<<目次へ 団通信1493号(7月1日)
岩橋 進吾 | 千葉支部の集団的自衛権反対運動の報告 |
小寺 貴夫 | 足立で二つの集会開く |
西ヶ谷 知成 | 田中優子氏講演会を開催 |
松井 繁明 | レセプションの報告と本の紹介 明日の自由を守る若手弁護士の会『超訳 特定秘密保護法』 |
齊藤 園生 | 超きまぐれ映画評論 「チョコレートドーナツ」を観る |
庄司 捷彦 みちのく赤鬼人(せつきじん) |
追憶 ……角銅立身さんへ |
井上 卓也 | *五月集会特集・その三* 五月集会・半日旅行に参加して |
千葉支部 岩 橋 進 吾
五月一五日の安保法制懇の報告以来、集団的自衛権を認めようとする安倍首相と国民との綱引きが続いています。そこで、千葉でも、独自のビラを作り、横断幕を作って街頭宣伝をしました。チラシは、有能な団員にお願いをして、何人かが手を入れて非常にわかりやすくカラフルなものができました。その図案をやすいところにお願いをして、一枚二円五〇銭くらいで良質の紙に印刷をし、横断幕も立派なものを作りました。
六月一七日の昼宣伝には、弁護士及び事務員二〇数名がが参加をし、約四〇〇枚のチラシをまきました。人々の関心は高く、受け取りはよかったです。マスコミも、千葉テレビ、千葉日報、赤旗と来て、団員何人かにインタビューをしていきました。もっともどのくらい発表されるかはわかりませんが。参加した団員らも元気を得て一層頑張ろうという決意を固めています。また、六月二四日にも宣伝をする予定です。
そして、団支部で作ったチラシを民商でも配ってもらい、憲法改悪反対共同センターでもそれを使って宣伝をする予定です。その意味では、千葉県内での反対運動の活性化につながっていると思います。この文章を皆さんが読まれる頃に閣議決定がどうなっているのかはわかりません。しかし、閣議決定で終わるわけではなく、その後の立法作業を通じて綱引きが続きます。そこで、集団的自衛権反対の運動を続けていこうと千葉支部あげて頑張っています。
東京支部 小 寺 貴 夫
第三三回「憲法のつどい」
五月二九日、竹の塚地域学習センターで、第三三回「私たちのくらしと憲法を考えるつどい」が開かれました。一九八二年から、憲法改悪の動きに抗して、憲法を暮らしに生かそう、として、北千住法律事務所と足立区内の各団体で実行委員会を作って取り組んできた集会です。三〇〇人以上が詰めかけ、会場には空席がなく、入口にも人がいるという満席の状況でした。
主催者あいさつの後、普天間かおりさんの歌を聞きました。普天間さんは、琉球王朝の流れをくむ人です。ラジオの番組も担当しています。ソプラノの声は美しく心が洗われるようでした。
昨年に引き続いて、大使や外務省国際情報局長を歴任した孫崎亨氏のお話しを聞きました。
孫崎さんは、大手マスコミは本当のことを報道しなくなったと話し始めました。たとえば、昨年の天皇誕生日(一二月二三日)に天皇が、「平和と民主主義を守るべき大切なものとして日本国憲法を作った」と発言したことをNHKは報道しませんでした。政権に不都合なことは報道しなくなっていると言うのです。また、訪日したオバマ大統領が安倍首相に語ったことは、(1)尖閣列島は日米安保の対象となる、(2)領有権問題には中立である、(3)領有問題は平和的に解決すべきで、互いに非難するようなことはすべきでないと特に安倍首相に強調した、(4)米軍がこの一線を越えたら行動するというデッドラインはない、と話したが大手マスコミは(1)しか報道しなかった。しかし、報道したのは従前からのアメリカの立場に過ぎません。
そして、尖閣問題と集団的自衛権とはほとんど関係がないと話しました。たとえば、避難のために米軍の艦艇に乗った日本人を守ると言うが、実際に戦闘になったら、米軍は戦争をすることが仕事であって、邦人が米軍に助けてもらうことはない、事前に工夫をして邦人を避難させることが日本政府の仕事だからです。
尖閣問題をめぐって中国との間で緊張が高まっているのは確かですが、大事なことは、政府の役割は相手を非難し合って緊張を高めるのではなく、いかに平和的に解決するかにあります。そのために、憲法九条が果たしてきた役割は大きい、九条こそが大事だと確認して、集会を終えました。
自治体業務の民間委託(外部化)中止を求める区民集会
