良の方法であり、「人間性の定めの許すかぎり自由、公正かつ独立な裁判官による裁判」を保障するものであるととらえられているからである。換言すると、「人間性の定めの許すかぎり自由、公正かつ独立な裁判官による裁判」は、単に裁判官任用制度を改善するだけでかなうものではなく、裁判官をして「事件を二つの対立した解釈の間にただよわせる」状態に置くべく、当事者的熱心さをもって主張を展開する当事者法曹の活動が不可欠の要素となっている。
このことからすると、日本の弁護士には、「裁判官の給源」たりうるかという以前に、当事者主義訴訟を担う資質・技量の向上という本来の任務が突きつけられる。官僚制を打破する『法曹一元』という裁判官任用制度は、当事者主義と一体となって初めて真に官僚主義から解放されるのである。したがって、裁判官や検察官に「弁護士経験」を要求する「弁護士至上主義」こそ、克服されなければならない。
(二〇一四年四月一二日)
東京支部 飯 田 美 弥 子
一 四月は私の誕生月。誕生日にはだいたい桜が見頃になる。それが嬉しい。乳ガンを経験し、洗顔石鹸の被害でアナフィラキシーショックを起こす食物アレルギーを発症してから、「今年も誕生日を迎えられた」という感慨が一層深くなった。
二 振り返れば、なかなか大変な人生のように思う。まず、母親に好かれていない。子どもを愛さない親はいない、などという青臭いことは言わないで欲しい。子どもを愛せない親は存在する。確かに、私の親は私を私立大学に行かせてくれた。しかし、それは子どもを四大卒にするという親の自己実現である。法学部志望の私と利害が一致しただけだ。私の好成績は母の手柄で、私の失策は私のせい。私が苦しいとき母は私に対して迷惑そうだった。対外的には心痛を装いながら。
母より成績の良い娘への敵意ではないかと思い始めたのは、学生の頃であった。後に、司法研修所で児童虐待の中の精神的虐待という範疇を学んだ時、自分の分析の正しさを知った。
妹は、「出来のいい姉と比較される可哀そうな私」というスタンスで世の同情を買う術を身に着けていった。彼女なりの知恵だろう。
自分の存在そのものが、母や妹を傷つけるという「原罪」みたいなものを感じながら、私は青春時代を過ごした。だからといって、手加減して生きることはできなかった。というより、子どもは誰でも自分がスタンダードと思って過ごしているものだ。
三 こんな私が、世を拗ねずに来られたのは、周りの人に愛された記憶のゆえだろう。例えば、私の編物の趣味は、子どもの頃、近所のKおばさんが手解きしてくれたもの。贈られたポンチョやロングスカートの温かみは、冬の夜、一人机に向かう孤独を癒してくれた。
落語は、中学の担任だったH先生の影響だ。当時、名人と言われた噺家の、得意ネタのカセットテープをくれた。噺の国には、序列も偏差値も「原罪」もない。英単語テープを聴いている振りをして、落語を聞いた。死ぬ苦しみで笑いを堪えた。高校では落研に入り、部室に入り浸った。
四 大学卒業後、親の支配から逃避すべく結婚したが、結婚するや夫が「家長」になった。驚いた。所属労組が支持する候補者に投票せよ、と言われた。私は夫の扶養には入ったが、投票の自由まで売ったつもりはなかった。逆らわないが、従わなかった。投票の秘密は守られるべきと心得ていた。そうした軋みが、やがて離婚に至るのはやむを得なかったかもしれない。
離婚後は、法律事務所で事務員として働きながら司法試験を受けた。出戻りの娘など親は受け入れるはずがなかったから、私が息子を引き取るためには生活力をつける必要があった。幸運にも五回目の受験で合格できた。
片や、私のDNAを受け継ぐ息子は、家長たる父親を殴って愛想尽かしをされ、離婚から実に一六年ぶりに「返還」されてきた…。
いや、なんと不幸なDNAだろう。パンのために魂を売ることが、何としてもできない。服従する能力ゼロの私の支えは、憲法一三条だった。一三条のお陰で、どんな境遇でも、私は私なりの幸福を追求することを止めずに来られた。
五 さて、その一三条「個人として尊重される」を、自民党改憲案は、「人として」に変えようとしている。
「人」たるものかくあるべきというスタンダードを、国家が個人に押し付けるなど、絶対に許せない。
怒った私は、昨年春、腕に覚えの落語で、改憲案批判を始めた。以来、「八法亭みややっこの憲法噺」は、想定外の大反響。素人だてらにDVDは出すわ、憲法記念日を目処にネタ本まで出そうか、という騒ぎである。