また、六月一七日、足立区役所ホールで、区の窓口業務の民間委託(外部化)に反対する区民集会が開かれ、四八〇人が参加しました。
足立区では、今年一月から、戸籍・住民票の窓口業務の大半が民間委託されています。戸籍の届出、住民の異動の届出の受付まで民間委託したのは全国に例がありません。
受付に座っているのは富士ゼロックスシステムサービスの社員です。戸籍や住民票を取りにきた住民、あるいは結婚や離婚、出生の届け出をしにきた住民で、区役所の職員でない人が業務をしているなどと知っている人はほとんどいません。もし知ったら、どんな気持ちになるでしょうか。プライベートなことを知らない人に知られてしまうと不安になる人は多いでしょう。結婚や離婚、出生等の届け出は公的な義務であるのに、それらの業務を行うのが公務員ではなく、短期で職を離れることがあり、誰でもなれる民間の非正規の社員ということに違和感を感じる人は少なくありません。
どこに無理があるのでしょうか。
一つ目は、届け出についての受理・不受理には判断を伴いますが、民間に委託できない性格の業務を民間委託することです。二つ目は、偽装請負の疑いを払拭し切れないことです。三つ目は、偽装請負を避けるために二重の手間をかけるため、待ち時間が二時間も三時間にもなっていてサービス低下が著しいことです。四つ目は、かえって委託料が高くなっていることです。区が民間委託導入の理由として挙げるサービスの向上、経費の節減は逆の結果になって、導入の大義名分は破綻しています。そして、住民の個人情報が人目に晒されることで、漏えいの不安が格段に高まることです。デジタル社会化に対する個人情報の保護という要請とは反対に、民間委託を次々に強行しようとしています。
ところで、足立区では、戸籍、住民票だけでなく、介護、国民健康保険の窓口業務についても来年から実施するために、人材派遣大手のテンプスタッフやNTTデータと委託する契約などが交わされ、さらに、課税業務や保育所入所業務、児童手当等の支給業務についても、大手の企業に委託することが検討されています。専門業務であっても定型化できるものは何でも、全て、外部化するとしているのです。これは、足立区が大手企業と癒着し、自治体業務を切り売りしている事態に他なりません。
足立では、こんな民間委託を直ちに中止して欲しいと求めて、住民運動が起こっています。「考える会」は、法務局や東京労働局にも要請行動をしました。また仁比聡平参議院議員が国会で質問し、その違法性を追及しました。東京自治労連弁護団は、戸籍業務の民間委託についての意見書を発表しました。そのため、六月三日には近藤やよい区長が会見で謝罪する事態にまで至りました。
集会では、戸籍は、人の出生、結婚、死亡までを国家が管理しているものであって、民間に任せるなどとんでもない、直ちに中止すべきだと訴えた人、派遣で実際に窓口の業務をしてみて、こんなことをやっていいのかと悩んだ人、保育所の入所申込みには、住所、氏名、家族、収入、勤務先、通勤経路など、大事な個人情報を記載する必要があり、そんな情報を公務員でない人に知らせるのは嫌だ、信頼できないと訴える人などの発言が相次ぎました。
窓口業務の民間委託には多くの住民が不安を抱いていることが分かり、自治体業務の切り売りを辞めさせる運動は、もっともっと広がる予感を抱きました。
静岡県支部 西 ヶ 谷 知 成
去る二〇一四年六月一四日、静岡市に田中優子法政大学総長をお招きし、憲法集会を行った。主催は静岡県弁護士会(憲法委員会)であったが、若手団員が中心となって企画を実現させた。
静岡ではこれまで何度か憲法や平和をテーマに市民集会を行ってきた。しかし、宣伝がうまくないからか、企画に魅力が無いからか、はたまた保守的な地域柄だからか、参加者数が余り振るわなかった。
因みに、これまで一番多く集客したのが二〇〇七年に行った森永卓郎氏の講演会(「新自由主義はなぜ戦争につながるのか」)。当時、テレビに出まくっていた森永氏のご講演に約三〇〇人のミーハーなおばちゃん達もとい市民の皆様にご参集いただいたのが、人数的には一番だった。その後は一〇〇〜一五〇人程度の集客数が多かったように記憶している。
今回は、安倍政権の解釈改憲に危機感を募らせる静岡県弁護士会会長から、「定員五〇〇人規模の会場を取るように。」との指示が出され、大ホールが会場となった。
田中優子先生の知名度は確かに高いが、これまでの集客状況から考えると二〇〇人程度だろうと予測していた。三〇〇人来れば空席も目立たなくなるが、そこまでは到底届かないだろうと思っていた。
しかし、蓋を開けてみると三五〇人もの参加者で会場がほぼいっぱいになった。これは、多方面に大量のチラシを配布したことに加え、情勢に対する市民の方々の関心の高さや危機感によるものだと思う。静岡での企画としては異例の大盛況であった。
講演会の中身もよかった。開始から三〇分間は憲法前文と自民党憲法案とを丁寧に読み比べた。世界平和を希求する日本国憲法のスケールの大きさに比べ、一国中心主義の枠を出ない自民党案のスケールの小ささを一笑に付した箇所などは非常に痛快であったし、今の安倍政権が行おうとしていることは日清・日露戦争時代への逆行であると指摘した箇所などは、なるほどと思わされた。
田中先生のお話に引きつけられ、あっと言う間に終演の時間となった。そして、集会の最後には、「解釈改憲による集団的自衛権行使容認を許さない参加者アピール」を満場一致で採択し、大成功のうちに閉幕した。
ところで、本企画において田中先生に講師依頼をする際、田中先生は江戸文化研究者研究者であり憲法について専門的な話は出来ない旨を事前に言われていた。しかし、憲法の専門家ではないからこそ、一般市民にストレートに伝わる言葉を持ち合わせている場合もあるということが今回の企画で改めて分かった。
情勢は悪くなる一方であるが、黙って指をくわえて傍観しているわけにはいかない。みんなで力を合わせ、静岡での活動を盛り上げていきたいと思う。
東京支部 松 井 繁 明
六月五日の夜大雨のなかを、あるレセプションに参加しました。そう、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)『超訳 特定秘密保護法』出版記念のレセプションです。
共産党の仁比聰平さんをはじめ各党の若手政治家も参加し、こもごも特定秘密保護法への批判と「超訳本」評価と期待をスピーチしていました。
直木賞作家の中島京子さんは、同法への不安と怒りを語り、この本への期待を表明しました。私はたまたま、彼女の受賞作『小さいおうち』を読んでいたので、会場で呼び止め、昭和初期の状況が詳しく書かれているのに感心したことなどを話しました。もっとも私自身が昭和初期を経験したはずもなく、当時東京で暮らした父母から聞いていた話ですけどね。
たくさんのスピーチがあり、それぞれ興味深いものでした。なかでも私の関心をひいたのは、一人の青年(男性)の話でした。政治的な目的で街頭で活動することに抵抗や迷いがあったが、特定秘密保護法案の中身を知るにつれ、ひとつひとつ抵抗や迷いを克服し、街頭スピーチやパレードに参加するようになった経過を語ったのです。私自身は若いときもそのような抵抗や迷いを覚えたことがないので、現代の青年たちの心情に軽い驚きを感じました。しかし、そのような心情をもつ青年が、さまざまな工夫もこらしながらそれを克服していったことには感心もし、感動も覚えました。昨年一二月六日の夜に国会周辺に結集した青年たちは、こうした人たちだったのか、とも思いました。
私をこのレセプションに招待してくれた「あすわか」共同代表の黒澤いつきさんとも会場で会いました。一時期、同じ事務所で仕事をした黒澤さんが今、このような活動をしていることを誇りにも思い、久しぶりに懐かしく雑談をしました。
大雨にもかかわらず、この日の会は盛況で、なによりでした。なお、この日の状況は、六月八日付朝日の「天声人語」にも紹介されていました。
これからは、「超訳本」の紹介をします。
「あすわか」が特定秘密保護法の「超訳本」を岩波書店から出版するという話は、以前から聞いていました。特定秘密保護法は判り難さ(出来の悪さ)では超一級。法文の「読み」では定評のあるベテラン団員でもしばし頭をひねるほどのものです。これを「超訳」するのは容易なことではない、と思っていました。
ではその超訳はどうか。
「第12条 身辺調査
一項
一号〜三号の人に「秘密」を扱わせたときに「秘密」を漏らしてしまわないかどうか、大臣とかは身辺調査をします。細かいことは内閣が作るきまりで決めます。」
これに対応する法文はこうです。