また桜の季節と誕生日が来る。
少しは憲法一三条に恩返しできているだろうか。
東京支部 野 口 景 子
昨年末から二〇一四年二月まで、日弁連、市民連絡会、ビギナーズ・ネット(給費制の復活を求める若手ネットワーク)が呼びかけ人となって実施された給費制の復活を求める団体署名は、二一一四筆(一四二七団体、個人六八七人)の賛同を得ることができました。
今回の団体署名は、日本医師会・歯科医師会や士業団体、労働組合、各地の原告団・被害者団体(公害・消費者など)、その他の市民団体(九条の会、生健会など)、会社など、実に幅広い団体から賛同を得ることができました。また、冤罪被害者など、個人の方からも賛同をいただきました。日弁連が呼びかけ人となり、各地でさまざまな業務・活動に携わる会員の協力を得て、各種団体に呼びかけることができたことが大きかったようです。
自由法曹団でも、本部の他、多くの支部からも賛同をいただき、ありがとうございました。また、多くの団員の方に他団体への呼びかけも行っていただきました。特定の地域や分野で賛同団体が急増して不思議に思っていたところ、団員が中心となって呼びかけてくれたという話を後日耳にするということもありました。重ねてお礼を申し上げます。
団体署名賛同者リストを見た議員から「この団体も賛同しているんですね」と驚きながら指摘を受けたとの報告もあり、既に団体署名の成果が見え始めています。日弁連やビギナーズ・ネットでは、今回の団体署名を重要な資料として活用しながら、引き続き議員要請、院内集会や市民集会などを開催する予定です。
給費制復活に向けた活動に今後ともご注目ください。
東京支部 佐 藤 宙
三月三一日に開催された、「三・三一安倍『雇用改革』に反対する院内集会」に参加してきた。会場である衆議院第二議員会館第一会議室は、大勢の参加者で埋め尽くされていた。
集会は、篠原義仁団長による開会の挨拶、労働組合の方々による連帯の挨拶に始まった。
続いて、鷲見賢一郎団員により、「安倍『雇用改革』の全貌と危険な正体」と題して、学習講演が行われた。鷲見団員は、安倍内閣により、「世界で一番企業が活動しやすい国」を作るために、労働者を解雇しやすくする限定正社員制度や、ワークライフバランスを無視した長時間労働・広域配転を強いる無限定正社員制度の普及、常用代替禁止を取っ払い生涯派遣を正当化する労働者派遣法改悪など、「人が働く」ということの意味や重要性をないがしろにし、労働者の多大な犠牲の上に一部の大企業が膨大な利益を貪るための制度づくりが着々と行われていることをわかりやすく説明した。
鷲見団員の学習講演の後は、並木陽介団員により、リーフ「STOP!アベノ雇用破壊」の紹介が行われた。自由法曹団らしからぬ(?)カラフルな見た目のリーフには、安倍「雇用改革」の概要とその不当性についての説明のエッセンスが詰まっていた。
それに引き続き、集会参加者による討論や経験交流が行われた。その中では、日産派遣切り事件、ベローチェ雇止め事件、IBM退職強要事件、JAL不当解雇事件などの当事者の方々による訴えの場が設けられた。当事者の方々の話は、全て衝撃的なものばかりであった。特に、「鮮度が落ちた」という理由で長年勤めてきたベローチェから雇止めをされた事件は、「雇用維持型から労働移動支援型へ」などと標榜する安倍「雇用改革」の残酷さ、理不尽さを具現化したような事件であり、このような不正な行為が公然と行われていることに驚きを禁じ得なかった。
大げさかもしれないが、不当な解雇や雇止めは、太平洋戦争時の召集令状に共通する残酷さを持っているように思える。何の落ち度もない労働者が、「解雇」の一言で切り捨てられる。「会社」のために「労働者」が犠牲になるという構造は、「国」のために「国民」が犠牲になった太平洋戦争の構造そのものである。安倍「雇用改革」により、このような残酷な社会が実現されてしまう前に、しっかりと反対の声をあげていかなければならない。
集会の最後には、今村幸次郎団員により、安倍「雇用改革」実現を阻止するための七項目の行動提起がなされた。
この集会が、安倍「雇用改革」実現阻止のための大きな流れを作ったことは間違いないだろう。
福岡支部 星 野 圭
団本部主催「許すな!!労働者派遣法と労働契約法の改悪三・三一安倍『雇用改革』に反対する院内集会」に、福岡支部から参加しました。安倍政権による労働法制の改悪、雇用破壊の策動は止まるところを知りません。