「第十二条 行政機関の長は、政令で定めるところにより、次に掲げる者について、その者が特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないことについての評価(以下「適性評価」という。)を実施するものとする。」
たしかに「超訳」ですね。
「行政機関の長」は「大臣とか」になり、「政令で定めるところにより」は後にまわし、「その者が特定秘密の取扱の業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないことについての評価」は、「『秘密』を扱わせたときに『秘密』を漏らしてしまわないかどうか」となり、「評価を実施する」が実態に即して「身辺調査をします」になっています。
こんな「超訳」がマンガ付きで読めるのだから、法律の条文には取っ付きにくい一般の人にも、気楽な読み物になっています。
とはいえ、「超訳」によって全部の条文を読み通しても、この悪法の全体像が読取れるとは限りません。まあ、無理でしょうね。
そこで、この本の全体の構成を紹介しましょう。
《はじめに》で「大阪のおばちゃん」こと谷口真由美さんが、特定秘密保護法について「善良な市長」たちの無関心ぶりを紹介していて、なるほど、と思いました。もちろん、それではいけない、本書を読んで「だまし絵」を見破ることの大切さを説いています。
続いて「なんで『特定秘密保護法』は問題なの?」で、前出の黒澤さんと内山 宙(ひろし)さんが、この法律の問題点を四つの角度から解明しています。あらゆる情報が特定秘密に指定されてしまう怖ろしさを「不(●)特定秘密保護法」と表現しているのが、判りやすいと思います。
条文ごとの「超訳」には必ず「解説しよう!」欄がついていて、それぞれの問題点を指摘しています。それ以外に計一二本のコラム(たとえば「特定秘密保護法」じゃないと、秘密を守ることができないの?など)があって、理解を深めることができます。「超訳」だけでは不安なかたには、法律の全文も掲載されているのでご安心を。―わずか一四〇ページほどの小冊子ですが、特定秘密保護法を重層的に解明しているのです。
特定秘密保護法を落語で噺すのは容易ではありませんが、この本があれば「超訳」することができるので、講演などの役に立つのではないでしょうか。ぜひ手元に一冊置いてご活用ください。
(二〇一四・六・二二記)
東京支部 齊 藤 園 生
「映画評論」として投稿するのは、かなり久しぶりです。いえ、ちゃんと映画は観ていましたとも(ずいぶん少なくなりましたが)。でも、なかなか書く時間と気力がありませんでした。ちょうど「原稿書かない?」と山口事務局長に言われていたとき、久々に良い映画だ、という映画に会いました。まさに「気まぐれ」ですが、ご容赦を。
邦題「チョコレートドーナツ」(原題「Any Day Now」)。監督トラヴィス・ファイン、主演アラン・カミング。
一九七〇年代後半、ゲイに対する偏見がまだまだ強かった時代のカリフォルニア。歌手を目指しショウダンサーとして日銭を稼いでいるルディと、正義を信じ世の中を変えようと弁護士になったポール。ルディの出演するゲイバーで出会い、二人は急接近します。そんな時、ルディは、アパートの隣人で、薬物中毒の母親から育児放棄されたダウン症の少年マルコを知ります。母親が逮捕され一人で福祉施設に連れて行かれるマルコ。「ジャンキーの母親がいることも、普通の子と違うことも、彼が望んだ訳じゃない」と言ってマルコを保護し、三人は家族のように暮らします。二人はマルコを学校に通わせ、海に連れて行き、寝るときにはハッピーエンドのお話を聞かせ、大事に育てます。二人の愛情を受け、マルコも「二人のパパ」という絵を描き、賛美歌を披露し、格段の成長を遂げます。しかし、二人が従兄弟と言っていたのが嘘で、実はゲイのカップルだったことが発覚し、そのことが理由で、激しい法廷闘争の末二人はマルコと引き離されてしまいます。そして最後は悲劇的な結果となるのですが・・・。
七〇年代、米国であった実話の映画化です。実に悲しく、やるせない気持ちになります。初めて親からの愛情を知ったマルコの愛らしさ。マルコを取り上げることは、ゲイに対する「これは、差別だ」と言い切るルディの力強さ。困難な訴訟と十分知っていても、それでも闘い、裁判所を説得しようとするポールの真摯さ。俳優陣と脚本が、実に見事なのです。
同時に不正義や不条理といったものに対する怒りが、どうしても押さえられません。実に悪辣で差別意識丸出しの検察官や裁判官が登場し、「そこまでやるか」という手も使い、ルディとポールをおとしめ、マルコと引き離そうとするのです。あんなドアホな法曹がいたのか、と怒りに震えます。
しかし、この映画がすごいのは、単なる悲劇もの、お涙ちょうだい映画に終わっていないところなのです。最後にルディが歌手への道を開き、熱唱するボブ・ディランの名曲「I Shall Be Released」。「いつかきっと差別や偏見というものから私たちは自由になれる、それは遠くはない、そう今日にでも(Any Day Now)できるはず」というメッセージは、何と力強いのでしょう。
ルディ役を演じ、最後のこの曲を熱唱するのは、名優アラン・カミング。最後の熱唱は鳥肌ものの圧巻です(私はこの映画のサントラがほしいと思っています)。人に対する愛情や信頼に、ちょっと自信が無くなった方に、おすすめの映画です。
宮城県支部 庄 司 捷 彦 みちのく赤鬼人(せつきじん)
昨日 貴方の訃報を受けました
驚きと悲しみの中にいます
モンゴルでの楽しい旅が浮かびます
現地の人が 貴方を
「最もモンゴル人に近い人」と評したとき
嬉しそうな笑い声を響かせた貴方
水シャワーだけの宿
ウランバートルの夏の夜
楽しい語らいの忘れられない旅の一夜
秋田高専で学んだ鉱山学が
三池爆発事故での原因追及に生きたのだと
熱情を傾けた若い時代を話された夜
帰国の後、旅の友らと発起人となって
モンゴル国の弁護士たちへ
七宝焼きのバッチを送りましたよね
貴方は いま モンゴルの空で
藤本さんや兵頭さんと
旅の仲間との 再会でしょうか
昨夜 東北の夜空は晴
梅雨の晴れ間の星の空
モンゴルの空に続く 星の空
旅の仲間の星はどこ?
一人 空を仰いでいます
お会いできない 悲しみを刻みながら
合 掌
(二〇一四・六・二四)
岐阜支部 井 上 卓 也
岐阜支部の井上です。私は、五月集会の両日とも、労働の分科会に参加しました。
一日目は、主に労働派遣法改悪について、二日目は、全国各地の団員の労働裁判の活動報告が行われた。
一日目は、労働派遣法改悪について講演、質疑が行われたが、この問題については、派遣社員が多く、不安定な雇用形態に置かれている人が多い状況でありながら、主に大手メディアの報道が大々的になされておらず、国民の関心も話の重要性に比して薄いように感じていた。
お話を聞くなかで、上記の理由として、既に正社員として職につけている人々にとっては、この問題を当事者として考えにくいからではないかとの言葉があり、派遣期間の実質的撤廃との重大な改悪法案についてもっと関心を高める必要があると感じました。
改正法案は、「派遣先の同一の事業所における派遣労働者の継続的な受入は三年を上限とするが、受け入れ開始から三年を経過する時までに過半数労働組合等から意見を聴取した場合には、さらに三年間延長可能とする(その後の扱いを同様)」とされており、派遣は一時的であり、臨時的に用いられ、期間制限があることで、直接雇用につながっていたという点が、意見聴取さえすれば、いつまでも不安定な有期派遣雇用を継続することが可能となってしまっている。
このような法案が来年の四月一日から施行されてしまう。
労働派遣法改悪・そして、今残業代の完全撤廃への動き、周りを見ても、歓迎する労働者はいない。
反対世論の形成・関心を高めるためには、労働法制改悪について自らも勉強し、学習会などを行っていかなければならないとの想いを改めて感じる分科会でした。
二日目の、全国の会員の労働裁判の報告会では、公務員の有期雇用における解雇権濫用法理が使えないという事実、解決策としての労働委員会の復職命令という、これからの業務に有用な知識や、ブラック企業弁護団の相談は、本人からは深夜にしかかかってこない、かけることができないという相談者の声に対応する動き、判断の弁護士一年目の同期の弁護士も報告など、全国規模での貴重な取り組みを知ることができ、大変刺激となった。
初めて参加した五月集会であったが、大変勉強となり、全国の同期の知り合いにも会うことができ、また、集会後の半日旅行では、とれとれ市場でおいしい魚介を食べ、三段壁洞窟、千畳敷、円月島、世界最高の頭脳を有すると言われている南方熊楠記念館を回り、初めての和歌山を観光することもでき集会と観光と大変有意義な五月集会となりました。