三・三一院内集会では、鷲見賢一郎団員から、「安倍『雇用改革』の全貌と危険な正体」と題した基調報告があり、安倍雇用改革の二つのキーワードである「世界で一番企業が活動しやすい国」と「雇用維持型から労働移動支援型へ」という言葉について、前者は、企業利益第一という旗のもと世界で一番労働者を痛めつける国にすること、後者は、大量失業のスローガンであり、正社員を含めて解雇を容易にする政策であることが解き明かされました。その後の討議では、非正規問題の当事者はじめ多くの発言者から、不安定雇用の現状とその苦しさに関する報告がありました。
今国会では、安倍雇用改革の目玉のひとつである派遣法改悪法案が審議される予定になっています。現行労働者派遣法は、常用代替防止の原則のもとで、業務単位での派遣期間制限を定めていますが、法案では、派遣期間制限が事実上撤廃されています。しかも、均等待遇原則の採用はいまだ実現していません。この法案が、不安定・低賃金な派遣労働の拡大と、派遣労働者と正社員との置き換え(常用代替)を目的としていることは明らかです。派遣労働者の地位を引き上げない一方で、正社員の地位を同じ職場にいる派遣労働者の地位まで引き下げようというのがこの法案の狙いです。今国会における派遣法改悪の動きは、今や派遣労働者のみの問題ではなく、正社員を含めた労働者全体の問題となっているのです。
今国会での派遣法改悪の動きは労働市場全体に大きな影響を及ぼしかねません。ところが、現在までのところ、派遣法改悪法案の内容に対する国会議員の理解はまったくといっていいほど進んでいません。三・三一院内集会後の議員要請においても、(秘書対応がほとんどでしたが)国会議員側の派遣法改悪法案に対する理解・関心のなさがうかがえました(なお、改悪反対を明言しているのは、民主党、共産党、社民党。)。
派遣法改悪を許さない!という運動にとって、今の状況はチャンスでもあります。国会議員の理解・関心が低く法案の問題点が知られていないということは、逆に言えば、現在の法案の問題点をわかりやすく周知させていけば、国会議員において、今回の法案では国民の理解を得られないという認識も広がる可能性があるからです。派遣法改悪法案の今国会での審議は、最終盤に予定されているという情報もあります。とすれば、今からでも、今回の法案の問題点を周知させることで、審議不十分による廃案に追い込める可能性があるといえます。今こそ、多くの団体・労働組合などと連携した運動が必要です。
私も所属する日弁連貧困問題対策本部は、四月一〇日一一時三〇分〜一三時に、非正規全国会議と日本労働弁護団は、四月一八日一八時〜一九時三〇分(衆議院第一議員会館地下一階大会議室)に、それぞれ派遣法改悪反対の院内集会を開催いたします。さらに、日弁連同本部は五月一五日一八〜二〇時に日弁連会館一七〇一にて市民集会を予定しており、自由法曹団本部も五月二九日に再度の院内集会を予定しています。
福岡支部では、三月一七日に、大阪市立大学名誉教授の西谷敏先生をお招きして、派遣法改悪と労働法制の規制緩和に反対する例会を開催しました。つい先日、福岡市が国家戦略特区の指定地域になったこともあり、福岡支部としては、労働法制の規制緩和モデルにされないよう警戒を強めているところです。
労働法制全般の改悪の動きは待ったなしです。労働者の権利を軽視し、企業利益に偏重する安倍政権の政策を正すためにも、全国各地で、派遣法改悪や労働法制の規制緩和に反対する集会、学習会(団本部編のブックレットやリーフレットも有用です)を企画、実施し、人権無視のアベノミクスのおかしさを追及していきましょう!
労働法制改悪阻止対策本部
団本部は、安倍政権の労働法制大改悪を阻止するため、リーフ「STOP!アベノ雇用破壊」(初刷五万部)を発行しました。A4サイズ裏表で、四つ折りです。リーフの内容は、一、二面は上段のとおりです。三〜八面で、労働者派遣法の大改悪、「限定正社員」制度、「解雇の金銭解決制度」、労働時間法制の大改悪などの内容を明らかにしています。街頭宣伝用及び学習会用リーフとして最適のリーフです。
価格 一部一〇円 五〇〇〇部以上一部八円 一万部以上一部六円 送料購入者負担(着払い) ご注文は五〇部単位にて、注文書で団本部まで |
このリーフを国民一人ひとりの手に届けることができれば、必ず安倍「雇用改革」を阻止することができます。各支部(県)、団員、事務局の皆さんが、街頭宣伝、学習会などでリーフを普及、活用していただくことを呼びかけるものです。